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古代ギリシャ人は世界がモノクロに見えていた? 母語が違えば思考も違う? 言語と認知をめぐる壮大な謎に挑む、知的興奮の書!
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Posted by ブクログ
英語と日本語が喋れる(英語を大人になってから学んだような)人が日本語で喋ると内気になるけど英語で喋ると性格が変わったかのように自分が積極的でポジティブで行動的になる、みたいな事を言ってるのを以前Xのポストで見かけたので、そういう事が書いてあるのかな〜言語が性格に与える影響って何だろうと思い、読んだ。...続きを読む 最初の方は古代ギリシアの詩人ホメロスの色を表す語彙の少なさ、海や鉄を葡萄酒色と呼びハチミツを緑色と言い空を一度として青いと言わない、それは古代ギリシア人が色弱だったのか?という謎から始まる。 様々な研究者の色々な実験や希少言語の原住民へのフィールドワークの結果、冒頭で私が書いた使う言語によって性格が変わるのか?ということにも答えが与えられる。 それは言語がそもそもの原因というより言語を話す人々が所属する社会の文化での、その言語を通してのコミュニケーションによって強いられる思考というものだった。 一例を挙げると、左右の概念がなく、方向を話す場合はすべて実際の東西南北で表すとある部族の話が面白かった。「右の」「左の」手や足、部屋に入って右の棚みたいな概念がなく右手を「お前の南にある手」とか「店に入って北東の棚」となるのだそう。それも外だろうが太陽も星も見えない室内だろうがお構いない上にその時自分の体がどっち向きかによって違ってくるから右手は「お前の東にある手」にもなりうる。そしてその方向感覚はその部族が生得しているわけではなく、赤ん坊の頃から周りの大人や人々と話が通じるために必須で、子ども自身が東西南北を瞬時に判断できるように覚えていくらしい。そこはそういう文化になっちゃっているので、そうやって覚えて成長していかないとまわりと話が通じず、コミュニケーションができなくて生きていけないから。 な、なるほどー!! つまり日本語だと大人しい人が英語をしゃべると積極的になるのは言語で性格が変わるのではなくて、 その言語を使う社会の文化によってであり、生きていくうえでのその文化の中での相互コミュニケーションがどうなされるのかで変わるってことですよね。 アメリカ辺りで英語で恐らく「あなたの意見は何?」「あなたはどう思ってる?」としょっちゅう聞かれたり積極的で陽気な人たちと積極的で陽気なコミュニケーションを取らざるを得ないから英語を使う場面で積極的で陽気に染まっていくんだろうなあ。(ならない人もいるでしょうけど!) そして色の問題もまた、文化的差異の結果だそう。 当たり前と思っている物事が、社会の慣習が違うと全く違うものになってくる、という本書のなんとなく理解していたと思っていたけど実は良く理解してなかったものがストンと腑に落ちて、世界がちょっと明瞭になった気がする。
言語が私たちの思考や世界の見方にどのような影響を与えるのかを、色覚・方位感覚・文法的ジェンダーなどの例から探る一冊。 どんな言語でも同じことは表現できるが、話す際に“何を強いられるか”が異なるという表現が新鮮でした。 英語と日本語を使う自分の感覚の違いとも重なり、言語が思考だけでなく、性格や居心地の...続きを読む良さにまで影響しているのではと改めて感じさせる内容でした。 まだまだ掘り始めたばかりの分野という印象で、これからも興味深い発見が多くありそうな予感がします。
「認知能力において、人類は基本的に平等であり、民族間、種族間での差異を説明するのに遺伝子に着目するということはなくなった」ということを前提に、異なる言語を話すことによって身についた思考方式の違いについて、「色覚」「語構造」「空間表現」「ジェンダー文法」という4つの観点から論じている。 結論からいう...続きを読むと、わたしたちの母語が絶えず、ある概念に注意を払うように仕向けたり、またはその逆であったり、連想関係を喚起させたりすることを繰り返し心に刻むことで、思考体系に影響を及ぼす、としている。 それは、わたしたちの思考を習慣化させ、文化として根付く。 人種間や民族間で、概念や抽象的思考、認知機能に優劣があるということではない。 しかし、言語は「記憶」「知覚」「連想関係」などの思考領域に影響を及ぼす。それについての感受性に影響を与える。 そして、わたしたちが現実に生きていくうえでは、これらの領域が抽象的推論よりもはるかに重要であることがわかる。 本書は、わたしたち、自分の考えが普遍だという思い込み、自文化中心主義になることへの警告でもある。 とりわけ、ジェンダー文法についての章は興味深く、日本語でもジェンダー名詞はないことから、ドイツ語の詩に付されている日本語訳との対比に驚嘆した。 日本では、今日当たり前として使用されている言語も、明治以降の造語が多く含まれていることから、わたしたちの思考もかなり西欧よりになってきているのではないか、と感じる。 解説で、今井むつみ先生が「わびさび」について挙げているけれど、この概念を理解している平成、令和生まれの若者はどのくらいいるだろうか。 他文化を理解することはもちろんだけれど、自分たちの文化の中で育まれてきた日本語、も大切にしていきたいとあらためて感じた。
「色」を手がかりに、言語という文化的慣習が如何に人間の世界認識に影響を与えているかを紹介してくれる本 人間の無意識下でも作用している言語の力が近世の賢人から現代の科学者にかけて明らかになっていく過程が面白かった 絶対方位感覚を備えさせるグーグ=イミディル語の話者がどういう世界なのかを紙面で体験させた...続きを読むり、本書で扱われた実験で使われた色のセットなど、読者にも実体験してもらおうという気がして楽しめた ドイツ語の文法における性(ジェンダー)をトウェインが面白おかしく取り上げていたのも面白かった サピア・ウォーフの仮説(言語相対論)が、現在では否定されたとはいえ本書の主題でもある、言語が認知に与える影響の分かりやすく衝撃的な例として興味深かった
面白い。 言語が人間の認知機能にどの程度影響をあたえうるのか、というシンプルな命題に空間、ジェンダー、色を中心に実例を出しながら丁寧に分析を行っていく。 文化的土壌がアプリオリに人間の主観的判断や認知に言語を通じ、変化させ、どのように変化させ続けているのか。 物事を捉える際、言語が人に課す認識の方向...続きを読む性や趣向こそが、言語が違えば世界が違うというウォーフの極論の学問的進歩を感じた。 著者の親切丁寧な文章力に拍手を。
言語の違いが思考にどのような影響を与えるのか。欧米における研究の歴史を振り返りながら、丁寧に説明されている。その歴史はバイアスとの戦いであり、それゆえに本書の説明はとても慎重であり、誠実な印象。 「絶対方位」しか使わないグーグ・イミディル語など、具体的な言語も紹介されていて、興味深く読めた。 言...続きを読む語の違いが論理的推論に影響を与える実例は「いまだ提示されていない(原著は2010年)」とされているが・・・。 文庫版では、「ゆる言語学ラジオ」でおなじみ(?)の今井むつみ先生の解説、最新の実験結果の紹介もあり、お得感がある。
生得主義が言語学の主流であるとは聞くのだが、面白そうだと思って手に取る本は、この本も含めて「非主流派」の本になりがちだ。本書の立場は生得主義に真っ向から反対するものでもないみたいで、自然により与えられた「制約のなかの自由」により、文化もある程度まで言語に影響を及ぼす、さらにその逆として、言語が文化に...続きを読む影響を及ぼすこともあるといったところ。 言語の「氏か育ちか」論争が、ある極端から一方の極端へと行き来する歴史も丁寧に解説しており、一種の科学史としても読める。 色の認知については、どこか他所で日本人の少し上の世代にミズイロの認識がないことを読んだ。ベーシックな知覚だけに驚いたせいで覚えているのだが、それにとどまらぬ様々な色の表現パターンが世界の言語にはある。面白い。グーグ・イミディル語の方向認識にも驚かされる。言語についての工夫をこらした実験デザインも興味深い。 そろそろピンカーあたりの本を読んでおいたほうが良い気もするのだが、あまり面白そうでないのだよなあ。
やっと読み終えたー。 第二章の初めがどうしても進まなくて、断念しようかと思ったけどそこを過ぎたらまた興味深くなって読み切れました。 へぇ〜って内容が盛り沢山で、全体としては面白いです。 ただ、普段小説という厳選された言葉と文章を読んでばかりいるので、論文的なしつこい口調は辛かったです。 例えが多過ぎ...続きを読むるし、全然先に進まないし、書き手の自己満足的な上手いこと言っただろ的な言い回しとか、要らないと思う部分が多いように感じました。
「母語の言語体系(文構造、文法、語彙)が、話者の知覚・認知・思考を規定している」という命題について。 その言語によって「何を伝えることができるかではなく、何を伝えることをを強いられるか」という観点に拠ってみると、↑の命題は正しいようだ。 そして特に色の見え方について、碩学の方々が導いた結論はかなり...続きを読む驚くべきもので、ぜひ読んでみてほしい。 言語の「強制」の興味深い事例をひとつ。。 「前後左右」の語彙がないオーストラリアの先住言語では(!?)「東西南北」を代わりに用い(!?!?)、例えば絵の中の位置関係も「東西南北」で表す。 だから絵について記憶を辿って説明するとき、「自分がどの方角に立っていたか/イラストがどの向きにあったか」も合わせて把握しないと、そもそも他者とコミュニケーションできない、という。 ただ「前後左右」の概念を理解できないわけではなく、ここを見誤ると一気にトンデモ論化らしい。 日本語も含め、名詞のジェンダーなどいろいろな言語の事例がユーモアたっぷりに紹介されており、とても楽しい。
言葉は、発する人の世界の見方にどう影響を与えるかについての考察本。 ウォーフの仮説が妙に気になる、だけど信じていいのかな、と思ってたところでこの本に出会い、読んだ。結局ウォーフの仮説は今は否定されていることがわかったけど、でもだからと言って言語と思考が全くの無関係でもないということがちゃんと説明し...続きを読むてあって(しかもユーモアたっぷりに)、私的には満足。解説も言語の研究で何冊も本を出している先生が書いていて、それもまた満足。興味深いし、面白いしで、大事に読んでいきたい本になった。
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言語が違えば、世界も違って見えるわけ
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