澤田誠のレビュー一覧
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実に味わい深い内容であった。今の私にとって、身体の隅々までホッとした気分が広がって、心安らかになることができた。私の中のマインドセットが少し座標軸を変化させて残りの人生をポジティブに生きられそう。
このところ、というか、かなり前から、人の名前が出てこないとか、記憶がスパッと抜けて思い出せないとかいうことが起こり、これは単なる老化なのか、はたまた認知症の始まりなのか気になっていたところ、この本と出会い、じっくりと読んで脳の不思議に目覚めることが出来た。
こんな本を上梓した人はどんな人物かと思ったら、私の弟と同じ歳なのに文体が若い!今風の書き振り。良いなぁ。と思って(おわりに)を読んで納得。 -
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思い出せないどころか、覚えられない。
本で読んだ事なんて右から左。何のために読書してるかもよく分からない程だ。同じ本を二冊買っていたなんて事もある。
本書は、そうした悩みについて、分かりやすく「脳と記憶」のメカニズムを解説してくれる。記憶の取捨選択は脳が勝手に。自由意志とかけ離れている。忘れたくても忘れられない、覚えたくても覚えられない。脳と自分は別の生き物みたいだ。この感覚はよく分かる。
IQテストなど、手続き記憶に過ぎない。手続き記憶は、海馬ではなく、小脳や大脳基底核が担う。そのため、海馬が損傷しても文字は書ける。海馬は短期記憶、長期記憶は大脳新皮質。大脳辺縁系で記憶の重みづけをする -
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脳と記憶のメカニズムを分かりやすく説明した本。
思い出せないときに脳の中で起こっていることのパターン別に、記憶力向上のポイントも示されているのがありがたい。
①神経細胞を減らさないように、健康的な生活習慣を身につける。
(過度な飲酒をしたり、ストレスを溜めすぎたりしないように)
②好奇心を持ち、心を動かしながら日々を過ごす。
(覚えたいことに意識的に注意を向ける)
③質の良い睡眠をとる。
(睡眠の深さ、ステージごとに整理される記憶の種類が違う)
④どうしても思い出せないときは、思い出すのをやめてみる。
(脳の抑制を解くために、普段とは違う豊かな刺激を)
⑤どうしても忘れたくない記憶は、定期的に -
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タイトルがいい。歳をとると、まず名前(名詞)が出なくなり、次に動作を表現する言葉(動詞)が出にくくなったり、挙句の果てには表現力(形容詞)が衰える、という話は聞いたことがある。
老夫婦の会話で、アレ誰だっけから始まり、ああだったよなぁが続き、あれなんだよなぁ、で終わる禅問答みたいな笑い話があるが、実際に経験し出すと自虐的になる。
本書は、そんな脳のカラクリについて、専門用語にも触れながら、最初から最後まで、平易に理解が浸透するような語り口で説明されていく。そもそも、思い出せないとは、どういうことか、5つの要因に分解して、それぞれについて章立てして解説されている。なぜ思い出せないかは、
①そも -
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ドラマなどで、記憶喪失になった人物に対して、親しかった人達は嘆き悲しみます。本人も苦しみます。どうして大切な思い出をなくしてしまったのか? と。そのように、脳のしくみが心に与える影響について興味があり、本書を手にとりました。一読しただけでもおもしろかったですが、理解を深めるために二回読みました。二回読んでも「じゃあ脳の仕組みを最初から説明して」と言われたらもたついてしまいますが(複雑で高度な働きをしている脳ってほんとすごい)、それでも受け身で読んでいるぶんには一回目でするすると頭に入ってくるわかりやすい文章です。随所に比喩がちりばめられ、素人の私にも脳が何をしているのか想像しやすく解説してくれ
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最近固有名詞が思い出せないことが増えて悩んでいたところに、日経新聞の広告で「固有名詞を思い出せないのには理由がある」というメッセージを見て購入を決定。
固有名詞を思い出せない理由を脳科学で理論的に説明されていてとても説得力があり、腹落ちしました。例え話やエピソードなども数多く掲載されていて、「あるある」と共感しながら楽しく読み進められました。
記憶には以下の3種類あり、
・意味記憶
・手続き記憶
・エピソード記憶
脳は数万年前から構造が変わっておらず、太古の人類が生存のために必要なエピソード記憶は覚えやすく、現代で必要になったばかりの意味記憶は覚えにくいというのは、とても勉強になりました。
脳 -
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脳科学から見た記憶のメカニズム、これを意識した実践的記憶法の原則を書いた本として、今まで読んだ中でベスト、と言って良い内容だった。
記憶は「意味記憶」「手続き記憶」「エピソード記憶」の3つに分けられるが、この後ろに行くに連れて覚えやすく、忘れにくくなる。その鍵をにぎるのは「情動」であり、これが強いほど記憶はupする。だから見ているだけなく声やジェスチャーなどを動員すればより早く、また長期記憶に定着する、等々具体的な脳に記憶されるメカニズムについて説明しながら解説するので納得感が強い。
今まで読んだ脳科学者の記憶、勉強ものは記憶のメカニズムの解説について(この本より)曖昧に感じるもの、自説の -
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私は若い頃から常に記憶力が落ちていることを悩み、最近ではモヤがかかっているような症状があり、脳や記憶の本をよく読む。
期待したことは、記憶力を上げる、脳の機能を上げるということだったがそうではない。
本を手に取ると評判ほどではないなと、後半の方まで失望して流し読みだったがその前提ではなく、脳の特徴を知り理解して、それに合わせた脳の使い方をすることを学ぶという前提ならスッと入ってきた。
(頭がこんな調子だから読めないのかもしれないが)
どなたかのコメントにあったが、時間がなければ最後の6章だけ読んでもいいとあったが、個人的にはまとめになる6章を読んで興味を持ってから詳細の各章を見た方が頭に -
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よく、記憶のプロセスは符号化→貯蔵→検索(あるいは記銘→保持→想起)というが、本書ではとくに検索(想起)にフォーカスしている。感覚情報がいかにして記憶になるのか、そして必要なときにどうやって思い出したり、あるいは忘れられたりするのかが簡潔にまとまっている。
睡眠や情動など見知った内容が多かったが、抑圧に関する章はあまり具体的なことを知らなかったため勉強になった。また、グリア細胞のことにも触れられているのが良かった。
類書である池谷裕二氏の『記憶力を強くする』に比べて込み入った話は少ないので、初学者には本書の方が読みやすいのではないだろうか。読者が手に取りやすくするための工夫を垣間見ることができ -
Posted by ブクログ
最終章 以外は読まなくても良い
自分のマインドセットを作ることが記憶には大切なことである
前半部分はこれまでの 脳 研究 分かっていることを説明しているのだ もう少し 図版が多い方が理解しやすいのではないだろうか
思い出せない 脳の5つのパターンとして記憶の仕組みを説明している
マインドセット(自分の)
情動は脳の解釈によって作られる
脳のポテンシャルを引き出す方法
認知機能を保持できる「認知予備能。
思い出せない脳の5つのパターン
コラム
記憶を作れない男
情動をコントロールする方法
記憶を食べる脳細胞
人工的に記憶を操作する一光遺伝子
目覚めた女