杉作のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
“「世の中にとって値打ちのないものなら、なんでもぬすめるっていう、すごい大怪盗だという話だね。」
ご隠居にいわれて、西沢のおじさんはうれしくなってしまい、
「いやあ、それほどでも。」
と、髪をかきあげました。
「なにも、おまえさんが照れることはないんだよ。で、ものは相談だが、その道化師に、ゆうれいをぬすんでくれるよう、話しちゃもらえないかい?」
「えーっ!」
「お礼のほうは、町内会がだすといってくれてる。」
「でも、ゆうれいは苦手で……。」
西沢のおじさんがことわろうとすると、
「べつに、おまえさんに、ゆうれいをぬすめっていってるんじゃない。」
と、ご隠居がいいます。
「だけど、道化師<ピエロ>だって、ゆうれいは苦手なんじゃないかな……。」
「なに、ばかなこといってるんだ。」
ご隠居が、がははと笑います。
「道化師っていやあ、ぬすむのに不可能はないっていうくらいの大怪盗だ。ゆうれいが苦手なんて、いうわけない。」
おじさんは、にげ道がないのを知りました。”
非現実と少しの無茶の入り混じった短編続きのあっさりした本だと思ったら。
最後のオチに思わず鳥肌。
このオチ好きだわ。
“おなじころ、わたしもこまっていました。
長いあいだ書いてきた物語の主人公が病気にかかってしまい、あと一か月で死んでしまうのです。
わたしは、そんな悲しい話を書きたくありません。
考えたすえ、わたしは道化師に相談することにしました。
“道化師に不可能はない”といわれている男のことです。きっと、この状態をなんとかしてくれるでしょう。
というわけで、わたしは西沢書店にきました。”