林けんじろうのレビュー一覧
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2021年講談社児童文学新人賞佳作。会話文が広島弁とこてこての大阪弁なのは、作者が広島生まれで、大学が大阪だったからだろう。私にとって馴染みのある言い回しはすっと入ってきて、読みやすかったし共感性が増した感じがする。
多発生硬化症を発症した映画好きの従兄弟がポツンともらした「観たいな」の一言から、映画を探し出し、尾道から京都まで強行突破の日帰り旅行を敢行するイルキ。同行は大阪から引っ越してきたハジメ。彼らを取り巻く日常はさらりと表現されているためか、2人の感情面がより浮かび上がっているように思った。
大切な友と出会えて、冒険してしまえるのも10代。大人とは違う見方、彼らからではの視点、、、昔を -
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ネタバレ香保の誕生日は5月5日。毎年お父さんの妹ネリちゃんの住む鎌倉で誕生日会をしている。
12歳の誕生日。鈍臭くて頼りないお父さんとなんとなく一緒にいたくない、そう思った香保は当日、鎌倉の友達、椎菜の探し物に付き合ってほぼ無断で東京まで出ていった。
親からのエスケープ。これくらいの年齢の子にありそうだなあと思いながら読みました。
東京や鎌倉の地名や施設が出てくるので、関東に住んでいる人にとっては馴染みがありそうです。馴染みはなくとも、色々なところを散策するような描写は楽しかったです。
サクサク読みやすく、程よい長さで内容も面白かったのですが、最後は少し不完全燃焼だと思ってしまいました。
娘から -
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父方の祖母の葬儀で広島に向かった桜庭天宇。
葬儀の後に家族で今は誰も住んでいない生家に行き、天宇はそこで祖父が10代のころに書いた手記を見つけた。
手作りのノートの表紙には、昭和二十六年八月の年月と桜庭萃という名前だけ。
そこには、あれから六年がたった。から始まり正直な気持ちで、できるだけ正しく、あの年のことを記しておきたい。と祖父の思いが書かれてあった。
知らなかった、聞いたこともなかった祖父のあの頃のこと。
今は耳も遠くなり会話も覚束なくなってきたけれど、もっとたくさんいろんなことを話したいと思ったであろうことがわかる。
残しておきたい、伝えておきたい思いを家族は知っているのだろ