会田雄次のレビュー一覧

  • アーロン収容所 改版 西欧ヒューマニズムの限界

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    アジア•太平洋戦争に負けた日本は、各国に散らばった兵士たちが日本に帰国することが出来ず、現地でそのまま捕虜(既に戦争には負けているから敗残兵として収容された)となり、何年も労働に従事した。中でも終戦間際にソ連軍が大挙押し寄せた満州方面では、57万人以上がシベリアや中央アジアに連れ去られ、戦後何年も抑留されたシベリア抑留は有名だ。本書はビルマ方面で戦った兵士がやがて現地で降伏し、アーロン収容所に収監されるまで、そしてアーロン収容所内での生活や労働について、実際にそれを体験し、後に歴史学者として名を馳せた会田雄次氏の体験記である。ビルマ方面ではもう一つコカイン収容所というものも存在していたが、イン

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    2025年06月23日
  • アーロン収容所 改版 西欧ヒューマニズムの限界

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    なんとも言えない。多面的で変化するものであることが人間であるといったことだろうか。真に共感はし得ない心が描写されていた。

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    2025年03月06日
  • アーロン収容所 改版 西欧ヒューマニズムの限界

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    ネタバレ

    記録・実話として大変貴重な、価値のある本です。
    本書は色々な人の本で引用されていましたので、以前から読んでおかなくてはいけない本だと思っていました。
    聞きしに勝る、想像を絶するというか、これが日本人に対するイギリス系の人間達の本性なのだと思わされました。
    捕虜体験により、それまで日本で接していたイギリス人たちとはおよそ異なる、「イギリス人の正体」「イギリス人オーストラリア人の陰湿で残虐残忍な正体」をはっきりと見た体験の記録を残してくれています。

    表面は甚だ合理的で、非難に対してはうまく言い抜けできるようになっていた。しかもあくまでも冷静で「逆上」することなく冷酷に落ち着き払って行なっていた。

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    2022年11月12日
  • アーロン収容所 改版 西欧ヒューマニズムの限界

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    「西欧の人種差別意識を暴き出した名著」となっていて、確かにそうなのだが、西欧批判の書としてよりも、日本人、イギリス人、インド人、ビルマ人など、それぞれの文化を持った人間の考え方の違いが、作者の経験したことのみをフェアに書くことによって、よくわかる面白さというか、興味深い文化論・文明論になっていて、多くの発見がある。ある種の滑稽さの中に、戦争のリアルも実感できる。確かに名著。

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    2018年04月08日
  • アーロン収容所 改版 西欧ヒューマニズムの限界

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    アルカトラズ島の刑務所とかグアンタナモ収容所みたいなイメージだったが、読み始めて気付く。アーロンって何だっけ。これは戦後捕虜の小松真一による『虜人日記』やシベリア抑留のような話で、ビルマの英軍による収容所の記録だ。

    著者が書いているように、ビルマで英軍に捕虜となったものの、ほとんど日本で知られていない。ソ連の強制抑留は多数の犠牲者を出し注目を浴びたが、ビルマの出来事は人びとの関心をほとんどひかなかったらしい。当事者である著者が言うのだからそうなのだろう。

    厳しく理不尽な収容所生活はどこも変わらないのだが、シベリアと比べると死と隣り合わせという気もせず、やや牧歌的な雰囲気もある。そんな中でも

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    2025年05月01日
  • アーロン収容所 改版 西欧ヒューマニズムの限界

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    Human beings are recognized (authenticated)by “ideology”.

    ①「東洋人に対する彼らの絶対的な優越感は、まったく自然なもので、努力しているのではない。」
    →英軍の東洋人に対する家畜化は、英国の当然のイデオロギーによって疑う余地もなく遂行されていた。彼らは思想教育を施さない事で、東洋人を家畜の枠へと押し込めた。
    →発展途上であると言う事実は、先進国の立ち位置を補償するために保持されている。
    →資本主義の中で一次産業に従事させる。ある意味では合理的。
    →人間でないものにヒューマニズムは必要ない。

    しかしそもそも、”生物学そのものがイデオロギ

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    2023年11月15日
  • 世界の歴史〈12〉ルネサンス

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    ネタバレ

    日本人の西洋史研究家による俯瞰視点でのルネサンスという時代で起きたこと。
    序盤はイタリア中心に交易や偉人・著名人、中盤で芸術家、そして大航海時代近辺、後ろの方はほぼ宗教。
    宗教改革にプロテスタントにイギリス国教会にユグノーなどなど。
    半分くらいの芸術家ターンがおもしろくて、ボシュってなんだと思ったらヒエロニムス・ボスでふふっとしたり。
    結構名前の翻訳が今のWikipediaで見るのとは違います。
    それとダ・ヴィンチのヴィンチ村とエル・グレコのギリシャ人は知ってたけど、ボッティチェッリの小樽なんかは知らなかった~。
    あだ名・通り名の芸術家多すぎ説。昔はどっちかというと職人寄りでしたしね。
    あと宗

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    2023年04月20日
  • アーロン収容所 改版 西欧ヒューマニズムの限界

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    戦時には、民族、国柄、文化の違いが剥き出しになるが、それも一律ではなく各自の個性が現れるものということか。
    英国人が有色人を人間として見ていないというのはあるが、ソ連のシベリア抑留とは大きな違いは、民族性の違いか、政治体制の違いに依るものか?

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    2025年02月14日
  • 歴史を変えた決断の瞬間

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    1人の人物が下した決断によって歴史が変わることは珍しくはない。勝海舟、織田信長、平清盛ら9人のそれぞれの情勢と決断、その結果などを紹介する。

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    2009年10月04日