マチルデ・ファスティングのレビュー一覧

  • 「歴史の終わり」の後で

    Posted by ブクログ

    ご多分に漏れず、よく知らないのに知った気になってました。まずはフランシス・フクヤマ氏に対する偏見・誤解から脱出し、近しい所ら辺へ辿り着ける入門書なんだろうと思います。対話形式ですし、感覚として新書に近いです。
    私は「成長」に対し懐疑的というか、神話めいた印象を拭うことができなかったのですが、成長のない世界はゼロサムの略奪ゲームになるという指摘は発見でした。また、国民は共同幻想(この単語は使われていません)というか、物語を共有することで構築されるとか、その物語は人種や民族や宗教ではダメだとか、基本に立ち返る言説が頻出する本でした。良かった。

    0
    2023年06月13日
  • 「歴史の終わり」の後で

    Posted by ブクログ

    昨今の世界情勢や閉塞感はどこから来るのか。

    自由民主主義を構成するもの
    近代国家であること、法の支配によること、制度が民主的な説明責任を果たすこと

    現在の懸念
    権威主義国家の台頭、政治の軸がアイデンティティによってきた、右派ポピュリストによる正統性主張と法制度の掘り崩し

    自由民主主義の繁栄のために
    社会の内側からの国民形成、国民理解
    =伝統や歴史を土台にしたシンボル
    自分たちの民主的な制度と諸価値の正統性をみんなが信じる
    =ナショナル・アイデンティティ
    政策についてよく考え反対者の意見にも耳を傾ける
    =選挙に行き投票する

    世界経済の自由化が凄まじいほどの格差を生み、解消へ動く右派ポピュ

    0
    2023年02月05日
  • 「歴史の終わり」の後で

    Posted by ブクログ

    フランシス・フクヤマさんの「歴史の終わり」も含めて読んだことないのだが、ノルウェー人の著者が「オーウェルの「1984年」のディストピアは現実になるのか」などの各種テーマについて、対話形式でまとめているので、興味深く読む事ができた。
    結びの方で、ウクライナが、権威主義の拡大との戦いにおける最も重要な前線国であるとして、「希望ののろし」と記載されており、歴史的にも大きな意味をもつ動きが、現在進行系で推移していることを実感した。

    0
    2022年11月27日