渡辺正峰のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
本書のテーマは「機械に人間の意識を移植できるのだろうか」というものです。そもそも「意識」とは何かという疑問に関して視覚を題材に「見えると感じること」を定義することからスタートし、機械に意識が宿ることはあるのか、そして最後は自分自身の意識を機械に移植できるのか、という点についての思考実験について述べています。昨今のAI監視カメラは特定の人物を群集の中から判別できる精度に達しています。AIは確かにその人物を「見つけて」いるわけですが、「見えている」と”意識している”わけではないわけです。この違いのフロンティアに切り込むのが本書のテーマと言えます。
前半は「意識」についての現在の脳科学の最前線の解説です。正直なところ、専門用語や専門的な概念がたくさん出てくるので全てを理解するのは困難かと思います。私自身、あまり理解できずじまいでした。しかし、本書の一番の読みどころは意識の移植を扱った後半部です。
自然科学と哲学の境目を扱った本という印象でした。宇宙の起源についてもそうですが、自然科学も突き詰めると哲学的な領域に踏み込んでいくものなのですね。