ブリットベネットのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
The Vanishing Half -消えゆく片割れ-と題された本作。
マラードという地図にも載らない小さな町に生まれたデジレーとステラの双子の物語。
マラードは肌の色の薄さで評価される町である。その背景には、黒人の血が一滴でも入っていれば黒人であると判断された歴史にあり、その意識が人々に刷り込まれてしまっている。
それでいうとデジレーとステラは見た目は白人の黒人であり、それによって様々な耐え難い出来事を経験する。それに耐えかねていよいよ家出し、結果2人はその性格から全く別の人生を歩むことになる。デジレーは自分のありのままを曝け出し思うままに、ステラは自分を隠して生きていく。
そしてそれぞれ -
Posted by ブクログ
ネタバレ数十年前のアメリカで、肌の色が薄い黒人という境涯に生きる双子の姉デジレーと妹のステラの人生の物語。
薄い色の肌にこだわる母や周りの人々に嫌気がさして、外の世界に憧れるデジレーと、貧しさのために大学に行く夢を絶たれたステラは16歳の時に2人で家を出て行った。
どんな思いや考えをもち、どんな人と出会い、どんな選択をするかで、いつも一緒にいた二人の人生がこんなにも別々の方向に向かい離れていく。
白人として生き、裕福に暮らすが、自分を守るためにつく嘘が嘘をよび、自分というものがわからなくなり、その上、娘を傷つけ苦しむステラの心境が痛いほど伝わってきた。
また、真っ黒な肌で生まれたデジレー -
Posted by ブクログ
ルイジアナの小さな町マラードで黒人夫婦の家で生まれたクリーム色の肌と、はしばみ色の目と、緩やかに波打つ髪を持った双子のステラとデジレーとその娘の物語。父親がリンチで殺されるのを目撃したステラとデジレーは16 歳で母親のアデルを一人残してマラードを去り、ニューオリンズで新しい生活を始める。10年後、デジレーは不幸な結婚生活から逃れる為、黒い肌の娘ジュードを連れて実家に戻り、ステラは母親とデジレーとの家族の絆を断ち、白人と結婚して白い肌の娘ケネディと白人として暮らす。外見が白人でも黒人の血が一滴でも混ざっている者は全て差別の対象とする血の一滴の掟(one-drop rule)。デジレーはありのまま
-
Posted by ブクログ
色の薄い黒人。
ほとんど白人にしか見えない双子。
しかし、当時のアメリカはまだまだ白人と黒人の差別がある時代。
デジレーが子供を連れて帰ってきた。
本当は大学へ行きたかったステラ。大学に行くために高校は卒業したかったのに、働かなければならず、中退。悔しい。
2人で逃げ出す。
生まれ育った故郷から逃げだした双子は、始めは一緒に生活をしていたが、
ステラは突然いなくなる。
大人になり子供(ジュード)をれて、デレジーは、マラードへ戻ってくる。
ジュードとリースの恋
トランスセクシャル→性転換症→ 身体的性と性自認が一致しておらず、性別適合手術やホルモン療法などの施術を望む状態、もしくは、そういった手 -
Posted by ブクログ
小さな町を出ていった双子のふたりの半生と、それぞれの娘たちの生きざまを静かな筆致で描いた物語です。彼女たちのその生きた旅路には、派手な事件やどんでん返しがあるわけではありません。ただ、目の前にあるさまざまな差別や偏見と対峙し、ひたすらに自分らしさをつかみとって、握りしめて、生きていこうとする姿だけが描かれています。そしてそれが、静かに確かに、胸を打つのです。
今もなお黒人への差別はアメリカに根強く存在していることは遠い日本でもよく伝わるほどです。けれど時代を遡れば、それはむしろ区別とでもいうような、同じひととしてすらみなさないようなむごさを伴うものでした。そんな時代を生きぬいた彼女たち一人ひ -
Posted by ブクログ
地図にも載らないような小さな田舎町。肌の色が薄い黒人が暮らす町で生まれ育った2人は年頃になるとそこを飛び出して都会に向かった。1人は結婚に破れて娘を連れて故郷に戻り、もう1人は自分を偽って白人と結婚して娘をもうけ、家族や隣人を欺いて生きている。互いがどこにいるのか知らないまま、それぞれの娘同士が偶然出会ったことから、再び結びつけられる---
苦しみながらも自分に向き合って生きてきた姉と家族だけでなく自分をも騙して生きる妹。
私は肌の色による差別の本当のところを知らないので何とも言えないけど、アメリカでは根深いものがあって、それがこんな小説を生み出すほどのものなんだということが、何だかやるせない -
Posted by ブクログ
日本に生まれ育った人は、大抵見た目で人種を判断している。白人に見えれば白人だと思う。しかし人種というものに科学的根拠はなく、人間を人種で分けることは意味がないどころか危険なことだと考える人も増えている。アメリカでも現在はそうだろう。
しかし、ほんの少し前まではそうではなかった。
ジム・クロウ法(ワンドロップルール)により、一滴でも黒人の血が入れば、黒人と決まっていた。それがいかに個人や社会に浸透していて、人々を苦しめ、混乱させたかをリアルに感じられる物語だった。
見た目はそっくり、ということは見た目はほぼ白人だった双子が一人は白人(に成りすました、と描かれる)、一人は黒人のまま生きる。それが、