和田佐規子のレビュー一覧

  • 饒舌な動植物たち

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    ヒトには聞こえない周波数の音で交信しあうゾウ、ミツバチ、クジラ、コウモリ、サンゴ、カメ……。それらの研究の歴史的エピソードも紹介しながら、研究の現在、そして今後の展開に思いを馳せる。
    分野的には音響生物学や音響生態学か。観察・観測・解析というpassiveなものから、こちらからコミュニケートするというactiveなものへと研究は進みつつある。とくに最新の音響技術とAI(機械学習)を用いた異種間コミュニケーションの可能性の問題が興味深い。
    著者のカレン・バッカーはカナダのブリティッシュ・コロンビア大学教授。昨年(2023年)逝去、51歳。亡くならなければ、知的に刺激的な本をたくさん書いていたかも

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    2025年05月07日
  • 饒舌な動植物たち

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    動植物が出す音に焦点を当てて、最新の技術と生物学が探求する他種とのコミュケーションの話。
    各章大小様々な生き物に焦点を当てて、詳しく説明されている。とても面白かった。多くの人におすすめしたい。

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    2024年12月25日
  • 庭仕事の真髄

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    花を愛した偉人、ジークムントフロイト、クロードモネ

    自然に共感機能があるらしい。自分が悲しんでたら自然も悲しみ、自分が喜んでたら自然も喜ぶらしい。自然は人間の最高のパートナーだと思う

    ガーデニングは対話とか会話に似てるらしいね。素晴らしいなガーデニングは。

    これイギリスでベストセラーになった精神科医の本で、ガーデニングみたいな自然との交流は精神に良いみたいな本なんだけど、すごい良かった。おじいちゃんが、庭仕事が趣味だったじゃん。そのおじいちゃんが自然の少ない東京大田区に住んでた時、ストレスで髪が全部抜けた時期があるらしいの。でも自然が多い家に移動して、趣味を庭仕事(ほぼ毎日や

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    2024年06月06日
  • 庭仕事の真髄

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    ネタバレ

     ガーデニングをとても幅広い視点から眺め、深い考察を加えた作品で、多くの示唆を受けました。読み応えがあり、静かな感動を覚えました。スー・スチュアート・スミス作、和田佐規子訳「庭仕事の真髄」、2021.11発行、368頁。塹壕ガーデン、刑務所でのガーデニング、病院の庭の役割・・・、自然と庭と人間の精神のつながり。庭仕事の深層を描いた全英ベストセラーだそうです。ガーデニングは自然との対話、五感のすべてが活性化する。庭の3つの効果は、太陽光、運動、土との触れ合い。そして、庭で起こる出来事は、何もかもがゆっくり。

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    2022年07月16日
  • 庭仕事の真髄

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    ネタバレ

    園芸の心理学的治療価値。園芸のままならなさがある意味いいのだろうな。ヴォルテールの楽観と悲観の極論を振れる話、「私たちは自分の庭を耕さなければならない」という実践、庭を休養の場を超えたものとして大切に行動すること。感覚的で身体的な園芸活動、その自分の感情性、精神性、認知性への刺激。
    現代的なところは、庭が本質的に未来に目を向けるもので、庭師は常によりよい未来を目指していることだ。園芸は植物という他者の未来を信じての働きかけの活動であるということ。
    自分の庭があるはなし。そうか、ベランダのプランタでも自分の庭ではあるのよね。

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    2022年01月24日
  • 饒舌な動植物たち

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    最新の機器の進化や小型化で、特にこれから進むであろう音響の世界を垣間見る事ができる本でした。人間は他の動植物に多大な迷惑をかけているが、音響の世界でもまた深刻な影響を及ぼしていると言うことが分かりました。想像以上にたくさんの種類の動植物(特に海洋生物)が、繁殖、生命維持の為に音を利用している様です。

    またまだよく分かっていない、植物の音響利用についても触れていて興味深い。聴覚を感じる器官らしきものがないにも関わらず、音に反応するというので不思議。

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    2025年06月12日
  • 庭仕事の真髄

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     人と庭がどのように相互作用し、影響していくか、様々な事象やエビデンスを元に、この本は綴られる。個人的な体験が、一気に俯瞰へと変わり分析し、そしてまたクローズアップされる。終始、この本はそれを繰り返す。
     そして、庭というものはなくてはならない存在であることを、遺伝子レベルで伝えようとする。庭作りに全く興味のなかった私が、会社の昼休みに、ふと野に咲く花に意識を持つようになった。人間は、肉体と精神だけでなく、おそらく、自然もその、自分を形成するテリトリー内なのであろう。

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    2024年03月16日
  • 庭仕事の真髄

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     庭仕事と呼べるほどのことをしているわけではないけど、草むしりくらいは多少やっています。夏場は雑草がとてもよく伸びるので結構な数の草をむしるんですが、気持ちがよい運動になっています。

     そんな身近な庭仕事の真髄を知りたい。本書を教えてもらった時には、副題が「老い・病・トラウマ・孤独を癒す庭」とあり、なにかメンタルヘルスの気づきもありそうだなと。そんな動機から本書を読むことにしました。

     著者はイギリスの著名な精神科医で、大の庭好きの女性です。そして彼女の旦那さんがガーデン・デザイナーであることもまた興味深いです。本書の随所に自身の庭のエピソードも出てきます。

     一読して感じたのは、文章が

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    2025年09月27日
  • 庭仕事の真髄

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    よく考えたら、著者が精神科医なんだから当然なんですが、もっと現代の地球環境問題への対処としてのガーデニングを説いているのかと思いきや、心理とか精神といったスピリチュアルな内容であった。地球環境問題に関与する仕事がしたい自分には、少し後回しでも良いかと思った。んが最終章はとても参考になった。ミニマムにスポットを当てることも大事だと。

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    2023年07月02日