あらすじ
◆鎌倉幕府第2代執権・北条義時が見舞われた数々の危機から、日本史の転換点、武家政治の成立過程を辿る!源頼朝の死後、幕府内で台頭した北条氏。義時は、父・時政を追放し、姉・北条政子と協力して3代将軍を支える。しかし、頼朝以来の重臣はそれを快く思わず、和田の乱が勃発。その後も、将軍実朝の暗殺、後鳥羽上皇による承久の乱など、次々に難局が襲いかかる。しかし義時は、この途方もない危機を乗り切る度、確実に強くなるのであった。◆日本中世史の潮目はこの男が変えた…!≫なぜ、父時政を追放したのか?≫なぜ、姉北条政子に協力したのか?≫なぜ、源氏は断絶したのか?≫なぜ、将軍を目指さなかったのか?≫なぜ、後鳥羽上皇に勝てたのか?≫なぜ、北条氏は9代続いたのか?北条義時はいかにして、13人の御家人の中で頭角を現し、血生臭い権力闘争を制して北条執権の世を築いたか…!?
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Posted by ブクログ
執権 北条義時
危機を乗り越え武家政治の礎を築く
知的生きかた文庫 こ 50-1
著:近藤 成一
出版社:三笠書房
日本史上、貴族政治から、武家政治への転換を促した、危機管理型リーダ、それが、北条義時のイメージです。
承久の乱という、貴族政治から武家政治への橋渡しをしたのが、北条義時です。
公家と武家、将軍と執権といった、政治の二重構造を作り上げ、バランスを保ったのが北条氏で、その直系を、得宗といいます。彼は二代執権として、初期の鎌倉幕府をまとめ上げてきました。
その子も優秀で、三代泰時、七代政村は、いずれも、義時の長男、五男です。
初代執権の北条時政の次男である、北条義時は、実姉である、北条政子を補佐していくつもの危機を乗り越えてきました。本書は、その歴史です。
★1180~1185 治承・寿永の乱(源平の戦い)にて、源頼朝の旗揚げに協力
義経の屋島⇒壇ノ浦ルートとは、別に、範頼の豊後ルートに出兵する
★1192 鎌倉幕府開かれる、頼朝征夷大将軍に
★1203 比企能員の変
①1205 牧氏の変 姉政子とともに、父時政を伊豆に引退させる
②1213 和田の乱
③1219 実朝暗殺
④1221 承久の乱 朝敵となるも、姉政子の助言で、武家が団結
⑤1224 伊賀の変 死後に、身内の内紛がおきるも、姉政子がまとめ、死後に復権
血縁関係、婚姻関係がベースとなっている中世の世界に、合議制なるも、全体調整を行うための役所が幕府であり、その最高調整者が執権である。
目次
プロローグ
第一章 牧氏の変──親子の危機
【1】義時の前半生
【2】43歳の転機
第二章 和田の乱──宿老間の危機
【1】幕政の担い手
【2】和田合戦
第三章 実朝暗殺──将軍継承の危機
【1】実朝の栄光と挫折
【2】将軍の断絶と継承
第四章 承久の乱──朝幕関係の危機
【1】後鳥羽上皇の政治構想
【2】承久の乱
第五章 伊賀氏の変──身内の危機
【1】義時の妻と子
【2】義時の死と一族の内紛
エピローグ
◆巻末付録
・北条義時年表
・旧国名・都道府県対象図
参考文献
ISBN:9784837987550
出版社:三笠書房
判型:文庫
ページ数:208ページ
定価:780円(本体)
2022年01月05日第1刷発行
Posted by ブクログ
北条義時が執権政治の礎を築く過程を、主に頼朝死後に起きた画期となる政治事件5件を中心にコンパクトにまとめた内容。章末の明月記などの現代語訳は、史料が伝える時代の空気が感じられて入門書としても良いかもしれない。
Posted by ブクログ
2022年大河ドラマ「鎌倉殿の13人」への鑑賞ガイドとして。この国の中世史の潮目を変えた男の姿は・・・?『執権』とは?13人の御家人の中で頭角を現し、権力闘争を制して北条執権の世を如何にして築いたのか!?