作品一覧

  • 饒舌な動植物たち
    4.7
    1巻3,520円 (税込)
    1,000キロ先まで届くクジラの歌、 対ミツバチ警戒音を持つゾウ、 孵化する前から親子で呼び交わすカメ、 人間の産業活動が発する音で傷つくタコや海草…… ヒトには聴こえない音を聴き取り、意味を解析する研究が進んでいる。 その結果、動物の交流における音声の役割に加え、 聴覚器官を持たない植物やサンゴまでもが音を頼りに活動していることがわかってきた。 デジタル音響技術が明らかにした動植物の知られざる生態から、 人間の経済活動が発する音に影響される陸上・海中の生態系まで、 生命が奏でる音の多様性と未来を描く。 【原著書評】 美しい文章で描かれ、隅々まで研究が尽くされている。数々の洞察が詰まった書物である。 聴くという行為をさらに押し広げていくことへの素晴らしい招待状だ。 ――D.G.ハスケル(『木々は歌う』『ミクロの森』著者) テクノロジー起業家であり大学人でもあるカレン・バッカー氏は、音響を明らかにするデジタル・テクノロジーを視覚における顕微鏡の働きに匹敵するものであると美しい文章でつづる。 人間の聴覚能力を拡張することによって、テクノロジーは世界中の、そして系統樹の遠く離れた場所にある「新しいサウンドスケープ」に私たちを出会わせてくれる。 ――アンドリュー・ロビンソン(ネイチャー誌) 入念な研究と、生き生きとした描写。 さまざまな側面から専門外にもわかりやすくまとめ上げた、この分野では初めての書物。 動物の生態系や科学の実践活動の物語、未来志向、先住民族の知恵に関する解説が、 学際的に配されており、素晴らしい出来栄えだ。 ――ベンジャミン・ゴッテスマン(サイエンス誌)
  • 庭仕事の真髄
    4.2
    「サンデータイムズ」ベストセラー。タイムズ紙、オブザーバー紙「今年読むべき1冊2020年」に選出。人はなぜ土に触れると癒されるのか。庭仕事は人の心にどのような働きかけをするのか。世界的ガーデンデザイナーを夫にもつ精神科医が、夫とともに庭づくりを始めてガーデニングにめざめ、自然と庭と人間の精神のつながりに気づく。さまざまな研究や実例をもとに、庭仕事で自分を取り戻した人びとの物語を描いた全英ベストセラー。

ユーザーレビュー

  • 饒舌な動植物たち

    Posted by ブクログ

    ヒトには聞こえない周波数の音で交信しあうゾウ、ミツバチ、クジラ、コウモリ、サンゴ、カメ……。それらの研究の歴史的エピソードも紹介しながら、研究の現在、そして今後の展開に思いを馳せる。
    分野的には音響生物学や音響生態学か。観察・観測・解析というpassiveなものから、こちらからコミュニケートするというactiveなものへと研究は進みつつある。とくに最新の音響技術とAI(機械学習)を用いた異種間コミュニケーションの可能性の問題が興味深い。
    著者のカレン・バッカーはカナダのブリティッシュ・コロンビア大学教授。昨年(2023年)逝去、51歳。亡くならなければ、知的に刺激的な本をたくさん書いていたかも

    0
    2025年05月07日
  • 饒舌な動植物たち

    Posted by ブクログ

    動植物が出す音に焦点を当てて、最新の技術と生物学が探求する他種とのコミュケーションの話。
    各章大小様々な生き物に焦点を当てて、詳しく説明されている。とても面白かった。多くの人におすすめしたい。

    0
    2024年12月25日
  • 庭仕事の真髄

    Posted by ブクログ

    3168

    花を愛した偉人、ジークムントフロイト、クロードモネ

    自然に共感機能があるらしい。自分が悲しんでたら自然も悲しみ、自分が喜んでたら自然も喜ぶらしい。自然は人間の最高のパートナーだと思う

    ガーデニングは対話とか会話に似てるらしいね。素晴らしいなガーデニングは。

    これイギリスでベストセラーになった精神科医の本で、ガーデニングみたいな自然との交流は精神に良いみたいな本なんだけど、すごい良かった。おじいちゃんが、庭仕事が趣味だったじゃん。そのおじいちゃんが自然の少ない東京大田区に住んでた時、ストレスで髪が全部抜けた時期があるらしいの。でも自然が多い家に移動して、趣味を庭仕事(ほぼ毎日や

    0
    2024年06月06日
  • 庭仕事の真髄

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

     ガーデニングをとても幅広い視点から眺め、深い考察を加えた作品で、多くの示唆を受けました。読み応えがあり、静かな感動を覚えました。スー・スチュアート・スミス作、和田佐規子訳「庭仕事の真髄」、2021.11発行、368頁。塹壕ガーデン、刑務所でのガーデニング、病院の庭の役割・・・、自然と庭と人間の精神のつながり。庭仕事の深層を描いた全英ベストセラーだそうです。ガーデニングは自然との対話、五感のすべてが活性化する。庭の3つの効果は、太陽光、運動、土との触れ合い。そして、庭で起こる出来事は、何もかもがゆっくり。

    0
    2022年07月16日
  • 庭仕事の真髄

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    園芸の心理学的治療価値。園芸のままならなさがある意味いいのだろうな。ヴォルテールの楽観と悲観の極論を振れる話、「私たちは自分の庭を耕さなければならない」という実践、庭を休養の場を超えたものとして大切に行動すること。感覚的で身体的な園芸活動、その自分の感情性、精神性、認知性への刺激。
    現代的なところは、庭が本質的に未来に目を向けるもので、庭師は常によりよい未来を目指していることだ。園芸は植物という他者の未来を信じての働きかけの活動であるということ。
    自分の庭があるはなし。そうか、ベランダのプランタでも自分の庭ではあるのよね。

    0
    2022年01月24日

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