【感想・ネタバレ】アリス連続殺人のレビュー

あらすじ

『オックスフォード連続殺人』に続く
アルゼンチン発の傑作本格ミステリー
碩学の名探偵セルダム教授、再臨。

ルイス・キャロルの喪われた日記をめぐる
奇怪きわまる死の連鎖の謎に挑む!
スペイン最高の文学賞、ナダール賞を受賞。

「私」はアルゼンチンから来たオックスフォード大学の給費留学生。2年目の課題として筆跡に関するプログラムの開発に取り組むなか、旧知の数学者セルダム教授から秘密の依頼を受ける。
ルイス・キャロルの喪われた日記にまつわる、新出の書類の筆跡鑑定をしてくれというのだ。
ルイス・キャロル同胞団内部に蠢く不穏な空気を破ってやがて幕を開ける悲劇。アリスと数理数列に彩られた知の迷宮に挑むセルダムの叡智が見出した真実とは。
アルゼンチン発、本格ミステリーの新地平!(解説・三門優祐)


◆奇妙奇天烈な極上の「謎解きミステリ」。
本作に盛りに盛られた数々の要素は、まさに英国の黄金時代ミステリを彷彿とさせてくれる。しかし、作者はそれを見事に統御し、複雑怪奇な謎、丁寧な伏線呈示と回収、そして意外ながらしっかり論理的な解決の物語を作り上げた。たとえすれっからしのマニアであっても、その腕の冴えに満足し、結末では「ひぇーっ!」と叫び声をあげてしまうこと間違いなしである。――三門 優祐(ミステリ評論家)解説より

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ

アルゼンチン発の本格ミステリということもあって、「オックスフォード連続殺人」はそれなりに記憶に残る作品ではあったのだけれど、一種のアンチミステリであったので、同じロケーション、探偵+ワトソン役が続投しての続編というのはちょっと意外だった。今回のネタは「不思議の国のアリス」というより、ルイス・キャロルことチャールズ・ドジソンはペトフィリアとして断罪されるべきか否かというような論争だろうか。前作同様、本格ミステリそのものに疑義を呈するメタミステリ的な展開は健在だが、新本格を経た本邦のミステリ読者はこの程度の議論ではなかなか驚かないだろう。事件の真相も想定内と言ったところだが、読み物としてはなかなか愉しい。

0
2024年08月10日

「小説」ランキング