執権 北条義時
危機を乗り越え武家政治の礎を築く
知的生きかた文庫 こ 50-1
著:近藤 成一
出版社:三笠書房
日本史上、貴族政治から、武家政治への転換を促した、危機管理型リーダ、それが、北条義時のイメージです。
承久の乱という、貴族政治から武家政治への橋渡しをしたのが、北条義時です。
公家と武家、将軍と執権といった、政治の二重構造を作り上げ、バランスを保ったのが北条氏で、その直系を、得宗といいます。彼は二代執権として、初期の鎌倉幕府をまとめ上げてきました。
その子も優秀で、三代泰時、七代政村は、いずれも、義時の長男、五男です。
初代執権の北条時政の次男である、北条義時は、実姉である、北条政子を補佐していくつもの危機を乗り越えてきました。本書は、その歴史です。
★1180~1185 治承・寿永の乱(源平の戦い)にて、源頼朝の旗揚げに協力
義経の屋島⇒壇ノ浦ルートとは、別に、範頼の豊後ルートに出兵する
★1192 鎌倉幕府開かれる、頼朝征夷大将軍に
★1203 比企能員の変
①1205 牧氏の変 姉政子とともに、父時政を伊豆に引退させる
②1213 和田の乱
③1219 実朝暗殺
④1221 承久の乱 朝敵となるも、姉政子の助言で、武家が団結
⑤1224 伊賀の変 死後に、身内の内紛がおきるも、姉政子がまとめ、死後に復権
血縁関係、婚姻関係がベースとなっている中世の世界に、合議制なるも、全体調整を行うための役所が幕府であり、その最高調整者が執権である。
目次
プロローグ
第一章 牧氏の変──親子の危機
【1】義時の前半生
【2】43歳の転機
第二章 和田の乱──宿老間の危機
【1】幕政の担い手
【2】和田合戦
第三章 実朝暗殺──将軍継承の危機
【1】実朝の栄光と挫折
【2】将軍の断絶と継承
第四章 承久の乱──朝幕関係の危機
【1】後鳥羽上皇の政治構想
【2】承久の乱
第五章 伊賀氏の変──身内の危機
【1】義時の妻と子
【2】義時の死と一族の内紛
エピローグ
◆巻末付録
・北条義時年表
・旧国名・都道府県対象図
参考文献
ISBN:9784837987550
出版社:三笠書房
判型:文庫
ページ数:208ページ
定価:780円(本体)
2022年01月05日第1刷発行