【感想・ネタバレ】ひとりの双子のレビュー

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Posted by ブクログ

「色の薄い黒人たちが暮らす町」で生まれ育った双子の少女。
自由を求め家出同然に都会に出る。
「白人」として生きる2人の道はやがて分かれ、全く別の生き方を始めるー。
黒人差別があまりにも染み付いてしまっているアメリカ。差別があらゆる場面で顔を出す。
『ビラヴド』と比肩する傑作。

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2022年04月07日

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これまで知らなかった世界!
差別が根深い以上
白人でいられるならいたいのね…
切ないけどアメリカの現実。

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2024年02月25日

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色の薄い黒人。
ほとんど白人にしか見えない双子。
しかし、当時のアメリカはまだまだ白人と黒人の差別がある時代。
デジレーが子供を連れて帰ってきた。
本当は大学へ行きたかったステラ。大学に行くために高校は卒業したかったのに、働かなければならず、中退。悔しい。
2人で逃げ出す。
生まれ育った故郷から逃げだした双子は、始めは一緒に生活をしていたが、
ステラは突然いなくなる。
大人になり子供(ジュード)をれて、デレジーは、マラードへ戻ってくる。
ジュードとリースの恋
トランスセクシャル→性転換症→ 身体的性と性自認が一致しておらず、性別適合手術やホルモン療法などの施術を望む状態、もしくは、そういった手術を受けた状態のこと。
大人になったステラ。
肌の色が白いから黒人には見えない。
でも、いつもいつもビクビクしていた。
はっきりとラインがありこちらからは白人エリア、こちらが有色人種のエリアと決まっていたから。
夫も娘もステラが黒人であることを知らない。
ずっと隠して生きていたいと思ってるステラ。
あまりにも長く嘘をついてきたせいで、今更、本当の事など語れない。
嘘をつくのが当たり前になっていた。
白人として生きていくために。
再会した時にグッときた。
指輪の話のところも。やっと!と思った。
アメリカのこと何も知らなかった。
知らなければいけないと思った。
良書。

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2022年10月04日

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小さな町を出ていった双子のふたりの半生と、それぞれの娘たちの生きざまを静かな筆致で描いた物語です。彼女たちのその生きた旅路には、派手な事件やどんでん返しがあるわけではありません。ただ、目の前にあるさまざまな差別や偏見と対峙し、ひたすらに自分らしさをつかみとって、握りしめて、生きていこうとする姿だけが描かれています。そしてそれが、静かに確かに、胸を打つのです。

今もなお黒人への差別はアメリカに根強く存在していることは遠い日本でもよく伝わるほどです。けれど時代を遡れば、それはむしろ区別とでもいうような、同じひととしてすらみなさないようなむごさを伴うものでした。そんな時代を生きぬいた彼女たち一人ひとりが直面した「当たり前」の厳しさが、あまりにも辛い、と感じました。

自分らしくあるために、選んだこと、選ばなかったこと、あきらめたこと、つかみとろうとしたこと。それらの欠片すべてがあわさって、今の自分を形づくっている。

心臓はただの拍動する臓器だけれども、無限の感情と行動を生む基礎となっているように、彼女たちが共通する「礎」を持っていても、無限の可能性と生き方が存在する。そしてそれを、この物語は温かく描き、それらを肯定している。苦しみもがきながら生きている人々へ寄りそう様なお話だと、そう思いました。

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2022年09月19日

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双子とその周りの人々の人生が描かれている。

時代をいくつかまたぎ、舞台となる場所もまたぎ、さまざまなキャラクターが登場して、深みのある豊かな作品

ちょっとミステリー的な要素もあって読み進めやすい作品になっている。

全てが簡単につながるものではなく、うまくつながらないシーンが心地よい

アメリカの人種社会の実態についても多少理解が深まる。

双子という設定がまた絶妙で、当たり前だが違う人生を送る部分にリアリティーを感じた。

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2022年09月03日

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アメリカの人種差別は複雑だ。混血ではなく一滴でも黒人の血が入っていたらいくら白人に見えても黒人となる。そして白人に見える双子の選びとって別れた運命を大河小説のように描いた本作、全ての人々が生き生きして読ませます。特に黒い上にも黒いデジレーの娘ジュードの強さ優しさが魅力的です。
重ねた嘘を守り抜いて魂の平安を失ったように見えるステラにいつか平穏な日々が訪れることを祈ります。

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2022年08月11日

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行方不明の叔母ステラにジュードが出会う確率は出会わない確率と同じである。そのことに数学が専門のステラは気づいている。努力をしても結果が自分の思うようにならないことはよくあること、でも運命に逆い空回りしてしまう。

リースがジュードに「ときどききみは、いまだに向こうにいるような態度をとるだろ」と言う。肌の色に劣等感のあるジュードは白人と偽るステラと似ている。その逆で、デジレーはケネディと演じる女性という点で似ている。遺伝がクロスしている。

この小説の中で世間によくいる男たち(ステラとデジレーの夫)は完全に脇役です。

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2022年08月08日

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日本に生まれ育った人は、大抵見た目で人種を判断している。白人に見えれば白人だと思う。しかし人種というものに科学的根拠はなく、人間を人種で分けることは意味がないどころか危険なことだと考える人も増えている。アメリカでも現在はそうだろう。
しかし、ほんの少し前まではそうではなかった。
ジム・クロウ法(ワンドロップルール)により、一滴でも黒人の血が入れば、黒人と決まっていた。それがいかに個人や社会に浸透していて、人々を苦しめ、混乱させたかをリアルに感じられる物語だった。
見た目はそっくり、ということは見た目はほぼ白人だった双子が一人は白人(に成りすました、と描かれる)、一人は黒人のまま生きる。それが、彼女たちだけでなく、子どもたちの人生にも影響していく。
この小説が双子のデジレーとステラを描いただけだったらありきたりなものになったかもしれない。しかし、その子どもたちまでを描いたから、深みのあるものとなっている。一人は「タールベイビー」と呼ばれるほど黒く、一人はブロンドでスミレ色の瞳を持つ。この二人の人生が何度か交わるところが妙味となっている。
黒人同士で色が薄い方が価値があると考える、なんて聞いたらバカバカしいと感じるかもしれない。しかし、じゃあ私たちの中にそういう感覚はないか?あるだろう。私たちだけでなく世界のあらゆる時と場所でも。そんな差別意識を炙り出す作品でもあった。

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2023年10月15日

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ネタバレ

おもしろかった。黒人差別について、あまり詳しく考えたことも知ることもなかったから、こんなに差別が浸透していた過去の現実に、読んでいて刺激された。
白人として扱われたい黒人、男性になりたい女性、ひとつの場所に留まりたくても留まらない人、逆に留まってしまう人。何者かになりたくてみんながもがいていて、人生の長い時間をかけて自分と向き合いながら、最終的に選んできた選択の上の運命とぶつかる過程が強くて綺麗だった。

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2023年06月20日

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アメリカ南部のマラードは、白人のように色の白い黒人が住む町だった。地図にも載らないほど小さなその町に住む美しい双子の姉妹デジレーとステラは、16歳のとき町が記念日の行事に浮かれている間に二人で家出をする。決して戻ることはないと思っていたが数年後、姉のデジレーは幼い子どもを連れて町へ帰ってくる。その子はデジレーには似ず、黒い肌の娘だった。
妹のステラは、白人として生きようと姉も過去の一切も捨て金持ちの白人男性と結婚していた。互いの今を知らずに、それぞれの場所で生きる双子だったが、その娘たちが偶然に出会う。

アメリカ建国以降続く人種の問題だけでなく、性同一性障害やDVなど、さまざまな社会問題をバックボーンに双子のファミリーヒストリーとして展開していく。偶然性に頼るシーンもない訳では無いが、ドラマチックな展開だった。

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2023年05月07日

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SL 2023.2.10-2023.2.13
双子の姉妹の物語。
その娘たちの物語。
人種差別、性自認、貧富の差。
今の日本に生きるわたしには深く理解できないことも多かったけど、しみじみとした味わいがある。

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2023年02月13日

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ネタバレ

色の薄い2人の黒人が故郷を飛び出す。
一方は黒人と結婚して故郷に帰り、もう一方は白人として暮らし白人と結婚して裕福に。
そしてその子供たちは、トランジェンダーの恋人を持ち、自分の本当の姿を見失う。

昔のアメリカに強く残る人種差別を濃く書かれた一冊。
白人になりすましたステラは、裕福に暮らせるけど秘密のせいで私生活や娘との関係が上手くいかず元の家族とも疎遠に…
一方のディジーは、真っ黒な子供を産み元夫からの暴力に晒されたが、娘や恋人や母親と良好な関係が築いた。
ちょっと悲しいのが、ディジーは娘に秘密を作らなかったけど、娘はディジーに秘密を作ったこと。

なんだか2人とも報われない…
ちょっと不完全燃焼…

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2023年01月12日

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ネタバレ

後半が面白かった。
黒人のお母さんと、白人のお父さんの間に生まれた子どもは、黒人という扱いを受けることに驚いた。
見た目が白人でも、実は黒人の血を引いているというだけで、ネガティブな感じになるのは衝撃だった。

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2022年09月20日

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「白い黒人」と呼ばれる人々の属性への拘りとその重さ。ここに出てくる人々の真剣さが、ずっしりくる小説。
書き手の真面目さが、最初から最後まで続くので、途中息抜きがしたくなった。

肩が凝りました。小説として、どこかで力を抜いてほしかったな。

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2022年09月14日

Posted by ブクログ

ネタバレ

2022/05/26予約 6

人間が人間を分類すること。黒人、白人、その違いは知識としてあったが、さらに黒人の中に、より色が薄い人が優越感を感じ、=白人と偽り生きる人がいる。
思う以上に根深い問題というか、考え方なのだろう。
双子のうち一人は白人として生き、もう一人は自分より、より黒い人との間に子どもを持つ。

この話を読んで、米国の大統領で黒人であるということは、どれほどの努力、学力、知力、魅力などが必要なのだろう。改めてオバマ元大統領を素晴らしいと思う。

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2022年07月20日

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