ブリットベネットのレビュー一覧

  • ひとりの双子
    「色の薄い黒人たちが暮らす町」で生まれ育った双子の少女。
    自由を求め家出同然に都会に出る。
    「白人」として生きる2人の道はやがて分かれ、全く別の生き方を始めるー。
    黒人差別があまりにも染み付いてしまっているアメリカ。差別があらゆる場面で顔を出す。
    『ビラヴド』と比肩する傑作。
  • ひとりの双子
    これまで知らなかった世界!
    差別が根深い以上
    白人でいられるならいたいのね…
    切ないけどアメリカの現実。
  • ひとりの双子
    色の薄い黒人。
    ほとんど白人にしか見えない双子。
    しかし、当時のアメリカはまだまだ白人と黒人の差別がある時代。
    デジレーが子供を連れて帰ってきた。
    本当は大学へ行きたかったステラ。大学に行くために高校は卒業したかったのに、働かなければならず、中退。悔しい。
    2人で逃げ出す。
    生まれ育った故郷から逃げ...続きを読む
  • ひとりの双子
    小さな町を出ていった双子のふたりの半生と、それぞれの娘たちの生きざまを静かな筆致で描いた物語です。彼女たちのその生きた旅路には、派手な事件やどんでん返しがあるわけではありません。ただ、目の前にあるさまざまな差別や偏見と対峙し、ひたすらに自分らしさをつかみとって、握りしめて、生きていこうとする姿だけが...続きを読む
  • ひとりの双子
    双子とその周りの人々の人生が描かれている。

    時代をいくつかまたぎ、舞台となる場所もまたぎ、さまざまなキャラクターが登場して、深みのある豊かな作品

    ちょっとミステリー的な要素もあって読み進めやすい作品になっている。

    全てが簡単につながるものではなく、うまくつながらないシーンが心地よい

    アメリカ...続きを読む
  • ひとりの双子
    アメリカの人種差別は複雑だ。混血ではなく一滴でも黒人の血が入っていたらいくら白人に見えても黒人となる。そして白人に見える双子の選びとって別れた運命を大河小説のように描いた本作、全ての人々が生き生きして読ませます。特に黒い上にも黒いデジレーの娘ジュードの強さ優しさが魅力的です。
    重ねた嘘を守り抜いて魂...続きを読む
  • ひとりの双子
    行方不明の叔母ステラにジュードが出会う確率は出会わない確率と同じである。そのことに数学が専門のステラは気づいている。努力をしても結果が自分の思うようにならないことはよくあること、でも運命に逆い空回りしてしまう。

    リースがジュードに「ときどききみは、いまだに向こうにいるような態度をとるだろ」と言う。...続きを読む
  • ひとりの双子
    日本に生まれ育った人は、大抵見た目で人種を判断している。白人に見えれば白人だと思う。しかし人種というものに科学的根拠はなく、人間を人種で分けることは意味がないどころか危険なことだと考える人も増えている。アメリカでも現在はそうだろう。
    しかし、ほんの少し前まではそうではなかった。
    ジム・クロウ法(ワン...続きを読む
  • ひとりの双子
    おもしろかった。黒人差別について、あまり詳しく考えたことも知ることもなかったから、こんなに差別が浸透していた過去の現実に、読んでいて刺激された。
    白人として扱われたい黒人、男性になりたい女性、ひとつの場所に留まりたくても留まらない人、逆に留まってしまう人。何者かになりたくてみんながもがいていて、人生...続きを読む
  • ひとりの双子
    アメリカ南部のマラードは、白人のように色の白い黒人が住む町だった。地図にも載らないほど小さなその町に住む美しい双子の姉妹デジレーとステラは、16歳のとき町が記念日の行事に浮かれている間に二人で家出をする。決して戻ることはないと思っていたが数年後、姉のデジレーは幼い子どもを連れて町へ帰ってくる。その子...続きを読む
  • ひとりの双子
    SL 2023.2.10-2023.2.13
    双子の姉妹の物語。
    その娘たちの物語。
    人種差別、性自認、貧富の差。
    今の日本に生きるわたしには深く理解できないことも多かったけど、しみじみとした味わいがある。
  • ひとりの双子
    色の薄い2人の黒人が故郷を飛び出す。
    一方は黒人と結婚して故郷に帰り、もう一方は白人として暮らし白人と結婚して裕福に。
    そしてその子供たちは、トランジェンダーの恋人を持ち、自分の本当の姿を見失う。

    昔のアメリカに強く残る人種差別を濃く書かれた一冊。
    白人になりすましたステラは、裕福に暮らせるけど秘...続きを読む
  • ひとりの双子
    後半が面白かった。
    黒人のお母さんと、白人のお父さんの間に生まれた子どもは、黒人という扱いを受けることに驚いた。
    見た目が白人でも、実は黒人の血を引いているというだけで、ネガティブな感じになるのは衝撃だった。
  • ひとりの双子
    「白い黒人」と呼ばれる人々の属性への拘りとその重さ。ここに出てくる人々の真剣さが、ずっしりくる小説。
    書き手の真面目さが、最初から最後まで続くので、途中息抜きがしたくなった。

    肩が凝りました。小説として、どこかで力を抜いてほしかったな。
  • ひとりの双子
    2022/05/26予約 6

    人間が人間を分類すること。黒人、白人、その違いは知識としてあったが、さらに黒人の中に、より色が薄い人が優越感を感じ、=白人と偽り生きる人がいる。
    思う以上に根深い問題というか、考え方なのだろう。
    双子のうち一人は白人として生き、もう一人は自分より、より黒い人との間に子...続きを読む