ヒオカのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
普段意識することすらできない世界のことを教えてもらえるという点で、自分の境遇について赤裸々に発信してくれる人がいるのは、ありがたいことだと思った。この著者は貧困を含む自身の家庭環境をテーマに自分の経験を語ってくれている。こうした人の発信に触れることで、無意識に他人に何かを強要したり、必要以上に期待してしまうことのないように自戒としていきたいと感じた。
(ただ、これだけの文章力を手に入れるには、奨学金然りある程度の教育費がまず必要だよなぁ。それすら手に入れられず自分の境遇を表現できない人たちにはどういう救済が考えられるのか…。税金の使い道とか社会のあり方とか、考えさせられることの多い本でした。) -
Posted by ブクログ
メディアは極端な特殊例を好んで取り上げたがる。でも本来は、"半端に壮絶"な人だって、いや、誰だって、声をあげてもいい。そういう事例に、私自身がなればいいな、なんて思っています。
ー本書あとがきより
著者は雪国の田舎の低所得世帯の団地で育ち、子どもの頃から中学、高校、大学、社会人になっても、貧困ゆえの世間の「普通」から外れている、自分の居場所はどこにもいないと感じながら生きている。
貧困世帯のリアルな声を、本書を通して伝えてくれる。私は幸い金銭的には超余裕があるわけではないけれど、健康(ではないけど)で文化的な最低限度の生活を送れている。
奨学金の返済を続けている友人も知っ -
Posted by ブクログ
貧困家庭出身の著者のこれまでの人生エッセイ。
努力してもどうにもできないことって、こんなにもあるのか⋯と思いました。
と同時に、いろいろなヒト・モノ・コトを見聞きしているつもりでも、自分、めちゃめちゃ生存者バイアスあるな⋯と思い知らされました。
貧困の問題では特によく聞かれる自己責任論。
この本を読むと、どうにもならない貧困に置かれてしまっている人の背景を知り、救済をすることが必要と思います。
が、ここで難しいのが、そういった善意を利用しようとする人が少なからずいるということ。
そういう存在を摘み取りながらの救済⋯気が遠くなりそうです。 -
Posted by ブクログ
2025.04.27
テーマは良いのになぜこんなに腹落ちしないのかというのが結論です。
生活保護、ホームレスに仕事として携わってきた身からすると、貧困とその経験を自分が「限られた立場」で経験したのみにもかかわらず、日本社会の森羅万象を切って捨てる立場の偏りというか、なんというか、違和感ある。
私自身、自分の生育歴と仕事で実体験してきた貧困、虐待などあらゆる福祉について考えさせられる毎日を送ってきたので、筆者と対談相手の先生のいずれも上滑りしていて私にはピンとこない。
読み取る力が無くて申し訳ないというか、私にもわかるように書いてほしかったというか、なんとも評価にも表現にも困惑ばかりの一冊。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ2023/10/21予約 16
貧困は連鎖すると知ってはいたが、学歴が連鎖することにより生涯賃金が異なる、だと思っていた。そうではなく、生きていくためのライフハックというか情報を収集して考えたり、お金の使い方や資産形成を親がしているのを見て、なんとなく身に付くものまでもが備わっていないために、うまく生きていけない、とのこと。
学校で学ばない金銭リテラシーが欠けている。
お金がないと(コロナの)感染リスクがあっても経済的損失が怖いので、出勤しないという選択肢を持つことができない、とも。
筆者は自分で書いているように学力はあり大学を卒業でき、文才もあったため、類稀な自分の経験を外に知らしめること