菊地よしみのレビュー一覧

  • 嫉妬/事件
    全体的にかなり読みやすい。描写や表現はノーベル賞受賞するくらいだからやっぱり凄い、と納得した。
    「嫉妬」は主人公が別れた後、男性が他の女性と暮らしていることを知り、激しい嫉妬に駆られる心情が描かれた作品。女性心理を凄く強烈に描いていて、失恋後だったらちょっとは共感できるのかもしれない。嫉妬によって妄...続きを読む
  • 嫉妬/事件
    劇薬みたいな小説エッセイだった。
    40歳にもなって年下男の今カノを特定しようとする様はほぼホラーなのだが、その辺りの葛藤描写が精神病にも近い妄執となっており楽しめた。
    ここまで言語化できるという点が面白い。

    20代前半で望まぬ妊娠した主人公が3ヶ月間で如何にして堕胎したのかを書いた『事件』はよりシ...続きを読む
  • 嫉妬/事件
    仏映画 あのこと
    この原作が事件。エルノーの自伝的小説。それだけに生々しく、想像することを拒絶しそうになる。

    60年代フランスはIVG 人工妊娠中絶が違法。
    この時代背景でもって、彼女は苦しむ。
    果たして中絶することとは、権利であるのか。
    それとも。。。

    あとがきが秀逸であり、本当に考えさせられ...続きを読む
  • 嫉妬/事件
     2022年にノーベル文学賞を受賞したフランスの作家アニー・エルノーの短編集。『嫉妬』(堀茂樹訳)と『事件』(菊地よしみ訳)所収。

     自伝的フィクション(オートフィクション、autofiction)の作家だそうで、自身の経験をもとにしたフィクション。社会問題はさておき、そしてそのことと個人の経験が...続きを読む
  • 嫉妬/事件
    自身の思考、感情などを言葉にしようとする意志の力に感嘆するものの、それ以上にこころをゆすぶられるものはなかった。
  • 嫉妬/事件
    2022年ノーベル文学賞作品

    届いた小説は、文字が大きく行間が広く、むかし読んだ山田詠美の小説みたいなレイアウト。
    その割には1080円と値段が高い文庫本。
    ネット注文だったので、届いた時に、見た目にはガッカリする。

    読んだ感想は、読みやすい。
    その時の“私”の気持ちを淡々と解説し続けている。
    ...続きを読む
  • 嫉妬/事件
    「オートフィクション」とは何なのか。「私小説」とは違うのか。残念ながら、私には2作ともあまり面白く感じられなかったし、文学的価値もよくわからなかった。

    『嫉妬』は、自分の心の動きをこれでもかと冷徹に書いていく筆致はよかった。どんどん嫉妬にはまってストーカーのようになっていく心理は怖くて、嫉妬ってや...続きを読む
  • 嫉妬/事件
    本年度のノーベル文学賞を受賞したアニー・エルノーさんの著書2冊を1冊にまとめたお得な本。……と思ったが、本文のフォントサイズはでかいし、空行は多いし、解説込みでも223ページしかないのに1,188円もする。
    んで、ノーベル文学賞には興味がなくて、「事件」を原作とする映画が12月に公開されるので読んで...続きを読む