エルヴェルテリエのレビュー一覧
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ネタバレ 購入済み
想像を裏切られる
「第一部のラストで思わず本を落とした」という小島監督などの帯コメントにひかれて購入。
SF読みなので一部のラストでめちゃくちゃ驚いたかというとそうでもなかったけど、その後の展開がすばらしい。
私を含む多くの読者が(なんで? どうしてこうなったの?)と期待するタネ明かしが本筋ではなく、(巻末解説にもあったが)それにどう立ち向かうかを作者は描きたかったのだ。そこが目ウロコでおもしろかった。そういう物語でもいいよね。
多岐にわたるジャンルへの作家の博識もすばらしいが、訳者のなめらかな翻訳がさらにすばらしい。
おかげで様々な文体ジャンルを含む物語をすらすらと読めた。
(アンドレの日常だけ、興味が持てな -
Posted by ブクログ
ネタバレ3.5くらい
読むのに時間かかった。物語の加速パートに入るまでが長い…人間も多くて誰だっけとなる。
シミュレーション仮説というのがどうも腑に落ちなくて、そこも読みにくいポイント
でも重複者それぞれの人生の選択が面白くて、特にスリムボーイは好き(対面の場で寿司を食べながらお互い見つめ合うシーン面白いし、なくした片割れとの出会いみたいにしっくりきててよい)
あとソフィアの父親による性暴力が明るみに出たところも、ちょいきついもののよかった。
終わり間際の俯瞰した状態で登場人物たちの様子が描かれるところ、映画みたい。
で、まさかの三便目…大統領の撃墜指示。ヒェ〜3があるなら4や5もあるのでは…これか -
Posted by ブクログ
ネタバレ同じ人々が突如現れたら、国家として人類としてどう対峙するか。
これがテーマの小説だ。
小説というべきか、ドキュメンタリーのようにも思える。
もともとの世界にずっと存在していた人たちをマーチ(3月)、3月時点から分岐して突如6月に現れた人たちをジューン(6月)と分類する。
言葉は便利だ。同じ人間ですら分類できる。
しかし、当事者にとっては残酷だ。
自分は、ずっと一人と思っていたのに、1号、2号とつけられたようなものだからだ。
一人の息子を前に合理的な判断を選び、共存を模索するマーチとジューンもいれば、
たった3か月の空白のために身を引き、新たな生活を始めるジューンもいる。
過去は思い出として共 -
Posted by ブクログ
ネタバレもう一度読めば絶対に評価は変わるのだけど、1回目だと晦渋なストーリーに喰らってしまった。
とはいえこれは、ワットダニットミステリ的な一本道を期待してしまった故の読みづらさであり、本著のテーマは寧ろミステリでもSFでもなく、自らの“重複者(ダブル)”が現れた後の11人の人物それぞれの参差錯落な内面であり、生の選び方である。
これに加えて、登場人物それぞれの属性に合わせた文体や語彙レベルの緩急、詩、メール、新聞記事、聴取記録など形態の異なる執筆方法、小説『異常』の入れ子構造など、実験小説(?)としてのメタ的な遊び心がこれでもかと詰まった1冊だった。
そうした、ある意味では人物と技法の“るつぼ”