須田綱鑑のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレこの『あと365日の晩餐』は、良い食漫画だ、と断言します。
『週末!やらかし飯』(小村あゆみ)に続いて、また、読んでいてお腹が空いて来る良作に出逢え、一漫画読みとしては実に嬉しいです。
基本的に、私は系統に関係なく、美味しくて、満腹になれば良いって感じではあるんですけど、何が一番、好きなのか、と聞かれると、やはり、中華料理なのですよね。和食、洋食も、もちろん、好きなんですけど、中華系の味が舌に合うと言うのか、食べた時の幸福感が、ちょっとだけ高い気がします。
そんな中華系って事で、書店で、この『あと365日の晩餐』を、特に迷うことなく購入したんですが、予想よりも面白かったのは、嬉しい誤算でした。さすがに、『鉄鍋のジャン』や『中華一番』にこそ、まだ、及んでいませんが、(1)にして、中華料理を取り扱った漫画の中では、いきなり、上位に食い込んできました。
知る人ぞ知る小太刀右京先生が、初めて手がけるオリジナル作品ってのも大きいでしょう。小太刀先生の中華料理への愛が、しっかりとストーリーの中から伝わってくるのは、作画を担当したのが半月板損傷先生だからでしょう。ペンネームこそ「!?」と感じるものにしろ、その実力は、間違いなく、本物。このタッグだからこその面白さ、いえ、熱量を感じさせてくれます、『あと365日の晩餐』は。
ほのぼのとした日常系でもなく、ライバルと鎬を削り合ったり、悪意のある料理人と戦ったり、ファンタジーなアイテムを得るために旅をしたりする内容じゃないってのが、これまた、オリジナリティを感じられます。
閉店間際だった町中華系の店を、必死に切り盛りしていた一人の、やや脳筋っぽい少女料理人・トビラと、天才的な味覚と経営感覚を持ちながらも、難病に身を侵され、余命一年の美女・つかさが出逢いを果たした事で、このストーリーは動き出します。
直情的で、諦めが悪く、何より、料理センスには光るモノがあるトビラと、苛烈な女帝気質ながらも、美食家である自分にプライドを持ちつつ、どこか儚げさも感じさせるつかさの相性が、ストーリーに安定感を生むと同時に、トビラの提供する料理を、より美味しそうに魅せてくれていますね。
トビラが「勝つべく」、自分の命を燃やし切る気概マシマシで作る、どの料理も美味しそうでしたけど、個人的には、第二話「人生を奪う酢豚」でトビラが作った“鳳凰糖醋豚(ファンフォンタンツーロー)”でした。元より、酢豚が中華料理の中でも、かなり好きってのも大きいですが、これは、トビラの才能、信念、そして、自分の死と向き合っているつかさへの「自分の料理をずっと食べて欲しい、いや、ずっと食べさせてやる」って闘争心、勝利への執念が、しっかりと伝わってきます。
この台詞を引用に選んだのは、食事において最も大切な事を言っているな、と感じたので。
『トリコ』を読んだ事がある人なら共感してくれるでしょうけど、やはり、美味しい料理は独り占めするのではなく、皆で食べ、笑顔になる方が、その美味しさは増します。
美味しさが生む幸福感で自然と出た笑顔は、その料理を、もっと美味しくしてくれます。
幸福感の共有、それが出来ない人は不幸とまでは言いませんけど、寂しいですよね、何か・・・
「トビラさん、いっしょにいただくごはんって、ひとりより美味しいわね」
「・・・当たり前じゃないですか!」(by現乃つかさ、町中トビラ) -
Posted by ブクログ
冥王ハーデスとの死闘の末、アテナの聖闘士が不在となった地上。そこに降りかかる災禍を防ぐために立ち上がったのは、かつて聖闘士と闘いを繰り広げた海将軍たち。
「海皇再起」のサブタイトルはこういう意味なのね。
今回の戦いの敵は、義憤と神罰の女神ネメシスと、彼女に仕える英魂士(スピリット)たち。ハーデスやポセイドンを撃破したことを、神に敵対する行為と捉えて神罰を降るということらしいです、ネメシスの言い分は。
神の立場でものを言っているのが、理不尽で非常に良い。無意識に人間を対等に扱わないという差別を隠そうともせず、その上で慈悲深いいいそうなのが、非常に神々の嫌な部分が出てますね。こうでないと。
小宇宙は燃やせないけど、悪魔召喚プログラムでぶっ潰すぞ、と言いたい。
ハーデスの力で蘇った海将軍たち。失った鱗衣はポセイドンの血によって蘇ります。これって、神衣?神聖衣?どうなるの?と思いきや、鱗衣は真鱗衣というそうです。
物語の導入から、主役たちの復活・強化と展開が早い。
神罰によって地上を壊滅させ、人間を滅ぼそうとするネメシスに立ち向かうのはカノンをはじめとする海将軍たち。哀しみのアイザックや真摯のソレントのような人物であれば主人公サイドとして見るのはいいのですが、カノンもハーデス編以後なので改心してるし、でもリュムナデスは大丈夫なの?冥界からハーデスの力で蘇った黄金聖闘士デスマスクやアフロディーテの品性が変わっていなかったように、彼も卑怯者なままじゃないのか?という不安がつきまとう序盤です。
主人公サイドとして信用できそうなのは、武人クリシュナぐらいかなぁ。
そのクリシュナが、過去にシャカと共に修行時代を過ごしていたという事実。同窓とはね。まあ、どちらも仏教とヒンドゥー教というインド由来のものをスタイルとしてますからね。
「聖闘士星矢」も多くの外伝・スピンオフが出ているコンテンツですが、車田正美の画風に一番近いのがこの「海皇再起」か。
初見は、本人が書いているのかと思いました。しかし、ポセイドンたちが地上を守る戦いをするとはね。敵の敵は味方みたいな感覚なんでしょうが、意外も意外。
おそらく、カノンの贖罪もあるのでしょうね。アテナへはハーデス編で償ったかもしれないですが、ポセイドンの方はかき回しただけになってましたし。
アイザックが落とし前をつけてくれてます。この儀式を経た上で、カノン自身がどう行動するかです。一緒にいたリュムナデスが小物感出してるんだよなぁ。海将軍としてふさわしい活躍をしてくれうrのか?
まさか、リュムナデスに期待するとは思わない展開になってきてます。