ジョン・K・ガルブレイスのレビュー一覧
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1929年ニューヨーク市場の歴史的な大暴落とそれに続く十年間の不況を経て、ようやく経済状態が落ち着きを見せた 1955年に初版。その後、ITバブル前夜の 1997年に再版され、この日経BPクラシックスとしての邦訳はやはりリーマンショック直前の 2008年。コロナ禍とそれに伴う大規模金融緩和の時代に、またこの本が多く読まれているのだという。
1980年代日本の熱狂的なバブル経済を見てきた世代として、今のこの状況をバブルと呼ぶには抵抗があるが、それでもリーマンショック以降の中央銀行による株価の下支えオペレーションがいつか限界を迎え、大恐慌時代が再来するという予言は多い。もっとも、この本から得られ -
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ガルブレイスは、100歳近くまで存命し、ルーズベルトを含む民主党の複数の大統領のアドバイザーを務めました。経済学者としての業績には、毀誉褒貶がありますが、その知名度は著作の読みやすさもあって、抜群のようです。
本書では、1929年のアメリカの大恐慌前後の経済状況、特に金融市場の状況から恐慌前後の状態を解説しています。2008年のサブプライムと同じレバレッジを利かせた投資方法(当時としては空売りや、社債や優先株でレバレッジをかけた投資信託)などが一気に巻き戻った結果、暴落が加速したあたりは80年を経て歴史が繰り返したことを克明に語っていると言えるでしょう。バブルが破裂する際に優良な資産程売られ -
Posted by ブクログ
ガルブレイス 「 大暴落 1929 」 1929年に起きた ウォール街の株の大暴落の経緯を説明した本。経済の変化というより、経済に踊らされている人の変化に着目している。
経済に踊らされている人の動き
*政府〜実態と異なるウソの発表
*銀行と投資家〜終わりがきたことをなかなか認めない
*社会〜金儲け一色に染まり価値観がどこかしら狂っている
「株の大暴落は 投機ブームが終わっただけ」「投機ブームは 時代の空気〜普通の人でも金持ちになれるという自信」とした著者の見解に、日本のバブル崩壊を想起した。
著者は 株の大暴落と 直後に起こった 世界恐慌に 関係性を見いだしていない。
株の大暴落につい -
Posted by ブクログ
本棚を見ていてふと気になり再読。
アメリカ人ってある意味凄い、何ら変わらんもんね。やってみて駄目ならやり直すしかないでしょ的な発想、この志向に資本主義は確かにマッチします。痛い目に合う時は容赦ないけれど、それも呑み込む共通認識が社会に備わっている気がするな。だからこういう過去の教訓があっても同じことを何度となく繰り返す。うん?日本も違う意味で同じかな?
ところで実はトランプという人は意外に経済という観点でアメリカ的にはダメな人かもしれない。とにかくアメリカに拘っていて、何でも良いからガンガン行くという能天気さが実のところ薄い感じがしなくは無いと思うのですが。 -
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ネタバレ【内容】
本書によって、バブルや投機ブームがなぜ生じたか、当時の社会情勢を中心にして、示唆的な説明がなされる。名目上責任ある規制当局の人間が「風船を破裂させるのは簡単だが、針を刺して徐々に空気を抜くのはむずかしい」(p52)と考えていたこと、これが問題の本質を捉える言葉だと感じる。何らかの対処の必要性を感じる人間は、人工的に破裂させた場合、責任が明確になる。そして、誰もが責任を負いたくなかった。FRBは「自ら望んで役立たずにな」り(p62)、フーバー大統領は責任は政治的干渉を免れているFRBにあり、自分にはないと言い聞かせた(p54)。結局、投機への対処に法律どころか、警告すら発されることは -
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Posted by ブクログ
市場があやしい雲行きになったときの常套句、すなわち「経済は基本的には健全である」とか「ファンダメンタルズは問題ない」というものだ。この台詞を聞かされたら、何かがうまくいっていないと考える方がいい。
そもそも人間は知っていることばかり話すのでもなければ、知らないことばかり話すのでもなく、知っているつもりだが実は知らないことを話すことが多い。
「夢を失ってはいけない。夢が無くても死にはしないが、もう生きてはいない」マーク・トウェイン
予言を外した予言者は惨めである。外した理由を説明したくとも、その大事な瞬間にもはや聴衆はいない。
人間は確信が持てないときほど独断的になりやすい。
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