椋田直子の作品一覧
「椋田直子」の「言語が違えば、世界も違って見えるわけ」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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ビジネス・実用
Posted by ブクログ
めちゃくちゃ面白かった!私の頭が悪いのと、原著が英語で書かれているがゆえに起こる「読者が英語文法に精通している前提」の説明が噛み砕けなかったけど、それを差し引いても文句なし星5だと思う。頭悪いのって私が悪いし。
色彩語が視覚に影響を及ぼさないの、最初は不思議に感じてたけどたしかに私達も青リンゴを青だとは思ってないしな……全然黄緑に見えてるもんな……と腑に落ちた。ほかの主要なテーマとされた空間とジェンダーについても思うところはあり、特にジェンダーは本当に思考様式に影響することあるの!?と衝撃だった。日本は無生物への性ジェンダーを使用しないと思うけどなんか例外あるのかなあ。
本当に難しかったから再読はしないけど!笑 でも面白かった、こういう本を定期的に読んで脳を使わないといけない。
Posted by ブクログ
英語と日本語が喋れる(英語を大人になってから学んだような)人が日本語で喋ると内気になるけど英語で喋ると性格が変わったかのように自分が積極的でポジティブで行動的になる、みたいな事を言ってるのを以前Xのポストで見かけたので、そういう事が書いてあるのかな〜言語が性格に与える影響って何だろうと思い、読んだ。
最初の方は古代ギリシアの詩人ホメロスの色を表す語彙の少なさ、海や鉄を葡萄酒色と呼びハチミツを緑色と言い空を一度として青いと言わない、それは古代ギリシア人が色弱だったのか?という謎から始まる。
様々な研究者の色々な実験や希少言語の原住民へのフィールドワークの結果、冒頭で私が書いた使う言語によって性格が変わるのか?ということにも答えが与えられる。
それは言語がそもそもの原因というより言語を話す人々が所属する社会の文化での、その言語を通してのコミュニケーションによって強いられる思考というものだった。
一例を挙げると、左右の概念がなく、方向を話す場合はすべて実際の東西南北で表すとある部族の話が面白かった。「右の」「左の」手や足、部屋に入って右の棚みたいな概念がなく右手を「お前の南にある手」とか「店に入って北東の棚」となるのだそう。それも外だろうが太陽も星も見えない室内だろうがお構いない上にその時自分の体がどっち向きかによって違ってくるから右手は「お前の東にある手」にもなりうる。そしてその方向感覚はその部族が生得しているわけではなく、赤ん坊の頃から周りの大人や人々と話が通じるために必須で、子ども自身が東西南北を瞬時に判断できるように覚えていくらしい。そこはそういう文化になっちゃっているので、そうやって覚えて成長していかないとまわりと話が通じず、コミュニケーションができなくて生きていけないから。
な、なるほどー!!
つまり日本語だと大人しい人が英語をしゃべると積極的になるのは言語で性格が変わるのではなくて、
その言語を使う社会の文化によってであり、生きていくうえでのその文化の中での相互コミュニケーションがどうなされるのかで変わるってことですよね。
アメリカ辺りで英語で恐らく「あなたの意見は何?」「あなたはどう思ってる?」としょっちゅう聞かれたり積極的で陽気な人たちと積極的で陽気なコミュニケーションを取らざるを得ないから英語を使う場面で積極的で陽気に染まっていくんだろうなあ。(ならない人もいるでしょうけど!)
そして色の問題もまた、文化的差異の結果だそう。
当たり前と思っている物事が、社会の慣習が違うと全く違うものになってくる、という本書のなんとなく理解していたと思っていたけど実は良く理解してなかったものがストンと腑に落ちて、世界がちょっと明瞭になった気がする。
Posted by ブクログ
「認知能力において、人類は基本的に平等であり、民族間、種族間での差異を説明するのに遺伝子に着目するということはなくなった」ということを前提に、異なる言語を話すことによって身についた思考方式の違いについて、「色覚」「語構造」「空間表現」「ジェンダー文法」という4つの観点から論じている。
結論からいうと、わたしたちの母語が絶えず、ある概念に注意を払うように仕向けたり、またはその逆であったり、連想関係を喚起させたりすることを繰り返し心に刻むことで、思考体系に影響を及ぼす、としている。
それは、わたしたちの思考を習慣化させ、文化として根付く。
人種間や民族間で、概念や抽象的思考、認知機能に優劣があるということではない。
しかし、言語は「記憶」「知覚」「連想関係」などの思考領域に影響を及ぼす。それについての感受性に影響を与える。
そして、わたしたちが現実に生きていくうえでは、これらの領域が抽象的推論よりもはるかに重要であることがわかる。
本書は、わたしたち、自分の考えが普遍だという思い込み、自文化中心主義になることへの警告でもある。
とりわけ、ジェンダー文法についての章は興味深く、日本語でもジェンダー名詞はないことから、ドイツ語の詩に付されている日本語訳との対比に驚嘆した。
日本では、今日当たり前として使用されている言語も、明治以降の造語が多く含まれていることから、わたしたちの思考もかなり西欧よりになってきているのではないか、と感じる。
解説で、今井むつみ先生が「わびさび」について挙げているけれど、この概念を理解している平成、令和生まれの若者はどのくらいいるだろうか。
他文化を理解することはもちろんだけれど、自分たちの文化の中で育まれてきた日本語、も大切にしていきたいとあらためて感じた。
Posted by ブクログ
「色」を手がかりに、言語という文化的慣習が如何に人間の世界認識に影響を与えているかを紹介してくれる本
人間の無意識下でも作用している言語の力が近世の賢人から現代の科学者にかけて明らかになっていく過程が面白かった
絶対方位感覚を備えさせるグーグ=イミディル語の話者がどういう世界なのかを紙面で体験させたり、本書で扱われた実験で使われた色のセットなど、読者にも実体験してもらおうという気がして楽しめた
ドイツ語の文法における性(ジェンダー)をトウェインが面白おかしく取り上げていたのも面白かった
サピア・ウォーフの仮説(言語相対論)が、現在では否定されたとはいえ本書の主題でもある、言語が認知に与える影響の分かりやすく衝撃的な例として興味深かった