エルヴェルテリエのレビュー一覧
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ネタバレ 購入済み
想像を裏切られる
「第一部のラストで思わず本を落とした」という小島監督などの帯コメントにひかれて購入。
SF読みなので一部のラストでめちゃくちゃ驚いたかというとそうでもなかったけど、その後の展開がすばらしい。
私を含む多くの読者が(なんで? どうしてこうなったの?)と期待するタネ明かしが本筋ではなく、(巻末解説にもあったが)それにどう立ち向かうかを作者は描きたかったのだ。そこが目ウロコでおもしろかった。そういう物語でもいいよね。
多岐にわたるジャンルへの作家の博識もすばらしいが、訳者のなめらかな翻訳がさらにすばらしい。
おかげで様々な文体ジャンルを含む物語をすらすらと読めた。
(アンドレの日常だけ、興味が持てな -
Posted by ブクログ
"異常"に巻き込まれた当人たちそれぞれの未来は明るくもあり暗くもあるが、この世界全体としては明らかに破滅に向かって行く様相で、混迷の道を進む世界や異常そのものの原因へのフォローがないまま描かれるあのラストはとても良かった。
事態に対して居心地の悪い妙な軽快さがあり、その緩やかな終わりへの描き方はネビルシュートの「渚にて」を思い出す。しかしこの世界の終わりはそれよりもさらに悲惨なものになると思う。
多くの登場人物が存在し一見群像劇のように描かれてはいるが、その人物たちが交わることはほとんどなく個人個人の様子が描かれるばかりなのでそうした面白さはほとんどなかった。
この作品自 -
Posted by ブクログ
本屋で見て気になったので読んでみたけど、一体何なんだろう?これは。
航空機で乱気流に巻き込まれた人たちが(いや、世界中が)異常な出来事に出会うと言うお話。
出てくる人たちのそれぞれのエピソードが矢継ぎ早に、次から次へと展開するので、全く人物が覚えられないまま進んでいく。
頭の良い人が考えたあらゆる異常事態に想定したプロトコル。その中でも「こんなんありえへんやろ」と冗談半分で作っていたコード42が発動された。
FBIが世界中に散らばって例の飛行機に乗っていた乗客をかき集める。
そこからが面白い。今まで出てきた登場人物がそれぞれが異常事態の起こった飛行機に乗った登場人物ということで非常に大きな異