椋田直子のレビュー一覧

  • 言語が違えば、世界も違って見えるわけ

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    英語と日本語が喋れる(英語を大人になってから学んだような)人が日本語で喋ると内気になるけど英語で喋ると性格が変わったかのように自分が積極的でポジティブで行動的になる、みたいな事を言ってるのを以前Xのポストで見かけたので、そういう事が書いてあるのかな〜言語が性格に与える影響って何だろうと思い、読んだ。
     
    最初の方は古代ギリシアの詩人ホメロスの色を表す語彙の少なさ、海や鉄を葡萄酒色と呼びハチミツを緑色と言い空を一度として青いと言わない、それは古代ギリシア人が色弱だったのか?という謎から始まる。
    様々な研究者の色々な実験や希少言語の原住民へのフィールドワークの結果、冒頭で私が書いた使う言語によって

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    2025年10月24日
  • 言語が違えば、世界も違って見えるわけ

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    言語が私たちの思考や世界の見方にどのような影響を与えるのかを、色覚・方位感覚・文法的ジェンダーなどの例から探る一冊。
    どんな言語でも同じことは表現できるが、話す際に“何を強いられるか”が異なるという表現が新鮮でした。
    英語と日本語を使う自分の感覚の違いとも重なり、言語が思考だけでなく、性格や居心地の良さにまで影響しているのではと改めて感じさせる内容でした。
    まだまだ掘り始めたばかりの分野という印象で、これからも興味深い発見が多くありそうな予感がします。

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    2025年10月17日
  • 言語が違えば、世界も違って見えるわけ

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    「認知能力において、人類は基本的に平等であり、民族間、種族間での差異を説明するのに遺伝子に着目するということはなくなった」ということを前提に、異なる言語を話すことによって身についた思考方式の違いについて、「色覚」「語構造」「空間表現」「ジェンダー文法」という4つの観点から論じている。

    結論からいうと、わたしたちの母語が絶えず、ある概念に注意を払うように仕向けたり、またはその逆であったり、連想関係を喚起させたりすることを繰り返し心に刻むことで、思考体系に影響を及ぼす、としている。

    それは、わたしたちの思考を習慣化させ、文化として根付く。

    人種間や民族間で、概念や抽象的思考、認知機能に優劣が

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    2025年08月17日
  • 言語が違えば、世界も違って見えるわけ

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    「色」を手がかりに、言語という文化的慣習が如何に人間の世界認識に影響を与えているかを紹介してくれる本
    人間の無意識下でも作用している言語の力が近世の賢人から現代の科学者にかけて明らかになっていく過程が面白かった
    絶対方位感覚を備えさせるグーグ=イミディル語の話者がどういう世界なのかを紙面で体験させたり、本書で扱われた実験で使われた色のセットなど、読者にも実体験してもらおうという気がして楽しめた
    ドイツ語の文法における性(ジェンダー)をトウェインが面白おかしく取り上げていたのも面白かった
    サピア・ウォーフの仮説(言語相対論)が、現在では否定されたとはいえ本書の主題でもある、言語が認知に与える影響

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    2025年02月20日
  • 言語が違えば、世界も違って見えるわけ

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    面白い。
    言語が人間の認知機能にどの程度影響をあたえうるのか、というシンプルな命題に空間、ジェンダー、色を中心に実例を出しながら丁寧に分析を行っていく。
    文化的土壌がアプリオリに人間の主観的判断や認知に言語を通じ、変化させ、どのように変化させ続けているのか。
    物事を捉える際、言語が人に課す認識の方向性や趣向こそが、言語が違えば世界が違うというウォーフの極論の学問的進歩を感じた。
    著者の親切丁寧な文章力に拍手を。

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    2024年11月30日
  • 言語が違えば、世界も違って見えるわけ

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    言語の違いが思考にどのような影響を与えるのか。欧米における研究の歴史を振り返りながら、丁寧に説明されている。その歴史はバイアスとの戦いであり、それゆえに本書の説明はとても慎重であり、誠実な印象。

    「絶対方位」しか使わないグーグ・イミディル語など、具体的な言語も紹介されていて、興味深く読めた。

    言語の違いが論理的推論に影響を与える実例は「いまだ提示されていない(原著は2010年)」とされているが・・・。

    文庫版では、「ゆる言語学ラジオ」でおなじみ(?)の今井むつみ先生の解説、最新の実験結果の紹介もあり、お得感がある。

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    2023年02月23日
  • 言語が違えば、世界も違って見えるわけ

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    生得主義が言語学の主流であるとは聞くのだが、面白そうだと思って手に取る本は、この本も含めて「非主流派」の本になりがちだ。本書の立場は生得主義に真っ向から反対するものでもないみたいで、自然により与えられた「制約のなかの自由」により、文化もある程度まで言語に影響を及ぼす、さらにその逆として、言語が文化に影響を及ぼすこともあるといったところ。

    言語の「氏か育ちか」論争が、ある極端から一方の極端へと行き来する歴史も丁寧に解説しており、一種の科学史としても読める。

    色の認知については、どこか他所で日本人の少し上の世代にミズイロの認識がないことを読んだ。ベーシックな知覚だけに驚いたせいで覚えているのだ

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    2022年07月16日
  • 言語が違えば、世界も違って見えるわけ

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    やっと読み終えたー。
    第二章の初めがどうしても進まなくて、断念しようかと思ったけどそこを過ぎたらまた興味深くなって読み切れました。
    へぇ〜って内容が盛り沢山で、全体としては面白いです。
    ただ、普段小説という厳選された言葉と文章を読んでばかりいるので、論文的なしつこい口調は辛かったです。
    例えが多過ぎるし、全然先に進まないし、書き手の自己満足的な上手いこと言っただろ的な言い回しとか、要らないと思う部分が多いように感じました。

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    2022年06月02日
  • 言語が違えば、世界も違って見えるわけ

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    「母語の言語体系(文構造、文法、語彙)が、話者の知覚・認知・思考を規定している」という命題について。

    その言語によって「何を伝えることができるかではなく、何を伝えることをを強いられるか」という観点に拠ってみると、↑の命題は正しいようだ。
    そして特に色の見え方について、碩学の方々が導いた結論はかなり驚くべきもので、ぜひ読んでみてほしい。

    言語の「強制」の興味深い事例をひとつ。。
    「前後左右」の語彙がないオーストラリアの先住言語では(!?)「東西南北」を代わりに用い(!?!?)、例えば絵の中の位置関係も「東西南北」で表す。
    だから絵について記憶を辿って説明するとき、「自分がどの方角に立っていた

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    2022年05月14日
  • 言語が違えば、世界も違って見えるわけ

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    言葉は、発する人の世界の見方にどう影響を与えるかについての考察本。

    ウォーフの仮説が妙に気になる、だけど信じていいのかな、と思ってたところでこの本に出会い、読んだ。結局ウォーフの仮説は今は否定されていることがわかったけど、でもだからと言って言語と思考が全くの無関係でもないということがちゃんと説明してあって(しかもユーモアたっぷりに)、私的には満足。解説も言語の研究で何冊も本を出している先生が書いていて、それもまた満足。興味深いし、面白いしで、大事に読んでいきたい本になった。

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    2022年05月07日
  • 言語が違えば、世界も違って見えるわけ

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    面白かった。筆者は比喩がじょうず。サイエンスの本だったので、筆者が言うように、地味かもしれないけれど、母語が思考にもたらす影響はあるのだということを丁寧に説明してくれる。母語がなんでも思考力に違いがあるわけないよ!という、みんなが思っている「正論」ではなく、ね。

    久しぶりに本屋さんで棚で見て買った本。こういうのがあると本屋さんに行きたくなるなあ。

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    2022年04月10日
  • 言語が違えば、世界も違って見えるわけ

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    言葉ってすごいんだなー。絶対方位感覚が必要な言語を習得することは到底無理だと思うし、そういう人と接したら、多分、超能力者か?と思うだろうな。赤は赤、緑は緑、と世界中の誰もが同じように捉えていると思ったけど、そうではない。そして、言語の影響があると知ってとても勉強になり、ものの見方が広がったように思います。

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    2022年03月26日
  • 言語が違えば、世界も違って見えるわけ

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    言語が違えば、考え方・世界の見え方も異なるのか?
    ワクワクするテーマに対して、答えはかなり小さい。我々が如何に見えていないかが痛いほどわかるし、そんな中でも見えていることすら、見えていなかった自分にもびっくりする。
    筆者の語り口はクセありだけどだんだんじわじわ面白い。個人的には、1章読み終わるくらいまでは耐える必要がある気がした。

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    2025年08月21日
  • 言語が違えば、世界も違って見えるわけ

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    言語の違えば世界は違って見えてくる、とは読む前から時折感じていたことだけれど、その違い方は私が想像していたよりも些細なことで、ただその些末なことの積み重ねが世界の認識に確実な違いをもたらすものである、と教えてくれた。
    少し読みづらさはあるけれど、着実な論理の積み重ねが丁寧に書かれていてとても納得させられる書籍でした。

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    2025年03月18日
  • 言語が違えば、世界も違って見えるわけ

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    ネタバレ

    いろんな興味深い例が紹介されてて面白かった。

    言語の違いは色、ジェンダー、空間の認識に対して影響を与えるようだということがいくつかの実験をもとに紹介されている。
    かつては他言語の概念理解や思考にも制約がかかると考えられていたが、現在は否定されている。
    ただし脳の働きを調べる手法が未発達なので、わかっていないことも多い。

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    2025年01月02日
  • 言語が違えば、世界も違って見えるわけ

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    ネタバレ

    タイトルに「わけ」と入っているが、実際には理由までは切り込めていない。むしろ、言語が認知に関わるということ自体が、(意外にも)科学的には最近分かりはじめたばかりらしい。
    タイトルと中身がずれているので、読む前に期待していた内容とは違った。面白かったけど。

    鏡としての言語とレンズとしての言語の二本立てとなっている。すなわち、前者は言語が外界の認知のしかたを反映するというもので、後者は逆に、外界の認知に言語が影響するというもの。
    本書の主題は後者なのだけれど、歴史的経緯もあって、まずは前者が紹介される。特に、グラッドストンによるホメロスの詩をはじめとする、古代の文章の色にまつわる研究が詳しく紹介

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    2024年08月14日
  • 言語が違えば、世界も違って見えるわけ

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    初めて読んだ言語学の本。
    言語が文化や知覚・思考に及ぼす影響、社会的慣習が言語に及ぼす影響を多面的に分析している。
    とても興味深いテーマで、新たな発見が多かった。
    バベルの塔伝説による、言語の違い(文法体系、語彙体系、音韻体系等)が、どのように生じてきたのかという新たな興味が湧いてくる。

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    2024年05月18日
  • 言語が違えば、世界も違って見えるわけ

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    想定よりも専門的で難しかったですが、理解はできるレベルであり、とてもおもしろく読めました。
    言語が違うと見える世界が違うのか、というテーマで、空間、色、ジェンダーについて詳細に書かれていて、基本的には読んでいて、そういうもんか〜とただただ頷くのみでした。
    その言葉がないことがその概念を理解しないこととは違うというのは、言われてみれば当たり前ですが、言われないと言語化できなかった感覚でした。
    言語が文化や思考に影響を及ぼすのか、文化や思考が言語に影響を及ぼすのか、一意に定まるわけではどうやらなさそうですが、考えるのが楽しいテーマです。

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    2024年05月03日
  • 言語が違えば、世界も違って見えるわけ

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    名詞に性別がある言語の存在は幾つか知っていたが、同じ色名でも実際に指し示す色が言語によって異なっていたり、位置や方向を表す時に相対時に表す言葉と絶対的に表す言葉があるのを初めて知った。

    このような言語の違いは話者の世界の見方が異なるからなのかそれとも別の要素が絡むのかを様々な事例から論じている。

    これを読むと言語は多様性を映す格好の鏡なのだなと思った。

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    2024年01月30日
  • 言語が違えば、世界も違って見えるわけ

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     古代ローマの人々と現代の我々の間、まして現代の異なる地域に住む我々の間に色彩感覚の生物学的な差異あるとは考えにくい。にもかかわらず、ホメロスは海の色を「葡萄酒の色」と表現するし、現代の日本語の"アオ"が示す範囲と英語の"blue"が示す範囲は同じではない。これらは、母語が人間の論理的な思考を形づくる、という言語相対論ウォーフ仮説を助長するかに見えるが、自分の母語で特定の概念を一言で言い表すことはできずとも理解自体はできることは、今では感覚的に知るところである。色彩感覚の違いについては、脳が網膜からの信号を取捨選択、拡大解釈する際に行う補正と標準化にお

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    2023年11月02日