エルヴェルテリエのレビュー一覧
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ネタバレ 購入済み
想像を裏切られる
「第一部のラストで思わず本を落とした」という小島監督などの帯コメントにひかれて購入。
SF読みなので一部のラストでめちゃくちゃ驚いたかというとそうでもなかったけど、その後の展開がすばらしい。
私を含む多くの読者が(なんで? どうしてこうなったの?)と期待するタネ明かしが本筋ではなく、(巻末解説にもあったが)それにどう立ち向かうかを作者は描きたかったのだ。そこが目ウロコでおもしろかった。そういう物語でもいいよね。
多岐にわたるジャンルへの作家の博識もすばらしいが、訳者のなめらかな翻訳がさらにすばらしい。
おかげで様々な文体ジャンルを含む物語をすらすらと読めた。
(アンドレの日常だけ、興味が持てな -
Posted by ブクログ
ネタバレもう一度読めば絶対に評価は変わるのだけど、1回目だと晦渋なストーリーに喰らってしまった。
とはいえこれは、ワットダニットミステリ的な一本道を期待してしまった故の読みづらさであり、本著のテーマは寧ろミステリでもSFでもなく、自らの“重複者(ダブル)”が現れた後の11人の人物それぞれの参差錯落な内面であり、生の選び方である。
これに加えて、登場人物それぞれの属性に合わせた文体や語彙レベルの緩急、詩、メール、新聞記事、聴取記録など形態の異なる執筆方法、小説『異常』の入れ子構造など、実験小説(?)としてのメタ的な遊び心がこれでもかと詰まった1冊だった。
そうした、ある意味では人物と技法の“るつぼ” -
Posted by ブクログ
ネタバレおもろい。ただダラダラしている。
180ページまでなんとか辿り着けばそこからは勢いで最後まで読んだ。
180ページの驚きがこの小説のキモだと思うので、ネタバレ厳禁にするのもわかる。いうてそこまでの展開は驚きに満ち溢れるというわけでもないので……
どちらかというと、「自分と全く同じ人物が突如この世に出現したらどうしよう?」という思考実験を楽しむ作品なのかなという気持ちもある。並行世界というわけではないから財産や家族は1人分なわけで、それをどうすればいいのか?という…悩ましい
登場人物が多く、その人物同士も大して交流しないので話が散逸してる印象を受ける。
世界規模を舞台にした話を書くぞ、という -
Posted by ブクログ
フランスの小説。
普段日本人作家ばかり読んでいるせいか、翻訳文に慣れず、読むのにかなり時間がかかった。
西洋文化では前提として共有されている哲学的・知的背景を知らないと
「ん?どういうこと?」と立ち止まる場面も多い。
登場人物も多く、場面転換も頻繁で、名前がなかなか頭に入らなかった。
ただ、会話や人物描写はとても洗練されていて、向こうでは「おしゃれで斬新な小説」として受け入れられたのだろうな、というのは伝わってくる。
SF的な設定に対して、人々がどう反応するかはかなりリアルで、その点は面白かった。
とはいえ、読む体力をかなり使う一冊。
正直、当分は洋書はいいかな、と思ってしまった。