ルーシー・アドリントンのレビュー一覧

  • アウシュヴィッツのお針子

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    ネタバレ

    アウシュヴィッツに関わる本をいくつか読んだことはあった。夜と霧、アンネの日記、縞模様のパジャマの少年など。
    もちろん仕立て作業場があったことは初めて知ったし驚き。というか、彼らがそもそも何の労働をさせられていたのか、あまり考えたこともなかったのかもしれない。お針子以外に、労働の内容は服飾に関するものがあったのだとも初めて知った。

    著者のフィクション作品をきっかけに、情報が集まりノンフィクションのこの本が作られたこともすごいし、更にはこの素晴らしい本を日本語訳してくれたことも本当に嬉しい。読めてよかった。

    以下、メモ
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    服飾文化からパリを除き、ユダヤを排除するために女性の権利も貶める

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    2023年06月02日
  • アウシュヴィッツのお針子

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    アウシュビッツにおけるユダヤ人のドレス裁縫士という女性に焦点を当てたはじめてのドキュメントであると思われる。お針子と訳が当ててあるが、原題はdressmakersである。
    日常からアウシュビッツの送られドレスを裁縫して解放までの日々を記載している。ところどころに様々な人物の発言が書かれている。

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    2022年10月20日
  • アウシュヴィッツのお針子

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    ナチス幹部の家族のための服を仕立てるため、裁縫の技能を生かして生き延びた女性たちがいた。
    究極の環境での友情ときずなに心揺さぶられる。

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    2022年09月22日
  • アウシュヴィッツのお針子

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    アウシュビッツ収容所所長ルドルフ・ヘスの妻ヘートヴィヒ・ヘスの個人的欲望を満たす為のファッションサロン活動、主にスロバキアから強制移送された若いユダヤ人女性たちの裁縫師という技能が彼女達の命を救った。
    ヘートヴィヒの職権濫用がなかったら彼女達の命運はどうなったか分からない。ルドルフに対して不利な証言を避ける心理はわかる様な気がする。
    女性らしい著者の視点から明らかにされ丹念な取材で世に出て、それほど時間かからず邦訳され、それが読めて幸運と思う。

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    2022年07月05日
  • アウシュヴィッツのお針子

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    ホロコーストものは、読み慣れているのだが、
    これは、きつかった。
    それでも、最後まで、きちんと読み通したかったのは、
    ノンフィクションの力。
    女性達の生きる強さに感嘆し、その後が気になったからだ。

    女性達とは、アウシュヴィッツのお針子。
    彼女たちは、収容所以前に洋裁の実力を蓄え、
    中にはサロンを開き、高級顧客を相手にしてきた人も居る。
    それが収容所で役立つわけだ。


    ざっくりと、二部、ないし三部構成といえようか。

    まずは、アウシュビッツ以前、
    ユダヤ人は戦前、ドイツでのファッション業界をリードしていた。
    しかし、ナチスはユダヤ人を、ファッション界から追放し、奪い取った会社をドイツ人のもの

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    2022年07月02日
  • アウシュヴィッツのお針子

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    針仕事で身を守ってたんだ。ナチスな官僚の妻たちの洋服を作って。
    あと、「カナダ」ってあんなに何棟もあったんだね。
    ユダヤ人から略奪したもので、ドイツの空襲で焼け出された人が家具一色揃えられた話も印象に残った。

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    2025年03月30日
  • アウシュヴィッツのお針子

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    アウシュヴィッツの収容所を生き抜いたお針子さんたちのノンフィクション。ノンフィクションなので当時の情景がありありと浮かび、こんな凄惨なことは二度と繰り返してはいけないと改めて思う。

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    2023年11月01日
  • アウシュヴィッツのお針子

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    丁寧な取材で裏づけされたアウシュヴィッツでの生き残るための知恵と友情。彼女達の苦しみと諦めと希望がナチスの高官達と対比せられ、収容所の不合理を暴いている。
    歴史資料としても興味深い。

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    2022年11月20日
  • アウシュヴィッツのお針子

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    アウシュビッツに高級服仕立て作業場が存在していたなんて全く知らなかった。生命の泉といいナチスドイツはホンマ実在したん?的な行為をやっている。
    最初は所長のルドルフ・ヘスの妻のため、そして親衛隊員の妻や恋人、女性親衛隊、他の高官の妻など、顧客が増えるにつれ作業場もヘス邸の屋根裏部屋から独自の作業場へ。そしてお針子も増やされていく。お針子は全て経験を積んだ強制収容されたユダヤ人の女性、屋内で座れるまだ負担の少ない環境での作業で何人ものユダヤ人が命を繋いでいく。そして高級服に必要な生地などの材料は全て、収容されたユダヤ人の持ち物から作られた。作者はイギリス人の服飾史研究家なんですが衣服を通して違う切

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    2022年10月01日
  • アウシュヴィッツのお針子

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    あのアウシュビッツに高級な仕立て服の作業場があった。各地から集められたユダヤ人の中にいたお針子たちが集められ、収容所所長のルドルフ・ヘスの妻ヘートヴィヒ・ヘスが設けた高級仕立て服作業所だ。その存在を裏付ける資料のほとんどは、敗走するナチスによって葬り去られたが、著者がわずかな生存者たちを取材し、本書となった。
    毎日が死と隣合わせの日々を生き抜き、アウシュビッツからの死の行進も生き抜いたお針子たち。戦後、彼女たちの生活を支えたのも又針と糸だった。膨大なインタビューや資料に感服した。新たな歴史の裏付けである。

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    2022年06月28日