澤田誠のレビュー一覧
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名前が思い出せない!と困ったことは何度も。もう痴ほう症の始まりかな と心配になるが、小さな脳梗塞は健康な40代で3割、60代では7割の人に見られると言う。そして当然血流が悪いと、脳に必要な栄養と酸素が十分に行かず、記憶力に影響を及ぼす。
記憶に関する脳のメカニズムを優しく説明し、ではどうすれば と言う指針も示してくれるのはありがたい。
ちなみに、いわゆる脳トレは、脳のパフォーマンス向上には役立たない。(読書は良いそうだ)
メモ
1、記憶を維持するには、神経細胞をなるべく減らさず健康な血流を保つこと。頭を打ったり、過度な飲酒をしたり、ストレスを溜めすぎたりしない。
2、忘れにくくするには、覚えたいことに意識的に注意を向けること(無意識に覚えたものはすぐに忘れる)。また心を動かして体験すること。脳の苦手な意味記憶を覚えるときも、丸暗記をするのではなく、なぜそうなるのかという仕組みや理由を知って納得したうえで覚えると、心が動くので記憶に残りやすい。理性と情動の両方が協力しあった方が脳は力を発揮できる。
3、睡眠中に長期記憶が作られる。海馬から大脳新皮質へ情報を移動させるときに、大事な情報を取捨選択や整理が行われる。
睡眠には深さによってステージがあり、そのステージごとに整理される記憶の種類が違う。意味記憶が関係する学習に重要なのは、最も深い睡眠ステージ3と4。楽器演奏やスポーツなどの手続き記憶の学習効率の増大に必要なのは、浅い睡眠しかも朝の目覚めの前の最後のステージ2。眠りは脳と記憶には重要。
4、抑制性の神経細胞の働きが思い出せないメカニズムに関与している。思い出そうと頑張れば頑張るほど、本当の答えは抑制されて、ますます思い出せなくなる。脳が本来の機能を果たすには、自由奔放に活動する神経をコントロールする必要がある。そのためには抑制というメカニズムは欠かせないが、ときには抑制を解くことも重要。
気分転換は脳の抑制を解く行為だが、良いアイデアが出やすい。
ぼんやりしたり、自然の中を歩いたり、映画を見たり、小説を読んだりなど、身体や五感や想像力を刺激する気分転換がおすすめ。思い出せないものを思い出そうと頑張ってみても、脳が鍛えられるわけではない。
脳を健康に保ち、覚えたいことに注意を向けて情動を動かし、覚えにくい意味記憶はエピソード記憶に変換し、さらに定期的に思い出すと記憶に残る。また答えを知ったときに「そうだったのか」と情動が動けば、より強く記憶に残る。思い出した後に、さらに紐づけを増やしてから記憶すると、次は忘れにくい。その記憶が意味記憶だったとしたら、エピソード記憶に変換すると良い。
5、使われないシナプスが消去されて記憶が劣化する。使われない記憶が劣化していくことは、生きるために必要なプロセス。それに抗いたいのならば、努力や工夫をするしかなく、忘れたくない記憶は定期的に思い出す等する。
思い出すことで記憶は変容し、生存により有利なものとなっていく。複雑な脳の働きをコントロールするのは難しそうだが、脳に与える刺激をコントロールすることは可能。 -
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"顔は浮かんでるのに名前が出てこない"なんて事が起こるのって、そもそも脳とか記憶ってどういう構造なんだろう?とか常々思っていた中で、このタイトルが刺さった。
物忘れ等の現象は、我々の脳が人類何百万年ものサバンナでの生存競争を生き抜く上での必要に応じて構築されて来た脳の機能、仕組みに、その原因があるとの説明は非常に分かり易く納得度も高く、これ迄の疑問の答えも多く得られた気がする。
自分なりに理解したのは
・人類の何百万年もの生存戦略の中で、脳の機能はその必要に応じて対応、進化してきた
・目や耳等感覚器官から入って来る情報を、重要度に応じて取捨選択して記憶し、低いものは忘れる様にする必要があった(獣に遭遇した時に取るべき対応を瞬時に判断するのに役立たずの情報は邪魔)
・記憶は関連するものまとめてどこか1箇所に保管されているのではなく、細分化されたものが神経細胞のネットワークとして保管されている(ネットワークが繋がって思い出す)
・そのネットワークは繰り返し繋がる事で記憶として強化される
・記憶にも色々な種類があり(80分から長くて2,3日の短期記憶と長期記憶。名前や年号等の意味記憶と、経験や体験に基づくエピソード記憶、等)、それらを持つ脳の部位(海馬とか大脳新皮質とか)も異なる。
・その為、記憶喪失(短期記憶を担う海馬を損傷し、記憶が作られない記憶喪失状態)であっても、手続き記憶(繰り返して身体が覚えている状態)を担う大脳基底核という部位が問題なければ、字が書ける、言葉も話せる、食事も出来る、という事になる
・名前は「意味記憶」であり、その人がどんな人か、危険かそうでないか等の「エピソード記憶」より(サバンナを生き抜く上での)重要度が低い為に思い出し難い
などなど、書ききれない程の多くの学びがある。
何度も読み返して、整理して、理解を深める事でまさに記憶に留めたい内容。 -
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記憶しようと詰め込んでも実際に出てこないとただ脳に肥やしになってしまう。覚えたものが出てくるようにするにはどうしたらいいのかと思ったら読んで見るのが今回の本。
意味づけをしたり、ストーリー化して覚えるとただ丸暗記するよりも脳に定着して思い出したいときに脳の引き出しから情報を出しやすい。
記憶を良くする方法の1つとして質の高い睡眠をとることが挙げられている。熱帯夜が続く日々では良い睡眠をとるのがなかなか難しいが、脳に必要な記憶を定着させるには必要なことだ。
豊かな環境では記憶力が向上するでは、日常生活に適度な刺激があると記憶にもいい効果をもたらす。そのためには「情動」がキーワードとなると述べている。何か楽しいことや面白いことをやってみて心を揺さぶると脳にも刺激になるからなあ。
ごほうびについても言及している。ごほうびを与えれば必ず良い効果をもたらすとは限らないと指摘している。「アメとムチ」はうまく使わないと効果を発揮しない。
脳もうまく使いこなさないと脳に支配されかねない。本能をつかさどる「古い脳」に身をゆだねるとメタボ街道まっしぐらになりあのミシュランタイヤのきゃやくたーのようになってしまう。 -
Posted by ブクログ
情動は起こる。頭で対応するのは難しいので、体を使ってコントロールしてみる。例えば、辛いときに笑顔を作る とか。これは、中枢神経(脳、脊髄)に繋がる末梢神経(心臓、ほか体)の情報が影響を及ぼしているという末梢起源説らしい。その逆に、中枢起源説もあり、どっちが優位とかではなく、どちらもある。末梢神経をうまくコントロールするのはいいこと。ただ、情動は自分を守るための防御反応でもあるので、健康を損なうほどのストレスが降りかかった時に、情動のシグナルを無視したりはしないほうがよい。無理はしないこと。情動のシグナルを感じつつ、うまくコントロールしていこうと思う。
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Posted by ブクログ
タイトルの通り、「思い出せない脳」を5つのパターンに分類し、それぞれどのようなメカニズムで起こるのかを説明している。
★「思い出せない」ときに脳で起こっていること5パターンとその対策
①そもそも記憶を作ることができなかった
⇒神経細胞を減らさないように健康的な生活習慣を身に着ける
②情動が動かず、重要な記憶とみなされなかった
⇒好奇心を持ち、心を動かしながら日々を過ごす
③睡眠不足で記憶が整理されなかった
⇒質の良い睡眠をとる
④抑制が働いて記憶が引き出せなかった
⇒どうしても思い出せない時は、思い出すのをやめてみる
⑤長い時間使わなかったために、記憶が劣化した
⇒どうしても忘れたくない記憶は定期的に思い出す -
Posted by ブクログ
ネタバレ脳トレが鍛えているのは手続き記憶。
記憶力とは思い出す能力のこと。
海馬が衰えると、思い出せなくなる。
そもそも記憶できない。
情動が動かず、重要な記憶とはみなされない。
睡眠不足で記憶の整理ができない。
抑制のため記憶が引き出されない。
使われなかったため記憶が劣化する。
のどれか。
記憶が作られないのが認知症。朝食に何を食べたか思い出せないのは物忘れ。食べたことを忘れるのは認知症。
記憶がないとその時間が存在しなかったも同然になる。人生が消しゴムで消されたような不安な出来事。
海馬が損傷しても手続き記憶は作れる。
海馬には一時記憶が保存ざれる。大脳新皮質に送られて長期記憶になる。
昔の記憶がはっきりしているのは、大脳新皮質がしっかりしているから。最新の記憶は海馬がしっかりしていないと大脳新皮質に送れない。
記憶はネットワークで保管される。脳の神経細胞は入れ替わらない。神経細胞が死ぬ主な原因は血流不足。血管の健康を保ち、適度な運動をし、質の良い睡眠をとる。
認知症になると、複数のことを同時に行えなくなるため、料理も苦手になる。
脳幹、大脳基底核は生命維持=爬虫類の脳。
大脳辺縁系は感情、感覚、記憶=旧哺乳類の脳
大脳新皮質は理性、事実認識=霊長類の脳
意味記憶とエピソード記憶。
どんな人かを憶えていても、名前が出てこないのは、エピソード記憶のほうが生存に必要な記憶で、名前は意味記憶だから。
心を動かさずに生活していると記憶は作られにくくなる。好奇心をもって心を動かしながら過ごすと記憶力は向上する。
情動を無理やり押さえつけると健康を害する。
吊り橋効果=ドキドキするから恋をする。
中枢起源説と抹消起源説=感情は、中枢から始まるか抹消から始まるか。抹消を動かすことはできる=抹消を動かすことで感情をコントロールできる。
甘いものを見ると食べたくなる情動は、脳の基本的な本能。
睡眠は脳の機能を回復させ、老廃物を排出し、記憶の整理編集定着を行う時間。
レム睡眠のときに夢を見る。レム睡眠中は、大脳新皮質の視覚連合野の活動が上がっている。前頭前野が休んでいるので支離滅裂な夢になる。夢を見るのは長期記憶の形成のため。夢は副産物。覚えていないのは夢はワーキングメモリーの仕業だから。
楽器や運動は、目が覚める前の浅い眠りが必要。脳がその間に復習する。
浅い睡眠、レム睡眠のときにエピソード記憶、少し深い睡眠のときに手続き記憶、デルタ睡眠のときに意味記憶、が処理される。睡眠薬では睡眠周期が現れないので記憶に障害が起きる。
睡眠が足りないと思い出せない脳になる。眠るのがもったいない、ではなく眠らないのはもったいない。
本当は覚えているのに思い出せないのは、周辺抑制が働いているから。GABAなどの成分。食べても脳には影響しない。エピソードは思い出せるのに名前が出てこないときの状態。思い出すのを辞めると思い出せる。思い出そうとすることはネットワークは活性化しているので意味がある。
前頭前野は、GABA受容体が多いのでアルコールの影響を真っ先に受ける。
GABA受容体に異常があるとてんかんやけいれんが引き起こされる。
複数の神経細胞で記憶を補完する。神経細胞は記憶の保管を掛け持ちしている。思い出さなければ劣化する。
不要だと思われた記憶は薄れる。
エビングハウスの忘却曲線=最初の忘却がかなり急速に進む。1時間後に復習する。
記憶は思い出すたびに変容する=記憶はネットワークで保管しているから。プライミング効果とフラッシュバルブ効果。変容した記憶は何が本物かわからなくなる=証言の信ぴょう性に問題が出てくる。
サヴァン症候群では左脳の機能がないため、右脳が発達したという説がある。事故で後天的に左脳に生涯を負って、絵の能力に目覚める人がいる。
記憶の干渉=似たような記憶が邪魔をする。
光遺伝学=光でたんぱく質を制御する手法。
ハサミを取りにキッチンにいったのに、コーヒーメーカーを目にすると忘れてしまうのは、周辺抑制のため。コーヒーメーカーの刺激が、ハサミの記憶を抑制した。目の前の情報に集中する機能。
脳は細かいことは気にしない=生き残るため。
情動も記憶と同様にマインドセットによって作られている。
十分な睡眠をとる。マルチタスクを辞める。
認知予備能があれば脳細胞が死んでも代替できる。高齢になっても人との交流を絶やさない人に多い。
思い出せないときにスマホで検索しても脳には影響はない。無理に思い出そうとがんばっても脳が鍛えられるわけではない。答えを知ったときの受け止め方=情動が働けば強く記憶に残る。
記憶はハードディスクではない。定期的に思い出してメンテナンスをすること。 -
Posted by ブクログ
保存より呼び出しのほうが大切だった!
そうです。。。
よく眠る事は 昼間見たり感じたりしたデータを
脳みそが整理する時間なので
とっても 大事だそうです。
もう受験とか試験のない世界ですので
覚えることには興味がありませんが・・・
記憶が失わないようにしていかねば ならないお年頃ですので、興味深く読みました。
名前というものだけを 覚えるのは 単語カードを覚えるようなものなので、
名前に付随して 他の イメージもつけると
忘れにくくなり、更に 時々 その人を思い出したりしていれば、、
名前の度忘れは 防げるそうです~~
それと、やはり ウオーキングは良いそうですので
お外を歩いて 色々な刺激を感じることは 脳みその活性にもなるそうです。
ので これから暖かくなるし お散歩いかなきゃ!! -
Posted by ブクログ
意味記憶、手続き記憶、エピソード記憶の3種類。
意味記憶は覚えにくいので、エピソードを添える。
覚える力より引き出す力が弱まる=引き出す訓練をする=定期的な名刺の整理、名刺にメモ書き
辛い記憶を思い出すことは神経細胞を傷つける=忘れるようにできている=思い出は辛い記憶は忘れて、美化されやすい。
寝ている間にマインドセットをリセットする。メモリーコンソリデーション=質の高い睡眠が記憶には必要
ノンレム睡眠時も夢を見ている
寝入りばなの夢はその日の視覚的イメージをみる。
1周期目2周期目は最近のことを、3周期目4周期目は古いことを記憶している。最低でも4.5時間、6時間はほしい。
睡眠管理アプリで浅いときに起きる。スリープマスター
自己訓練法で自己暗示を欠けて眠りを深くする。
脳にとってアルコールは必要ではないか。アルコールは血液脳関門を通り抜ける。アルコールで前頭前野の働きを抑える=神経細胞が自由に活動できる=斬新な発想を得られる。
繰り返しは記憶の基本。視覚だけでなく聴覚も働かせる。
関連付けて覚える。
位置情報と一緒に覚える=位置情報は生命維持に関わるので記憶しやすくできている。
情動を動かす=類型化して認識しない。新しいことを発見する。
DHAやEPAは血管にいい。脳に良いというのは類推。
脳ー腸相関=ヨーグルトなど腸を整えると脳にも良い。
長風呂健康法=10分、7分、5分、湯船に浸かる。
入浴は運動と違って筋肉からの発熱を伴わない。脳からの熱を排出するのに適している。