テッド・マンのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
日本法人の過去の一末端の従業員として、ここで書かれたGEの凋落を中で体験した。海の向こうのおひざ元で、こんな問題が起こっていようとは。詳細はこの本で知った。詳細を知るには、距離と、職務階層が低すぎた。とは言え、当時GEの問題はよくマスコミで取り上げられていた、ともあった。私もアンテナを高くしていたらアクセスできていたとも思った。中の人ほど中のことを知らない。
一言でいうと、greedy とarrogant. GEの経営はこの言葉で表されると思った。ウェルチが築いた圧倒的企業にあぐらをかぎつづけたImmeltとその取り巻き。経営に苦労したかもしれないが、真の経営はしていない、キャピタルという机上操作で作られるお金。GE神話に酔って「GEはすごいんだ、できるんだ」という刷り込み。
中にいた人間だから言える。そう、プレッシャーは相当きつかった。と同時に、エリート意識は高く、エリート層とそうでない層に社員ははっきり分けられた。社内カーストがつけられるとその覆しはまずない。秘密主義が敷かれ、秘密はエリート層にしかシェアされない。ますます分断は進む。しかしそれが良い会社運営だと上層部は思っていた。でも、全て化けの皮剥がれた。
Predix。ぶち上げられけど、いつしか消えた。Immeltの「やらかし」でたくさんの部門が閉鎖され人員削減の大ナタが振るわれた。その時去った内の一人が私。そんなずさんで傲慢な経営の結果、去ることを余儀なくされた人達。怒りが込み上げる。一方で、GEを去ったことでできた経験もある。長い人生、そんな事もあるさ、と思える私は良い。ただ、GEで正しいと徹底的に教え込まれたこと、身につけたビジネスパーソンシップは果たして正しかったのか?と、自分のキャリアで培ったことが正直わからなくなった。GE凋落の過程で行われた事全てが間違いであったはずはなかろう。「ストーリーを語る」というImmeltとコムストックが導入したビジネススタイルは、よりGEを親しみやすい会社にしただろう。そのストーリーの背後にたいしたこじつけと強烈なトップダウンから語られたのは間違っていたが。
この本は、GEの間違い点はたくさん示してくれる。一方で正しかった点は示してくれない。それを求めてはいけない。これはジャーナリストが客観的に取材したレポートであり、そこに価値がある。従業員としての振り返りは、自分でするしかないのだ。 -
Posted by ブクログ
ネタバレアメリカを代表するコングロマリットGEの盛衰史。M&Aを通した多角化戦略は日本企業の大手メーカーでも見られる。メディア大手や映画コンテンツなど、工業とは離れた業態に手を出していたのだと本書で知った。金融と工業という2大柱は共存し得たのか、金融機能を活用した資本コストの低減は本当に有利に働いたのか考えさせられる。GEはコングロマリットとして巨大すぎるため取締役会ではガバナンスが効かなかった。モニタリングが不十分で自分達が運営する事業を網羅的に把握できていなかった。そこにリスクがあったと思われる。おそらくコングロマリットといえど近似する事業を3,4個保有するのが限界なのではないかと考えさせられた。また、株式こそ最大のコストで、常に配当を気にした経営していたのは意外だった
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Posted by ブクログ
2023年18冊目。満足度★★★★☆
かつて、時価総額世界No.1、トリプルAの格付、NYダウ採用銘柄で最も長い歴史を誇ったエクセレント・カンパニー・GE
日本でも特にジャック・ウエルチ時代の経営について、賞賛するメディアが多かった
しかし、実はそのジャックの時代から水面化では内部崩壊を始めていて、日本の東芝で起きた粉飾紛いの経営が長年に行われており、かなり危うい経営実態にあったことが、本書を読めばよくわかる
米国企業を中心に株式投資をしている者として、改めて「個別」株式への投資のリスクの高さを再認識した
なお、海外のノンフィクションにありがちであるが、話がやや冗長なところがあり、約500ページ読むのは少し時間を要した