伊勢村朱音のレビュー一覧

  • 後宮の蝶は妖しく舞う

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    ネタバレ

    全体としての評価☆☆☆☆☆
    とても読み応えがある内容だった。後宮を舞台にした歴史ファンタジーで、当代の人気作家の競作オムニバスの第二弾。第一弾もそれなりに読み応えがあったが、第二集となる今作は更に内容が充実していたように思う。大変魅力のある企画なので、是非、続刊も期待したい。

    一つ一つの物語について言及したいところなのだけれど、今回は的を絞って特に印象深かった作品についての感想にとどめたい。

    ☆「夜明」 小野はるか作
       いわゆる李氏朝鮮王朝を舞台にした韓流もので、中華ものが多い中で、異彩を放っていた。個人的ではあるが、自分も同じジャンルの作品を書いているので、大変興味があった。お恥ずかしい話なのだけれど、実のところ、この時代を舞台にした韓流ものを読んだのはライトノベルに限定すれば、初めてである。とても学ぶところが多かったと共に、楽しく読めた。
       
    ☆十式部物語 三川みり作
       こちらも中華ものが多い中では珍しく、日本の平安時代を舞台にしている。どうしても大河ドラマの世界を想像してしまった。名家の姫君は父親と一族の期待を一身に担い入内する。政略で結ばれた帝は冷淡で、他の女君をこれみよがしに寵愛しても、嫉妬さえ許されない。可憐な笑顔の裏で降り積もる情念を短編という制約がある中で見事に描いていると思った。これだから、女性は怖ろしいと言われるのかもしれない。

    ☆皇后の花園 伊勢村朱音作
      一見、冷徹で非情とされる皇后の意外な優しさや、人間らしさが胸を打つ作品。宦官と皇后の男女の情を介在させない不思議なつかの間の心の触れあいが最後、心に迫った。

    ☆金の鱗を持つ娘 白川紺子作
      これは、もうベテランらしい大変重厚でありながらも、読者を最後まで飽きさせない構成、物語になっている。
      読み終えた後、不思議な夢の世界から抜け出したような浮遊感を感じる。古典的な香りもする佳作。
      この作品をオムニバスの最後にもってきたのは非常に効果的だと感じた。 

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    2026年09月14日
  • 姫君と侍女 明治東京なぞとき主従

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    幕末を経て明治に入ったばかりの時代、倒幕と佐幕に揺れた藩内、燻る佐幕派残党を背景に、複雑な藩の姫と侍女が新時代を歩む物語
    カバー絵が違えば読み手も変わっただろうと思える良作でした!
    でも年配読者の多い時代小説ジャンルに若い人を引き込むには、逆に良いカバー絵なのかも

    倒幕と佐幕、真っ二つに割れた藩、起こる事件の裏に潜む宿悪、哀しくも未来を信じる二人に、晴れ晴れとした気持ちになれました
    面白かったです!

    チラッと思い出したのは大和和紀先生の『ヨコハマ物語』

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    2023年01月29日
  • 後宮の蝶は妖しく舞う

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    後宮や姫を軸とする人気小説を書いている作家による後宮短編集。どの話も粒揃いで面白かった。舞台が同じ後宮でも国や切り口が全く違っているところも面白かった。ただ、私は後宮だと、不運で埋もれている主人公が、才能など見出されて居場所で輝くとか、シンデレラストーリーみたいなのが好きなので、ハッピーエンドばかりでなかったので★4です。
    「後宮の怪聞は蜜の味」天花寺さやか
    小琳は貧しい農民から這い上がり皇后つきの次女となった異色の経歴を持つ。後宮での怪聞・奇聞・醜聞などを聞き集める。実は彼女の本心や能力はまだ他にあるのだが、あるとき集めていた噂からとんでもない真実へ行きつき…。
    「十式部日記」三川みり
    十式部(呪の式部→十じゅう→とおしきぶ)は霊が見える。柊子という美しい皇后を気に入り支えている。
    「夜明」小野はるか
    そこそこいい家に生まれた蓮花は嫁になるよりも野山を駆け回ったり勉強する方が好き。皇帝が嫁を探すため禁婚令が出され、逆に幸いと婚姻選抜を受け、最終試験まで残って花よめには選ばれずとも宮女になろうとしたら、後宮入りしてしまう。
    「皇后の花園」伊勢村朱音
    翠玉妃が死んで隣に血を吸った石があった。妃は子を孕んでいた。その後一人の宦官が井戸に身投げして死んだ。宦官の素月は皇后に呼ばれた。蠱毒を作ってほしいという。
    「金の鱗を持つ娘」白川紺子
    季隗は弦の国王の娘。金の鱗のアザがあり興奮すると金色に光る。柏の成王に嫁ぐ。しかしほったらかしにされたので怒って会いにいく。あなたは意気地なしなの?
    後宮の話なので、中学校から。

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    2026年09月04日
  • 後宮の蝶は妖しく舞う

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    妃同士のいがみ合いや、権力闘争などなど舞台が後宮ならでは。どの作品も良かったし、続きがありそうな作品もあった。

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    2026年05月16日
  • 姫君と侍女 明治東京なぞとき主従

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    ☆3.6

    周さん、めっちゃ頑張れ!敵は手強いぞ!
    佳代ちゃんはこんなにもぶっといフラグをベコベコに潰して歩いてるのすごいわ。
    にぶかわいい。

    雪姫と佳代二人の絆が間違いなく強く結びついて、女性の新しい生き方を目指してゆくのでしょう。

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    2025年06月13日
  • 後宮の蝶は妖しく舞う

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    後宮がテーマのアンソロジー。
    中華風・和風・韓国風・ファンタジー色の強いものなど、バラエティに富んだ後宮が出てきて面白かった。
    どの作品も楽しめたが、主役カップルの心の歩み寄りが特に丁寧に感じた『夜明』が一番好みだった。

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    2026年08月01日
  • 後宮の蝶は妖しく舞う

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    白川紺子さん目当てで購入した、後宮がテーマのアンソロジー。白川さんのは1人世界観が違いすぎていて短編ではもったいない気がしてしまいました。
    小野はるかさんの「夜明」がよかった。

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    2026年06月28日
  • 後宮の蝶は妖しく舞う

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    陰謀や嫉妬の渦巻く様々な国の後宮を、明晰な頭脳と大胆な行動力で生き抜く女性たちを描いた五編からなるアンソロジー。ファンタジー要素強かったり正統派だったり、長編でじっくりと読んでみたいと思ったりそれぞれ面白かった。

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    2026年06月03日
  • 姫君と侍女 明治東京なぞとき主従

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    【収録作品】序章/第一章 旧大名深水家の鷹/第二章 鬼の青い顔

    幕末の争いを引きずる明治初期が舞台。元大名深水家の雪姫とその侍女で映像記憶能力があり絵の得意な佳代のコンビが家を守るため、謎に立ち向かう。
    第一章 深水家が博覧会用に貸した掛け軸が消え、最後に観覧していた深水家の者たちが疑われる。
    第二章 深水家の屋敷に「鬼」が出没する騒ぎが起こる。

    新しい世は来たのだろうか。今なお佳代や雪姫と同じようにもがいている女性が多い気がする。

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    2023年07月01日
  • 姫君と侍女 明治東京なぞとき主従

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    ネタバレ

    まだ幕末の因縁を残したままという時代設定ならではのお話だったなと。
    雪姫の過去や彼女を置いて行った青年の最後の言葉の意味も、時代背景を考えれば飲み込みやすい。
    また、事件の真相全てを世間的には明らかにせず、現代では恐らく通じない手でまとめてしまうのも、この時代設定だからこそ。

    木村の分かりにくい性格にイライラしつつも、佳代ちゃんののんびりした性格に雪姫と一緒に救われたり、天然さん相手だから全然アタックが通じていない周くんを猛烈に応援したくなったり。
    事件の謎解きも、キャラたちのやり取りも楽しいお話だった。
    佳代ちゃんの夢、叶うといいなあ。

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    2022年09月22日