寺門泰彦のレビュー一覧

  • 真夜中の子供たち 下

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    ネタバレ

    おもしろかった。主人公は、インド独立の瞬間に生まれた。そうであるがゆえに、そのほかの真夜中の子供たちとともに、ポストコロニアリズム、そして愛と平和の独立国家インドを担うべきだった。しかし、真夜中の子供たちとの連帯もままならず、民主主義や多様性尊重に対する強い意志をもたないまま、むしろ剥き出しの野蛮、周辺国へのコロニアリズムに加担していく。主人公がインド国家であり、インド国家が主人公である。そういう苦い歴史と破綻した教養小説を描いている。しかし、わが子の世代にはその矛盾を乗り越えていくことが期待されている。

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    2026年05月01日
  • 真夜中の子供たち 上

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    おもしろい。要は、インドが独立したインドの土着主義と英国、西洋の近代主義とのあいだでに挟まれた家族に生まれてきたこどもを主人公としたポストコロニアルな小説である。ユーモラスに書かれている。が、しかし、同時に、社会、歴史の矛盾が表れている。悲喜劇なので、笑うに笑えない。下巻でどう展開していくのだろうか。楽しみである。

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    2026年04月27日
  • 真夜中の子供たち 下

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    ネタバレ

    インドの独立後の話。

    小説でサリームとシヴァの取り替え事件から始まるけど、ほとんどサリームの1人がたり。
    おじいさんの代からのはなしではぎまるからなかなか登場しないなとおもいながら4ぶんの一 (千ページくらいある)すぎる。

    インドの歴史と、照らし合わせたりは難しいからそのへんはスルーしてよむ。
    首相から真夜中にうまれたことを記念して手紙がとどく。
    血の繋がってない妹を愛している。肉体的にグロテスクに描かれる。大きくて歪な鼻。
    糞尿や痰壺などが主役。
    英語で書かれたらしいけど、チャツネやいろいろ。
    ピクルス工場のオーナーが乳母だったとはね。

    運命ってあるのかなと思わせる。

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    2023年07月16日
  • 真夜中の子供たち 上

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    どんなおどろおどろしい話なのかな…と思ったけど、しょっちゅう冗談や自虐が出てくるので、割と気軽に読めた。

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    2022年09月05日
  • 真夜中の子供たち 下

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    1947年、イギリスから独立したインドで誕生した作家であるサルマン・ラシュディが作家として注目を集めた長編小説。ラシュディといえば、イスラム教から名指しで命を狙われることになった『悪魔の詩』(特に日本においては邦訳を担った筑波大学助教授がキャンパス内で暗殺された点で有名でもある)が有名であるが、本作『真夜中の子供たち』は著者の出世作として圧倒的な物語世界が描かれている。

    著者の作品を読むのはこれが初めてであったが、ガルシア・マルケスなどに代表されるマジック・リアリズムのインド版とでも言おうか、濃厚な物語である。1947年8月15日の深夜0時、独立を果たす瞬間のインドで生まれた500人もの”真夜中の子供たち”は、それぞれが特異な能力を持ってこの世に生を受ける。主人公のサリームもその代表格であり、彼がその特異な能力と共に苦労しながら成長する様が描かれる。

    驚かされるのは、同じく0歳で誕生したインドという国家と、サリームという一人の人間を半ばDNAの二重螺旋のように相互の関係性を描き、双方にとっての希望ある未来を描くというこの途方もないコンセプト(誰が国家と人間を相似形にあるものとして描くだろうか?)と、それを取り巻く圧倒的な物語の面白さである。

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    2020年12月12日
  • 真夜中の子供たち 上

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    1947年、イギリスから独立したインドで誕生した作家であるサルマン・ラシュディが作家として注目を集めた長編小説。ラシュディといえば、イスラム教から名指しで命を狙われることになった『悪魔の詩』(特に日本においては邦訳を担った筑波大学助教授がキャンパス内で暗殺された点で有名でもある)が有名であるが、本作『真夜中の子供たち』は著者の出世作として圧倒的な物語世界が描かれている。

    著者の作品を読むのはこれが初めてであったが、ガルシア・マルケスなどに代表されるマジック・リアリズムのインド版とでも言おうか、濃厚な物語である。1947年8月15日の深夜0時、独立を果たす瞬間のインドで生まれた500人もの”真夜中の子供たち”は、それぞれが特異な能力を持ってこの世に生を受ける。主人公のサリームもその代表格であり、彼がその特異な能力と共に苦労しながら成長する様が描かれる。

    驚かされるのは、同じく0歳で誕生したインドという国家と、サリームという一人の人間を半ばDNAの二重螺旋のように相互の関係性を描き、双方にとっての希望ある未来を描くというこの途方もないコンセプト(誰が国家と人間を相似形にあるものとして描くだろうか?)と、それを取り巻く圧倒的な物語の面白さである。

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    2020年12月12日
  • 真夜中の子供たち 上

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    チラチラ出しては隠される人物や出来事、散らかって進む話に不思議と苛立つこともなくひきこまれる。たびたび横やりを入れるパドマが読者を代弁していると思う。主人公のパドマへの眼差しは温かくて、そこに著者の読者への眼差しを重ねた。
    緊迫したラストに、三巻構成だったのを上下巻にした意図が窺える。
    現実感のあるところも無いところも、抽象的な記述でさえとにかく画面の浮かんでくる文章で、映画を観ているようだった。

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    2020年09月29日
  • 真夜中の子供たち 上

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    ノルウェー・ブック・クラブによる「世界最高の文学100冊」にあがっていた一冊。折り良く岩波文庫に入ったので、読んでみた。


    本作の主人公で語り手であるサリーム・シナイは、インド独立の日である1947年8月15日の真夜中きっかりに、ボンベイで生まれた。この暗合により、「歴史と手錠でつながれ、私の運命は祖国の運命にしっかりと結びつけられてしまった」私が、祖父の代からの一族にまつわる出来事を、千夜一夜物語のように、聞き手のパドマに語っていく。父と母の結婚、妊娠中の母になされた占い師による不思議な託宣、父の事業の崩壊による両親のボンベイへの引越し、そして、新生インド誕生の瞬間、語り手が誕生する。ーここまでが第一巻

    首相ネルーからは「出生時間の幸福な偶然を、…お慶び申し上げます。貴君は年老いた、しかし永遠に若くあり続けるインドという国を担ういちばん新しい顔なのです」とのメッセージをもらう。
    そして9歳のとき、あることがきっかけで主人公はテレパシー能力に開花し、世界を創造している想念に憑かれる。そして、自転車事故の衝撃をきっかけに、主人公の能力は更に高まり、〈真夜中の子供たち〉を知ることになる。彼ら、彼女らは、1947年8月15日の真夜中と午前1時の間に、主権国家インドの国境内に生まれ落ちた1001人のうち、1957年までに生き残った581人の子供たちであり、不思議な特徴、才能、能力を授かっていた。主人公は、自らがハブとなって、真夜中の子供たち会議を作る。

    そんな中、主人公は友人に追いかけられ指を切断する大怪我を負ってしまい病院に運ばれたところ、思わぬ事実が明らかになる。(ここまでが文庫上巻)

    語り手の語りが、語っている現在と、祖父、祖母、父、母等の出会いや関係、出来事が起こった過去との間を行き来するので、いつのことの話なのか慣れてくるまでに少し時間がかかる。一つひとつのエピソードは現実離れしているようでいて、あの底知れぬインドならばあり得そうにも思えてとても面白い。その辺りが、本書がマジック・リアリズムと評されている所以であろう。

    ここからどうなっていくのか。占い師の予言が実現していくのだろうが、予言の常で、あの言い回しでは何だか分からない。

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    2020年06月23日
  • 真夜中の子供たち 下

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    名作とかなんとか言われるやつ、これを読んで同じように書いたら?どうなるんだろうか、国語の先生に突っ返されんか、って思うわけだが、まぁ芸術の世界は難しいのですよ。とりあえず文字数は多いが。
    いや読んでて面白いかどうかはさておき、いやそんなに楽しいってほどでもないけど、とりあえずインドの謎な雰囲気は伝わってくる。混沌じゃ。
    そして主人公の悲惨っぷりというか、描写どおりにAIに描かせたら大変なことになっているのですが。それでも逞しく行きていける姿勢は見習うべき。

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    2024年09月22日
  • 真夜中の子供たち 上

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    地名とかはインドだが、全然オリエンタルさとか、アジアっぽさ、物騒さなど感じられず、作者が元々イギリス人で色々な庇護の中、植民地先に生まれて育ってるからなのか(よく知りません)なんつーのかな、スピリットというのかなー、ガッツ、反骨心、危険さ、それによる殺伐さ、みたいのが全然感じられなくて、そうねー、おもしくなくはないけど、うーん、期待していた感じと違った。けっこう、肉体の描写(あんまないけど)は生々しい感じがした。

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    2021年08月27日