作品一覧

  • 言語が違えば、世界も違って見えるわけ

    Posted by ブクログ

    「色」を手がかりに、言語という文化的慣習が如何に人間の世界認識に影響を与えているかを紹介してくれる本
    人間の無意識下でも作用している言語の力が近世の賢人から現代の科学者にかけて明らかになっていく過程が面白かった
    絶対方位感覚を備えさせるグーグ=イミディル語の話者がどういう世界なのかを紙面で体験させたり、本書で扱われた実験で使われた色のセットなど、読者にも実体験してもらおうという気がして楽しめた
    ドイツ語の文法における性(ジェンダー)をトウェインが面白おかしく取り上げていたのも面白かった
    サピア・ウォーフの仮説(言語相対論)が、現在では否定されたとはいえ本書の主題でもある、言語が認知に与える影響

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    2025年02月20日
  • 言語が違えば、世界も違って見えるわけ

    Posted by ブクログ

    面白い。
    言語が人間の認知機能にどの程度影響をあたえうるのか、というシンプルな命題に空間、ジェンダー、色を中心に実例を出しながら丁寧に分析を行っていく。
    文化的土壌がアプリオリに人間の主観的判断や認知に言語を通じ、変化させ、どのように変化させ続けているのか。
    物事を捉える際、言語が人に課す認識の方向性や趣向こそが、言語が違えば世界が違うというウォーフの極論の学問的進歩を感じた。
    著者の親切丁寧な文章力に拍手を。

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    2024年11月30日
  • 言語が違えば、世界も違って見えるわけ

    Posted by ブクログ

    言語の違いが思考にどのような影響を与えるのか。欧米における研究の歴史を振り返りながら、丁寧に説明されている。その歴史はバイアスとの戦いであり、それゆえに本書の説明はとても慎重であり、誠実な印象。

    「絶対方位」しか使わないグーグ・イミディル語など、具体的な言語も紹介されていて、興味深く読めた。

    言語の違いが論理的推論に影響を与える実例は「いまだ提示されていない(原著は2010年)」とされているが・・・。

    文庫版では、「ゆる言語学ラジオ」でおなじみ(?)の今井むつみ先生の解説、最新の実験結果の紹介もあり、お得感がある。

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    2023年02月23日
  • 言語が違えば、世界も違って見えるわけ

    Posted by ブクログ

    生得主義が言語学の主流であるとは聞くのだが、面白そうだと思って手に取る本は、この本も含めて「非主流派」の本になりがちだ。本書の立場は生得主義に真っ向から反対するものでもないみたいで、自然により与えられた「制約のなかの自由」により、文化もある程度まで言語に影響を及ぼす、さらにその逆として、言語が文化に影響を及ぼすこともあるといったところ。

    言語の「氏か育ちか」論争が、ある極端から一方の極端へと行き来する歴史も丁寧に解説しており、一種の科学史としても読める。

    色の認知については、どこか他所で日本人の少し上の世代にミズイロの認識がないことを読んだ。ベーシックな知覚だけに驚いたせいで覚えているのだ

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    2022年07月16日
  • 言語が違えば、世界も違って見えるわけ

    Posted by ブクログ

    やっと読み終えたー。
    第二章の初めがどうしても進まなくて、断念しようかと思ったけどそこを過ぎたらまた興味深くなって読み切れました。
    へぇ〜って内容が盛り沢山で、全体としては面白いです。
    ただ、普段小説という厳選された言葉と文章を読んでばかりいるので、論文的なしつこい口調は辛かったです。
    例えが多過ぎるし、全然先に進まないし、書き手の自己満足的な上手いこと言っただろ的な言い回しとか、要らないと思う部分が多いように感じました。

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    2022年06月02日

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