藤嶋陽子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
キーワード集という体裁をとっているところが軽やかで良い。各論の内容は専門家には物足りないかもしれないが、あまり充実させすぎると百科事典みたいな本になってしまう。ソフトカバーで厚さ一・五センチ程度というこの親しみやすさが良い。
というのも、“はじめに”の中に「体系化したテキストをつくるには障壁になってしまうポピュラー音楽研究ならではの学際性・多様性をむしろポジティブに引き受け」とあるように、この幅広さがこの分野の楽しくも難しくもあるところなのだと思う。どんなテーマで研究する人も、この本に挙げられているどのキーワードに対しても「全く無関係」という態度ではいられないだろう。勉強することが多くて大 -
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ファッションについての研究材料がぎっっっしり詰まっている。ファッションに興味のある人、社会学部や人類学部、服飾系の学生で少しでもファッションに興味があるならぜひ読んでほしい。文学部とかでも、映像系の研究をする際にとっかかりになるかも。分厚いが、いろんなトピックが薄く浅く紹介されているので、サラリと読める!
p.42 バルトがファッション(モード)の研究を行うために注目した調査対象が「服」ではなく、「ファッション雑誌」であったからだ。バルトはメディアとしてのファッション雑誌が、服そのものよりも流行の生成に決定的な役割を果たすことを見抜いていた。バルトによれば、「欲望を起こさせるものは対象(物) -
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Posted by ブクログ
ファッションという概念も含めて様々な方面で解説してくれる本。
西洋のみならず非西洋のエリアも含めて歴史を紐解いていく。そしてジェンダーからの目線、伝統的な服がどのような意味を持つのかなど幅広いトピックに渡っている。TikTokなどのメディアの影響についても触れているため直近の流行りについても含めている。
最近は若い層の支持が強いSHEINは安い服が買える中、服を作る側の労働者の賃金が低すぎる問題や環境保護も問題になっている。もちろん明確な結論はないが、考えるべきポイントはたくさん入っていると思う。
ただ正直第2部の事例編しか興味が持てなかった。第1部は歴史や概念についてなので相当興味を持ってい