藍銅ツバメのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
最初は冷徹無比な主人公だったけど、いろんな人物に会うにつれて人間味が出てきて、最後にはまるっきり変わっていて。
そんな王道なお話の展開だけど、山田朝右衛門や服部半蔵、中盤にはまた新たな歴史上の人物が出てくるし、歴史好きにはたまらないストーリーでした。
この本を選んだのは、表紙のインパクト!!
いわゆるジャケ借りです。レビューみたらめちゃくちゃ高くて、読んでみるとめちゃくちゃおもしろい!!
みんな評価が高い理由がわかりました。
時代小説はあまり慣れてなくて、聞き慣れない言葉も何回か出てきて調べながら読みました。
そのおかげで知識も増えたし、時代小説っておもしろい。 -
Posted by ブクログ
なんだか8月にふさわしい怪奇もの。江戸末期、代々死罪となったものの斬首と、大名の刀の試し斬りを行う家系である山田朝右衛門。ある日連れて来られた罪人は首から上が馬のような化け物で、初代服部半蔵を名乗り、不死の体を持つ。なぜか朝右衛門の下僕となって、屋敷に住み着くようになる。当の朝右衛門も死神に取り憑かれており、そのせいで周囲の人々が次々と命を落とす。そこに、安倍晴明の子孫を名乗る陰陽師や、沖田総士、土方歳三、吉田松陰などが絡んで不思議な騒動をおこす。本書が続くとするならばまだ序の口であり、これから新撰組や幕末の英雄などが登場するのかもと思えば、導入本として楽しめる。これきりだと物足りないかな。
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Posted by ブクログ
初めて読む作家さんだが、楽しく読めた。
幕末の江戸で死罪人の処刑を生業としている朝右衛門の前に、馬とも鹿ともつかない獣の顔をした男が現れる。
死神に憑かれた朝右衛門と、不老不死の呪いを掛けられた半蔵とのバディもの。
自分の近くにいる者が次々と亡くなっていく不幸が続く朝右衛門と、何百年も生きて仕える人を次々と見送ってきた半蔵との、それぞれの孤独と生き方や人との交流の仕方が描かれる。
ひたすら耐え忍びやり過ごす朝右衛門と明るく懐に飛び込む半蔵の対照的なキャラも良い。
終盤は朝右衛門が唯一遠ざけ生かしている同門の親友·紺太夫との運命が描かれ、目が離せない。
幕末の歴史上の人物も登場し、より興味深い。
ふたりの結末がどうなるのかと思いきや、新しいキャラクターも現れて賑やかになる。
悲しい結末にはならないようにと願いつつ読んだが、意外にも晴れやかな希望もあり、ほっとした。 -
Posted by ブクログ
はい、まだあまり世間に知られていない作家さんをいち早く読んで後々売れっ子になったとき、まぁわいはだいぶ早いうちから目を付けてたけどね!って言うための企画「発掘王への道」#10です
なんとほぼ1年ぶり
そんなこともやってたな〜状態です
今回は藍銅ツバメさんの『馬鹿化かし』です
まずは藍銅ツバメさんのプロフィールから
1995年生まれ。徳島大学総合科学部人間文化学科卒業。
ゲンロン大森望SF創作講座第4期を受講し、2020年に「めめ」で第4回ゲンロンSF新人賞優秀賞を受賞。
2021年に「鯉姫婚姻譚」で日本ファンタジーノベル大賞2021大賞を受賞。翌2022年に『鯉姫婚姻譚』を刊行し単行本デビューする。(ウィキペディアより)
本作『馬鹿化かし』は幕末を舞台に、死神に憑かれた首斬人の山田朝右衛門と不老不死となり三百年生きる馬とも鹿ともつかない顔を持つ初代服部半蔵の主従が江戸の町で様々な怪異に出逢っていくという伝奇小説となっております
なるほど〜、物語全体を覆うおどろおどろしい雰囲気の中、生と死の狭間で生きるふたりの物語を通して、生きることと死ぬことは一体なんなのかと言うことを問いかける!なんてつもりは一切なくエンタメとして楽しんでほしいみたいw
作者の藍銅ツバメさんはゲームや法話が大好きでそんなところからもインスピレーションを得ているそう
また、宮部みゆきさんや京極夏彦さんもよく読んでいるとのことで、おーなんか第三世代登場か?って感じやな
文体が非常に伝奇小説向けというか、雰囲気があるのに、キャラ重視のライトノベル感も合わせ持つという不思議な仕上がりになっていて、新たな伝奇小説の担い手としてちょっと注目したい作家さんですが…もっと、どんどん書かないと置いてかれてしまうで! -
Posted by ブクログ
◼️ 藍銅ツバメ「鯉姫婚姻譚」
若隠居の孫一郎は庭の池に住む人魚・おたつに人と人じゃないものが夫婦になる話を語るー。日本ファンタジーノベル大賞。
古書店で目に留めた一冊。異母弟が仕切る呉服屋から援助を受け、かつて父が愛人を囲った別宅に住む若隠居の孫一郎は、亡き父が拾ってきて庭の池に放した人魚・おたつに懐かれている。まだ童女のようなおたつは旺盛な食欲を示し、人語を話す。孫一郎はねだられるのに任せ、人と人以外のものが夫婦になる民話を語って聞かせるのだったー。
孫一郎が話すのは「猿婚」「八尾比丘尼」「つらら女」「蛇女房」「馬婚」という、ほぼ日本の昔話として定着しているもの。おおむねの内容は同じで、ラストはたぶん変えてあるものが多い。リアルで迫真のストーリーとなっている。「馬婚」は知らなかった。かつてどこかで読んだ話のバリエーションを丹念に辿る感覚でそれなりにおもしろい。
拗ねたり言うことを聞かなかったりするおたつを、孫一郎もまた偏愛している。一方、過去その家で育った妾の子の弟清吉、長く勤めているおいねはおたつに畏怖と嫌悪の目を向ける。
孫一郎は穏やかだが孤独だ。出て行った女房は再婚し、子も成している。人生の目的も、大した趣味も、知己もない。清吉は過剰に世話をしたがるが、起居を共にするおいねはそっけない。葛藤にも、過ぎたこととして背を向けている。冷静を装ってもこだわるのはおたつだけだ。おたつは冬眠の後、身体に変化が生じてくる。
その、諦観したような心境がラストにつながる。おたつが孫一郎と夫婦になりたいと言ったのはなぜなのか、正体は何なのか。どんな成り行きになるのか、物語のタッチを見てクライマックスを予感しながら待つ作品。
おたつについては、実は最初の方で察しがついた。ある意味本能に忠実だが、常軌を逸した世界。ファンタジックで苛烈な結末。
民話の語りという、哀しくもどこか安心感のある道を通り、様々なラストを通して暗示し、そこから飛躍する。よく出来た作品だと思う。
宮部みゆきの三島屋変調百物語シリーズを参考にしたとかで、確かにそのテイストが漂っていると思った。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ孫一郎が庭に住まう人魚にせがまれて、異種族同士の婚姻譚を語って聞かせる。そんな孫一郎と人魚もまた結ばれる、という形の小説。
実際に語り継がれている異類婚姻譚が小説になったら、を味わえる。
文庫版の表紙は甘い恋愛小説じみているが、孫一郎が語る物語も、二人の結末も、わかりやすいハッピーエンドかというと……異類婚姻譚自体がけっこう独特の余韻というか物悲しい結末だったりするからなのか、それとも私たちがそう言うものに心惹かれるからそういった話が残り続けたのか。
孫一郎はうまくいかない婚姻譚として話をしているのに、人魚は別の解釈をし続けていること。必ず、二人が何かを食べるシーンを挟んでいることが、最後にいきてくる。登竜門の故事のように、ラストで竜になるお辰。元から龍だったというより、他の誰の肉も今後食べないと誓えるくらいの一心さで、彼女の感覚で結ばれたんだから、まあ龍にもなるか。人間感覚だと「思ってる婚姻と違う……」になるけど、現実世界のニュースを見ていると似たような恋人たちもいるのかも。