タナフレンチのレビュー一覧

  • 捜索者

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    凄く読むのに時間がかかった。

    長年勤めてきたシカゴ警察を退職したアメリカ人のカルはアイルランド西部の小さな村に移住した。
    廃屋の修繕をしながら静かに暮らしていたカルだったが、地元の子どもから、失踪した兄の行方を捜してほしいと頼まれる。


    一般的にミステリーの分類されていると思うのだが、個人的には主人公のカルと地元の子供のトレイの交流を描いた文芸に入るかなと。

    詳細な筆致で登場人物の心情や周りの風景、情景を細やかに描く。
    そのため全体的に起伏があまりなく、物語が淡々と紡がれる。
    この辺りがあまり馴染めなく、また約700Pものボリュームが重くのしかかり時間がかかってしまった。
    面白かったのか

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    2025年06月09日
  • 捜索者

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    毎度のことながら通勤電車で読んだが、登場人物も少なく、700頁近くあったが思ったより時間も掛からず、いや掛かったけど、牧羊と点々とする家々の風景が浮かぶような自然豊かな村で起こった悲劇の小説だった。
    元警察刑事が主人公なので少しは期待した派手なシーンは殆どなく、彼が行方不明者を探すのだが、その時の会話が直接的でなく含みを持たせるので、それがまどろっこしいと感じることも、これが味なのだろうけど少し気になった。
    まあこの様な小説も面白かったが再読はないね。

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    2025年01月31日
  • 捜索者

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    曇り空の荒野、胸騒ぎがする表紙の書影に惹かれて手に取った。

    アイルランドの田舎町に1人で移り住んだ元シカゴ市警刑事のカル。仕事に疲れ、妻子と別れ、心と身体を癒す為にこの地に来た。廃屋を住みやすい環境にするべく日々修理に勤しむ。
    田舎の人々はアメリカから来た移住者に興味津々。隣人も商店の人もおせっかい焼きでカルにとても親切。
    しかし、少年トレイが失踪した兄を探して欲しい、とカルに頼んだ事から状況が一変する。

    刑事を辞めてのんびりするはずのカルが、持ち前の正義感で少年の兄を捜索するハメになっていく。どうせ家出、捜索しても無駄。立ち入ってはいけない。でも少年が気がかり。じっとしてられない…。

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    2024年01月14日
  • 捜索者

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    SL 2023.12.9-2023.12.12
    離婚し、シカゴ警察を退職してアイルランドに移住したカル。地元の子どもに失踪した兄の捜索を頼まれ捜査を始める。
    ミステリとしては弱いし、やや冗長ではあるけど、美しい自然やカルと子どもの細やかな交流を丁寧に描き出している。

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    2023年12月12日
  • 捜索者

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    ストーリーはゆっくりと、村の季節が移り変わるスピードで進みます。主人公が村人と交流を深めるにつれ、じわじわと増す不穏さが不気味です。子供の存在が光を差してくれて、最後まで面白く読めました。

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    2023年10月28日
  • 捜索者

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    ネタバレ

    アイルランドの田舎の自然風景の描写が魅力的に映る分、人間関係の閉鎖感が際立って見えました。

    風景描写は素敵なのですが、ミステリーやサスペンスのジャンルとして期待して読んだ分、展開が遅く感じてしまいました。

    上記したような環境下での主人公と相棒?の絆の話として読むと良いかもしれません。

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    2023年04月21日
  • 捜索者

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    サスペンスと思って読み始めると、ちょっとうんざりするかもしれない。
    アメリカからアイルランド西部の硬い中へ移住した元刑事。
    時折、別れた娘や妻を気にして、連絡を取る彼。
    大農場、溢れんばかりの自然、会話するのはミヤマガラスだけ‥という中で、少しずつ社会へのカーテンが開かれて行く。

    窺うように寄って来た子供、行方不明の彼の兄、孤独なろう農夫が徐々に裏側を見せ始める。
    かと言ってサスペンスではなく、むしろヒューマンドラマ、そしてカルの内省の連続。

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    2022年11月07日
  • 捜索者

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    アイルランドの田舎で起こる失踪事件のミステリー。ただ、個人的に好きな設定ではないのが残念。話はよくありがちな、閉鎖的な村で一筋縄ではいかない住民達を相手に事件に向かうという話で、個人的に土着性みたいなものが好きではないので、本書もいまいちだった。ある意味ユートピアみたいな設定なので、あまり腹落ちしない。

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    2022年08月21日
  • 捜索者

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    ネタバレ

    自然と人物が丁寧に描かれ、ゆっくりと時間が過ぎて行く。事件そのものは単純で、それ以外のあっと驚く結末を期待したが、定位置に着地した感じ。
    が、主人公と依頼者が徐々に信頼し合い絆が生まれていく様は、読んでいて気持ちがよかった。








    女の子にする必要があったのかということと、デスク修理の描写がやけに細かくこだわっている割には私には映像が浮かばなかったことが、ちょっと難点。

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    2022年07月04日
  • 捜索者

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    映画「ウィンターズ・ボーン」を想起する小説だった。紹介文にある犯罪小説というより、心理描写に拘ったハードボイルドと言った方がしっくりくるかも。地味な事件をじっくりと丹念に描く派手さの欠片もない作風(褒め言葉)は実直で、アイルランドの自然が醸し出す静謐な情景も魅力的だが、如何せん起伏に乏しく、筋書きのシンプルさに反して物語が冗長過ぎる印象は否めない。然しながら、その過程あってこそ、静かな余韻の残る結末に仕上がっている気がする。村社会に蔓延る閉塞感や非情な現実への諦念など、人生の悲哀を真摯に描いた良質の作品。

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    2022年05月09日