和泉圭亮のレビュー一覧

  • オックスフォード連続殺人
    再読。アルゼンチン人作家による“数学”ミステリ。論理配列、ゲーデルの不完全定理、フェルマーの最終定理などの蘊蓄が作中に散りばめられ、事件を彩る。トリック自体は前例のあるものだけど、アプローチの仕方や終盤の皮肉な展開あたりはこちらのほうが好みかも。
  • ルシアナ・Bの緩慢なる死
    ルシアナのまわりで相次ぐ死。当代一流の作家を犯人として糾弾するルシアナだが、誰も彼女を信じない。
    ネタばれを防ぐためには、これ以上ひとことも書くわけにはいかない。逆に言うと、キモの部分以外に書くべきことが思い当たらない。巧いんだけどね。
  • オックスフォード連続殺人
    学究の街オックスフォードで起こる連続殺人事件。天才数学者のもとに、挑戦するかのように送られてくる論理数列の意味は。
    ミステリ好きで、かつサイモン・シンの『フェルマーの最終定理』『暗号解読』を読んだことのある者なら、本書に飛びつかずにはいられない。が、読み終わってみると、論理数列に驚愕の秘密が隠されて...続きを読む
  • オックスフォード連続殺人
    アルゼンチン人作家の異色ミステリ。とはいえ、舞台はオックスフォードで、読みなれぬ名前が出てくることもなく、違和感ゼロ。物語の運びは、天才数学者を探偵役に据え、古典的とすら言える感覚も受けるが、数学的な遊びが入り、そして大きなひねりも加わって、軽んじていると痛い目(ここちよい痛さだけど)にあう。おもし...続きを読む
  • オックスフォード連続殺人
     この作品は不思議だ。帯にある文句には殺人予告、暗号、数学論議、など、いかにもな探偵小説を予見させる。
     が、実際はそうではないのかもしれない。これらの言葉に嘘はない。が、事件の謎だけを見れば、多少の探偵小説を読んだものや、倒叙物のドラマのある回を見ていた者なら、ああ、アレかな? と予測させるもの...続きを読む
  • オックスフォード連続殺人
    天才数学者の元に、連続殺人鬼から殺人毎に届けられる、奇妙な記号。果たして、それの意味するところは何か? てな興味で引っ張る長編ミステリ。ただ、メタミステリ感(?)みたいなものが濃厚で、少なくとも今の読者は、結末で明かされる真相にあまり驚かないのではないか。むしろ、途中の展開の方が意外感があるかも知れ...続きを読む
  • ルシアナ・Bの緩慢なる死
    作家と口述タイピスト。まあ設定はどうでもいいのよ。おじんと若いおなごの間でセクハラ事件起こり、女子訴え裁判、オサン家庭崩壊。仕返しにオサンは女子の家族恋人を皆殺しにします。またまたあ、女子の妄想であって、そんなエネルギー、他人に対して使う?冷静な大人、生活を狂わされた寂しいオジサン。。。という雰囲気...続きを読む
  • オックスフォード連続殺人
    アルゼンチン人の目から見たオックスフォード、リンボウ先生のエッセイを思い出した。フェルマーの最終定理を持ち出す意味があったのか?数列の解説だけでよかったのでは?結局連続殺人ではなかった。哀しい動機の大量殺人。