ジョン・E・モリスのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
LBO(プライベートエクイティ)業界の変遷がとてもよくわかりました。
面白いのは、時代の流れ(と業界が世の中にどんな風に見られているか)と共に、ビジネスモデルが変わってきている事で、ジャンク債による資金調達に始まり、シンジケートローンによる複数金融機関による資金調達、シンジケーションと証券化のハイブリッド(これが今だと一番主流)による資金調達と、夫々の時代に於けるエリート金融マンたちによって新たな金融商品が開発され、その調達規模感と共にプライベートエクイティの買収案件規模も大きくなってきていることがわかります。本自体が2010年頃に書かれているのでその後の業界の変遷については言及されてないです -
Posted by ブクログ
PE業界の最大手の一角であるブラックストーンを通して、PE業界の歴史とその手法の変遷について知ることができる大著。シュワルツマンという強烈な人物を通してブラックストーンを知ると同時に、他のプレイヤーについても詳しく書かれている。
アメリカの産業の歴史、景気の変動に対応して変革してきた自社の力が克明に描かれている。また失敗案件も包み隠さず書かれていてとても参考になる。
最後の2章は若干業界寄りの書き方っぽくもあるが、PE業界が果たしてきた役割の大きさについては疑いようがないのとを改めて認識した。
以前カーライルは読んだが、それよりも詳細で迫力があった。今年読んでよかった一冊。 -
Posted by ブクログ
プライベート・エクイティという存在をご存知でしょうか。
プライベート・エクイティとは、大雑把に言うとLBOと言う、自身の資本に他から調達した資金を追加して企業を買収する手法を用いて企業買収を行い、買収した企業を転売して利益を得る金融グループの事です。
もしかしたら、PHSキャリアのWillcomを買収した事があるカーライルが、その一つである事を知っている方も結構居られるかもしれません。
本書は、この比較的新しい形態の金融グループであるプライベート・エクイティを、その最大手の一角を占めるブラックストーンの創業以来の歴史を通して解説しているノンフィクションです。
尚、訳者の後書きによれば、原著 -
Posted by ブクログ
PEファームの雄「ブラックストーン」の設立から現在までを、
プライベート・エクイティ業界およびLBOの歴史とともに、
ブラックストーンと創業者のシュワルツマンを軸に描いている。
バブル~リーマンショックまでの約30年間を、
金融を絶対悪のように描くルポや小説も多い(ほぼ100%)中で、
PEファームを軸とした本書は、非常に新鮮な感じを受けました。
本書にも度々登場する「野蛮な来訪者-RJRナビスコの陥落」の
プロローグでもあり、その後日談として読むこともできるかな…。
金融の知識がある方であれば、非常に興味深く読めると思います。
1つのディールに群がった様々な人々の泥臭い駆け引きが描かれ -
Posted by ブクログ
恥ずかしながら、プライベートエクイティって何?というレベルで読んだけど、むしろ非常に興味深く読めました。
どうもイメージで「乗っ取り屋」とか、「短期的利ざや稼ぎ」のように勝手に決めつけがちだけど、実際に投資先のうち2年以内に売却されるケースは全体の12%しかないことや、58%のケースでは保有は5年以上に及ぶというから驚きました。
確かにIPOや売却によって利益を得ることが目的ですが、企業の抜本的改革に取り組んだり困難な戦略を実行し体質改善する等、PEが買収することによって企業価値を高めたケースが色々と紹介されていた点も非常に勉強になりました。