椋田直子のレビュー一覧

  • 言語が違えば、世界も違って見えるわけ

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    本書は我々の思考がその社会の文化的習慣に大きく影響されていることを提示する。その例として、言語が世界を様々な概念に切り分け、我々が見ているものや思考に影響を与え、人間として普遍的なものが最初から自然にあるわけではないことを証明する。特に、空間的座標軸(東我々と違い、東西南北を絶えず座標軸とする言語)やジェンダー(名詞に常に恣意的な男性性や女性性、中性性を割り当てる言語)、色の概念(言語による色の境界性の多様性)がその言語を日常的に使い続けることの習慣性による思考や行動への影響力。我々が世界をどう見ているのか、言語の影響力の大きさをみることは、人間文化の多様性と相互理解を進めるうえで大切である事

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    2023年10月28日
  • 言語が違えば、世界も違って見えるわけ

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    素晴らしく面白かった。世界には様々な特徴を持つ言語がある(あった)こと、そのような特徴が我々の思考や認識に何をもたらすのか(あるいはもたらさないのか)、言語によって我々の世界の見え方は異なるのか、などなど。
    今までは気にも留めていなかったような知的好奇心を刺激する数々の疑問がこの本では紹介されている。
    文章が少しスノッブ気取りで読み進めにくく感じた部分もあるけれど、決して専門的にはなりすぎず、あくまで一般向けに書かれていたと思う。

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    2023年05月13日
  • 言語が違えば、世界も違って見えるわけ

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    言語は自然と文化、どちらを反映するのか。母語は思考に影響を及ぼすのか。現代人には奇妙に感じられる「葡萄酒色の海」というホメロスの色彩感覚にはじまり、視覚と色名の関係をめぐる議論の歴史や、左右前後を表す言葉を持たず、常に東西南北の絶対方位感覚を必要とする言語の発見など、言語学が生まれた西洋で〈普遍〉と信じられていた常識が崩れていった事例を、言語学者の功罪に鋭く斬り込みながら語るノンフィクション。


    ホメロスは『オデュッセイア』も『イリアス』もまだ読んでないけど、「葡萄酒色の海」のことだけは知っている。だけど、これが文学的な修辞の範疇を超えて「古代人は色弱だったか否か」の議論にまで発展していたな

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    2022年12月12日
  • 言語が違えば、世界も違って見えるわけ

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    途中別の本を読んでいたため、最初の方を忘れていた。一気に読めば良かった。反省。言語学の歴史のところでは日本も野蛮人だと思われていたのかなと思ったり。地理座標のところは難しかったけれど、面白かった。言語って移り変わっていくものだよな、とつくづく感じた。最後は脳科学にまで触れており、歴史を見てきた筆者は少々悲観的な結びで終わる。しかし私はテクノロジーの進化に期待したい。今は日本語で思考しているけれど、脳だけで考え会話する事も出来るのだろうか。

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    2022年05月07日
  • 言語が違えば、世界も違って見えるわけ

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    めちゃくちゃ楽しめると同時に自身の無知さを思い知れる。
    言語学の格闘を時系列順に展開していくから楽しい。
    ただ、読み切る前に知識を披露したくなるのは分かるが、次のページで論破されてたりするから注意。

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    2025年08月16日
  • 言語が違えば、世界も違って見えるわけ

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    ・言語学の挫折と努力の歴史を追いかける本。
    ・ウォーフがボロカスに言われてて、さすがにちょっとかわいそうだな...。
    ・すべての方向を右左上下じゃなくて東西南北で表す言語、おもしろすぎる。
    ・あとがきがかっこいいぜ。

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    2025年04月27日
  • 言語が違えば、世界も違って見えるわけ

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    既知の内容だったため少し感動が薄れてしまったので勝手ながら星3つ
    新規の知識だったらとっても興味深かったと思う

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    2025年04月15日
  • 言語が違えば、世界も違って見えるわけ

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    やや回りくどいが、視点は興味深い。しかし、言語(母語)だけにいろんな要素を結びつけ過ぎであるようにも感じた。世界が違って見えるのは、言語を含む様々な活動の相互作用と見るべきだろう。

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    2022年08月10日
  • 言語が違えば、世界も違って見えるわけ

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    言語が話し手になにを伝えるのを許すか、ではなく、なにを伝えるのを強いるか
    この観点は私にとって新しく糧となった

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    2022年03月29日
  • 言語が違えば、世界も違って見えるわけ

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    言語が世界の認識を完全に規定するわけはないけど影響は与えるし、世界の限界を決めるわけはないけどその速度や難易度には影響を与える。

    言葉が何を伝えるか制約するのではなく、何を伝えなければならないかを強制する。それにより形作られた習慣が、世界の見え方を少し変える。

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    2022年03月27日