あらすじ
離婚はぜったいお父さんのせいだ。ドジで頼りなくて、あやまってばかりで。こんなお父さんなんて、もううんざり。わたしは家出する。親友のなくしもの探しを口実に。 【あらすじ】父と二人暮らしだが、不器用で頼りない父親にうんざりしている香保(かほ)。そんなある日、たまたま父と叔母が、離婚した母について話している場面に遭遇してしまう。離婚は父の責任であると早とちりした香保は、親友が失くしてしまったぬいぐるみを探しに行く、という口実のもと、家出を企てて――。 【目次】I 右向きゃ左/II ペケペケ親子/III 雨にゆれれば/IV 正義の味方に気をつけろ/V ぼへみ庵につれてって/VI 神さま、このまま終わらせて/VII 雨上がりの夕空/VIII ありがとうを、たそがれに
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Posted by ブクログ
香保の誕生日は5月5日。毎年お父さんの妹ネリちゃんの住む鎌倉で誕生日会をしている。
12歳の誕生日。鈍臭くて頼りないお父さんとなんとなく一緒にいたくない、そう思った香保は当日、鎌倉の友達、椎菜の探し物に付き合ってほぼ無断で東京まで出ていった。
親からのエスケープ。これくらいの年齢の子にありそうだなあと思いながら読みました。
東京や鎌倉の地名や施設が出てくるので、関東に住んでいる人にとっては馴染みがありそうです。馴染みはなくとも、色々なところを散策するような描写は楽しかったです。
サクサク読みやすく、程よい長さで内容も面白かったのですが、最後は少し不完全燃焼だと思ってしまいました。
娘から父への不満から始まっていたので、てっきりお話のテーマはそこだと思っていました。最後に父とのやり取りはありましたが、そこがあまり解決しておらず、香保の心情の変化もあまり読み取れませんでした。父から娘へ、「離婚の真相を話すよ」というメッセージはありましたが、それはもう前半で出ていて、それについて二人はどう折り合いをつけるのかという部分までしっかりと読みたかったです。話すよ、で終わってしまったところが尻すぼみに感じてしまいました。