クリスハドフィールドのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
実際のアポロ計画は17号まで。本作の架空の18号のミッションは軍事目的。殺人事件と絡んでしまう上に軌道上の衛星と偶発的に戦闘状態となってしまう。もちろん相手はソ連。厳しい冷戦の中、実世界ではソユーズと米国宇宙船のドッキングを行うまでの間にこの架空の18号を挟む。著者はカナダ人発の宇宙飛行士ということで、宇宙飛行士にしかわからない体験の描写が超リアル。SF のようなミステリのような中途半端な感じのタイトルだったのであまり期待してなかったけど、なかなか面白いではないか!アルテミス計画も発表されてまた宇宙計画も盛り上がりを見せてきている(?)なかタイムリーな作品。ドキドキしながら下巻へ。
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Posted by ブクログ
著者が本物のパイロットで宇宙飛行士。しかもアメリカとロシア両方から宇宙へ行った方!アポロ18号打ち上げという歴史改編もので、ミステリやスリラーというより、アポロミッションのシーケンス小説(それも詳細な)でワクワクしっぱなしでした。中原尚哉さんの訳は本当に読みやすい。これ翻訳なの?って思うくらい日本語が自然なテンポで入ってくる。
また、ソビエト側のアルマース宇宙ステーションやルノホートの運用についても描かれていて、すごく興味深かった。
著者さんの性格なのか、すべての描写が詳細で、機体や車種や兵器や服の柄まではっきり書かれるから、イメージしたり検索したりする楽しみがあった。金魚鉢のベル47Gと -
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Posted by ブクログ
ネタバレ17号で中断されたアポロ計画、もし18号も月に飛んでいたとしたら…という設定の小説。
歴史改編という意味ではSFなんだろうが、小説の造りはSFではなくエンタメ航空小説とでもいう感じ。宇宙や月を舞台にした小説だからSFということもあるのだろうが、行われていることの科学技術はすべて前世紀のものであり、そういう意味では歴史小説もある。
いつまでも月や火星がSF小説の舞台であるってのも、なんだか情けない話ぞ、人類。
ということで、頭の中ではポルノの例の歌が鳴り響く。
宇宙飛行士たちとアポロ計画を遂行するスタッフや軍人たち、ソ連の宇宙飛行士や軍人、両国の政治家官僚…種々の思惑が錯綜し、時には協力体制 -
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Posted by ブクログ
本屋でジャケ買い。
星は4.5相当
実際のアポロ計画は17号で終了。
ソ連が軌道上に高精細のカメラを積んだ偵察衛星を打ち上げる情報を察知したアメリカは地質調査目的で打ち上げるはずだったアポロ18号を初めて軍事目的で打ち上げることとする。
併せて、月面を無人で探査する無人車も活動しているため、アポロ18号のクルーは偵察衛星と月面探査車の詳細調査と無力化の命令を受ける。
作者は実際にISSに行ったことのある宇宙飛行士、描写も細かく、実在の人物も実名のまま登場する。
例:アンドロポフ、ブレジネフ、アラン・シェパードなど
面白くて上下巻を一気読みしたので、上巻がどこまでだったか詳しく覚えて -
Posted by ブクログ
能力が高い上、これほどの努力を出来る人には、
「不可能」ということはないだろう、と自然に
思わされた。
〈本から〉
僕は今、宇宙にいる。無重力の中に。ここに来るまでに
かかった時間は、たった八分と四二秒だ。数千日の
訓練を抜かせばね。
ウソみたいな話、宇宙へと向かう旅の過程で、面白い
ことが起きた。この地球上でより豊かに、より幸せに
暮らすコツを学んだんだ。僕は長い時間をかけて、
問題を予測して予防し、危機的な状況にうまく対応
する術を学んだ。恐怖を打ち消し、集中力を保ち、
成功を収める方法を。
僕の考え方はシンプルだ。時間があるなら、準備に
使え。それより大事なことなんて、ほかに何が
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Posted by ブクログ
「アポロ計画」
20世紀最大の宇宙開発、それは人類初の月世界到達。
さらに並行して、米ソの「冷たい戦争」の延長として開発競争が繰り広げられていた。
物語はそんな冷戦を背景とした「アポロ」と「スペースシャトル」の間の時代の、事実を交えた架空の出来事。
冒険小説のようなミステリーやアクションの連続が懐かしく面白い。
ただ、率直に言って、感情移入できる主人公的存在がいなかったためか、「カッコいい」と感じられなかったのが残念。
さすがにNASAなどの現場の雰囲気はリアリティ溢れている(知らないけど)ので、お仕事小説に徹しても良かったのでは?
上下巻のボリュームに対して、少し報われなかった感じ。 -
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