【あらすじ】
かつては鎌倉の下で、自らの夢を叶えようと奔走していた真尾。しかし、真っ直ぐだったはずの想いは過酷な環境下で歪んでしまっていた…。「魔法少女にとって魔法って一体何なのか」真尾からの問いに、カナが返した答えは!? 魔法少女業界の未来、そしてマジルミエメンバーの歩む道とは──。
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「働くということ」を改めて考えさせられる作品でした。金、地位、やりがい、社会への貢献、好きなこと、生きるため…現代社会で働く場合、「なぜ働くのか?」という問いに対する答えが多様化・複雑化しているように感じます。私自身、高度経済成長期の社会人を経験したことはないですが、おそらく現代よりも「頑張れば頑張っただけ社会も自身の生活もよくなる」という、シンプルで光り輝く雰囲気があったのではないかと思います。今はどうでしょう?もちろん夢を目指してキラキラしている人もいないわけではないと思いますが、多くの社会人が〝閉塞感〟を感じているのではないでしょうか。実質賃金が全く上がっていないことや、「出世=罰ゲーム」という言葉が目立っているのが、その最たる例ではないかと思います。企業全体がこの雰囲気に飲まれていると、一人でモチベーションを保つのは困難です。そして、多くの大企業でこの雰囲気が強くなっていると思います。
この作品は閉塞感の中にいる一サラリーマンとして純粋に「ああ、いいなあ」と感じました。もちろんフィクションですし、青臭いし、綺麗事だらけだし、そんなにうまくいくわけねーだろと思うことも多々ありました。でも、根本的な「働くことの楽しさ」という部分、ずいぶん前に自分が忘れてしまった(諦めてしまった)部分を刺激してきたんですよね。何が目的でもいい、自分が楽しいと思うことを全力でやりたい。なんか、そういう気分にさせてくる作品でした。