川代紗生のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ「勝手に孝彦君を採点して、自分の方が婚活市場での価値が高いと思い込んで、その価値の差分だけ、大きな愛がもらえるはずだと勘定して。だから、孝彦君が差し出してきた指輪のブランドが国内の低価格帯のものだった時、胸の高鳴りがすんと落ち着いた。足りない。足りないよ。この差分を埋めるにはあなたの愛を、せめてティファニーくらいであらわすべきじゃないの?」
一番好きな人ならば、空き缶の蓋を指輪にしたって嬉しいと感じるのかもしれない。でも、二番目に好きな人だったらティファニーの指輪くらいで愛情を表現してほしい。
女性の傲慢さと繊細さと愛情深さが巧みに表現されていると感じた。
女性のモヤモヤした気持ちを表現するのがとても上手な作家さんだと感じた。
★5ではなく、4なのは黒田さんと主人公の関係性にモヤモヤするから。
最後、主人公が結婚せずとも自分は今十分に幸せだということを父に伝えるシーン。黒田は他者からずっと言われた言葉を主人公は自分に言ってくれた、と発言。同様に主人公もこのシーンで黒田が自分が欲しかった言葉を言ってくれた、と感じる。
こんなに心が通じ合ってて、恋愛感情のようなものは芽生えないのかな…?男と女を見たらなんでも恋愛ごとにもっていくのは良くないことだと分かっているけれど、私が主人公だったらしがみつきたいよ、黒田に。
こんなにも自分のことを理解してくれて、自分も相手に必要とされているって、嬉しいもの。
(私個人意見です)男友達じゃなくて彼氏にしないといけないのは、その男が他の女と付き合いだしたときに疎遠になってしまうから。相性が合うのなら、彼氏として自分の所有物としてキープしておかないといけないと考える。そうしないと他の女が来た時に、彼を奪い取られてしまうから。一般的には男女の友情なんて存在しないと思われるだろうし、私自身自分の彼氏が他の女と楽しそうに喋っていたら嫌だから。こんな魂通い合ってるみたいな女友達いたら心配になるよ、彼女さん側。
主人公は黒田に女ができて、疎遠になってしまっても笑顔で送り出せるのだろうか。店長にいい人ができたとしても。三人が互いに依存しあっている状態で、どこかにひびが入った時に「家族」という形をとっていけるのだろうか。
自分が欲しい言葉をかけてくれる、自分を理解してくれて承認してくれる、こんな異性が近くにいる中で、主人公はどうして黒田さんがナシなんだろ…?
主人公の恋愛観、結婚観は何???
どういう人が好きなの???
そこが書かれてないので、すごく共感する箇所いっぱいあったけど、ずっと違和感がありながら読んでました。
でも、久しぶりの読書で面白かった!
ドパガキの私には一話一話短いのが助かった♡ -
Posted by ブクログ
題名に惹かれて、誰かに思い出してもらいたい、誰かの心に残る人になりたい気持ち、分かるなぁと思い手に取りました。
ちょうど結婚する・しないの年代にいる私にとっては友達と恋愛話をしているような気持ちで読むことができました。
失恋の苦しさとか、こんなクズ男に振り回されるなんて許せないとか、友達と喋っているような、不思議な感覚で読んでしまいました。
足りてない自分への焦り、不安に対しての受け止め方が変わる本でした。
誰でもコンプレックスだったり、足りてない自分を埋めたい。でも埋められない、そんな辛い思いに対して、自分の所属する世界ごと、愛せばよかったんだという言葉が心に響きました。
黒田さんと店長とももちゃんみたいな、恋愛ではないけど一緒にいて救われる関係性が素敵でした。
前を向きたい人、全力で頑張りたい方におすすめです!
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Posted by ブクログ
周りが何を言おうと自分の幸せは自分で決める。それに尽きると分かってはいても、周囲のちょっとした言葉で心が揺らいでしまう……その心理描写がとてもリアルだなと感じました。
特に印象的だったのが、結婚していない人を表す「足りていない人間」という言葉です。振り返ってみれば、私自身も独身の頃、意識の底で似たような後ろめたさや欠落感を感じていたことを思い出しました。
既婚で子供がいるからといって人として立派なわけではない。それは事実なのに、頭ではわかっているのに、世間の空気や家族からのプレッシャーに直面すると、どうしても気持ちが揺らいでしまう。
私自身の田舎の親戚や親から、当たり前に「彼氏いるの?結婚はいつ?」と聞かれて嫌だった記憶も重なり、桃子の気持ちが痛いほど理解できました。
桃子、店長、黒田さんの3人の関係がとても素敵で…雫ちゃんが雨宿りに来るシーンでは思わず涙してしまいました。。
みんなずっと仲良く幸せにいてくれるといいな…。 -
Posted by ブクログ
唐揚げのレシピ、母のものとほぼ同じでした。私もこの味付け大好きで、子どもたちが小さかった頃に作ってましたねぇ。懐かしい。
このお話に出てくる人たちは、未だに昭和の価値観に縛られているキャラが多いですが、身の回りにはもう殆どいません。それは、自分たちが「この結婚はそんなに素晴らしいものではなかった」と少なからず思っているからかなあと勝手に推測していたり。
私もその筆頭だったりしますが……。
一生かけて愛し愛される関係って、本当に稀なものです。そんな相手と巡り会えたなら幸せだろうけど、それ以外にも【幸せ】は人の数だけ存在していると思います。
短編連作のような仕立てで、読みやすいお話でした。 -
Posted by ブクログ
ぐさぐさくる言葉が多くて、目を背けたくなる言葉もちらほら
自分に自信がない時、周りと比べてしまって、自分は他の人よりも欠けてる人間なんだ、誰からも認められないし、わたしにしかできないことなんてないんじゃないか、って
きっとそれでも見てくれてる人は周りにいて、とても近くに。気づいてないだけなのかなとか
わたしにも背中を押してくれるような誰かがいてほしい、いやきっといるのだろう、お互いにそういう存在にならないといけないのかな、難しい
わたしが何かを思いだしたときには、この本の言葉を思い出したい。
誰かの背中を押す日が来たら、この言葉を思い出して、伝えてあげたい。そんな存在になりたい。 -
Posted by ブクログ
そこまで泣くと思ってなかったけど、店長と雫ちゃんのところ、自分のことのように辛くなってめちゃくちゃ泣いた(会社におるのに!)
この作品を通して、人の顔のパーツの描写が多い気がした。表情をそのまま書かずに、目や鼻がどうって書くことでリアルに伝わってきた。川代さんの作品他のも読んでみよう。
そしてタイトルにもある
月がきれいな夜に、誰かに思い出してほしかった、
会社の飲み会で食べた美味しいものを食べさせたいと、誰かに思って欲しかった、などなど
人として生まれた以上、愛されたいと思う気持ちは当たり前にあるよね。
それが叶わなかったときの拠り所、雨宿り。
埋葬委員会、すごく良い存在だな〜と。
てか、雨宿りって一見マイナスイメージがある言葉だけど、考えたらプラスイメージが大きいかも。
今降る雨がすぐ止むと思う時、そんなに長く続かないだろと思う時、雨宿りするよね。
そして、雨が降ったら立ち止まって良いんだよという感じ。
人生の辛い局面に遭ったときにもこのことを思い出して、雨宿りしていきたいね。
好きな部分を抜粋。
「猛烈に好きな人ができると」「...その人が、世界の法律になっちゃうもんだよね」(p.205)
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Posted by ブクログ
元彼との思い出で食べれなくなった料理を食べて、気持ちを整理し、彼に対する想いを埋葬し、次にすすむ。
喫茶雨宿りで毎週金曜に開かれる、元かれごはん埋葬委員会。
委員長で喫茶雨宿りの料理担当ももこ。店長、副委員長で常連客でもある僧侶黒田と依頼人で開かれる埋葬委員会。
金曜に訪れる客の失恋話と成仏のために食べる思い出の料理。
くずすぎる彼やずるすぎる彼、仕事と私どっちが大事なの問題や店長の恋や黒田の家族の話。
真正面からつらさに向き合わないと前に進めないのかもしれない。おせっかいで真っすぐに感情を表せるももこによって、感情を露わにしたり、隠していた気持ちを出すことができて恋を埋葬できる。
私も喫茶雨宿りのメニューを食べてみたくなった -
Posted by ブクログ
「みんなが正解といってる枠」に嵌めたがる。
人はなんでこんなに不器用なんだろう
今年発売された『月がきれいな夜に、誰かに思い出してほしかった』。
読み終わった後に前作があったとは…。
『元カレごはん埋葬委員会』の発端と言える物語。
桃子の失恋から始まり、『元カレごはん埋葬委員会』に来店する失恋した男女。そして伊織と黒田さん。
みんな生きることが不器用なんだなと思った。
いやいや彼らだけじゃない。読んでる私たち…すべての人間もみんな不器用。
桃子が言う言葉に、しっくりきたことはありませんか。
「自分はずれてるくせに、ずれているところを受け入れてほしいくせに、相手には、ずれていない、みんなに「正解」と言われる人であってほしい。」
嫌われたくない。愛されたい。好きになってもらいたい。改めて孤独って人間は嫌いなんだと分かる。
「誰かがいった正解」という枠に嵌め込んで、その場所の空気に流されようとする。それって自分の本心なのかなって。心の奥底にある本心を隠してまで人と接することが大事なのかなと。
読んでいくうちに自分と向き合ってました。
恥ずかしながら自分も枠に囚われて生きているんだなと同時に、客観的に自分の本心と向き合いながら人生を楽しまないと…と、反省も込めて。
川代さんの作品は、読み手の心を掴むのが上手い人。繊細な部分も汲み取る作家さんですね。『元カレ』シリーズを読んで感慨深かったです。
御本人の作品にまた巡り会えることができれば、また読みたいです。
★4.5