時武里帆のレビュー一覧
-
-
Posted by ブクログ
ネタバレ普通ここまで立て続けにトラブルが起きることは無いと思いますが、起きてしまいましたねぇ。体験航海中のトラブル。航空機遭難の発生。そして、体験航海参加者の急病。いやぁ、普通、重ならないよね。
あらすじに書いていませんが、もう一つ、興味深い事。トラブル解決に際し、海上保安庁との協力も描かれています。海上自衛隊と海上保安庁。似て非なる海の安全を守る二つの組織ですが、その成り立ちもあって、ライバル関係にあるともいわれます。規模的には海上自衛隊の方が、はるかに大きいんですけどね。この二つが協力し合うシーンは、なんか心打たれてしまいました。
このシリーズ。面白いです。次巻が早く読みたいです。 -
Posted by ブクログ
海上自衛隊の護衛艦艦長となった女性自衛官の物語。
自衛隊モノというと、それだけで、一般人には知ることのできない世界で、非常に興味深く、いつも目が離せなくなるんですが、この作品は、それに輪をかけて主人公が女性というところがミソ。
一般企業において、女性管理職は何かと苦労が多いともいわれますが、一般企業以上の男性社会の自衛隊において、女性の護衛艦艦長という重責についた主人公の苦労はいかばかりかと。
もっとも、会社と異なり階級がモノを言う世界なので、上手くやれば実はやりやすいという話も聞いたことがありますけどね。(一般企業でも、一応、職責や職位による上下関係はあるけど、自衛隊ほど厳格な命令の世 -
Posted by ブクログ
あおぎり艦長となった早乙女は、女性艦長を認めない暮林副長や退職希望の坂上砲術士等、問題を抱えた乗組員とともに訓練航海に出港した。アスロックの訓練発射後の回収に副長の反対を押し切って坂上砲術士を抜擢し、自信を持たせた。休日に航空学生としての休暇で訪れた息子の航太を連れて艦内を案内した。
一般の見学者を乗せて自衛隊への理解を深める体験航海という大きなイベント中、小月のT-5練習機からの救難信号が届き、不時着水した乗員救出のため艦載機を発艦させると事を早乙女は決断した。その対応中、一般客の1人が頭痛を訴え、くも膜下出血が疑われた。同時に起こる不測の事態にクルー一丸となって対処するあおぎり乗員であった -
Posted by ブクログ
ネタバレ護衛艦の船長に晴れ晴れしく着任した女性自衛官の物語が始まったとなれば、自衛隊オタクならずとも大いに期待してしまうところだが、早々に発生した「大事件」は一隊員の未帰艦騒動であり、なんとか解決してから取り組んだ初任務は瀬戸内海で行ったり来たりする操艦訓練というなんとも地味なお話。これでは怒りだす(笑)読者がいてもおかしくないくらいだが、オタクならぬ門外漢にとっては例えば護衛艦の外観、装備や隊の内部統制などについて、未知の世界を手取り足取り案内してくれる親切ぶりがありがたくシリーズものの出だしとして悪くないと感じた。終盤にいきなりヘリ部隊が乱入してくるあたりで続編のプロットがもっと動いてくるのか、や
-
Posted by ブクログ
ネタバレ自衛隊の護衛艦に艦長として着任した女性自衛官が主人公の言わば組織小説。
作者は元自衛官らしく、描かれる組織や艦内の様子、艦長引き継ぎ式など普段は知ることもない自衛隊の様子が具体的に詳細に描かれていてなかなか興味深かった。
ただ、ストーリー的には特に前半から中盤まで着任時の艦内や乗組員の紹介に終始していて、展開が遅いと感じてしまった。
後半の服務違反事案やヘリの緊急着艦エピソードでようやく山が出来たと言える。
まあ、物語としてはこれから全てが始まるイントロ巻だね。
続きに興味が湧くけど、ただ、自衛隊を舞台にしているのならその舞台でなければ描けない、言わば自衛隊ならではのエピソードが欲しいところ。