阿部修士のレビュー一覧
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ミシェルらは、子供にとっての報酬となるお菓子が目の前に見えている状況と見えていない状況を、マシュマロテストで比較しました[19]。この実験の結果は明らかで、子供たちは目の前にお菓子が見える状況では、我慢することが困難になりました。その一方、見えていない状況では、以上待つことができることがわかりました。目の前に見えているか、そうでないか、たったそれだけのことで、子供たちが自制心を働かせることに大きな影響を与えたのです。
この結果は当然のように聞こえるかもしれませんが、欲求をうまくコントロールする方法を身につける上では、きわめて重要な研究成果です。目の前に報酬があると我慢が効かなくなるのなら、 -
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人がウソをつくときの状態(環境的な要因、心理的な状態、生理的な状態など)を明らかにしたいと考えている研究者による、ウソに関する考察、研究をまとめた本。
ウソに関する研究手法としては、以前は、人間の行動を観察する実験デザインしかありませんでしたが、技術の発達により、脳の動きを直に測ることが可能になり、どんどん進歩していっています。
しかしながら、ウソに関するこれまでの研究は、被験者に「ウソをついてください」とお願いするような不自然な設定が多く、被験者が「ウソをつくかつかないか判断する」という、ウソを研究する上で最も重要かもしれない部分については、あまり丁寧に扱われてこなかったようです。
それが -
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ネタバレ意思決定に関わる、情動的反応や直感的思考、
欲求などの自動的な「速いこころ」と
合理的判断や論理的思考、自制心といった
主に意志の力による「遅いこころ」の
「二重過程理論」が取り上げられている。
例えば、マシュマロテスト(マシュマロをいま1個
もらうか20分待って2個もらうか)をクリアした幼児は
将来のSATの成績も良いという結果があるけれど、
欲求に対して気をそらすことができれば待てるように
なるので、待てない子でも訓練で自制心を学ぶことが
できる。
第六章『意思決定と人間の本性ー性善か性悪かを
科学的に読む』では他者に協力するのは、
速いこころか遅いこころかを取り上げ、協力は
素早い決 -
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【意思決定の心理学】
●A.意思決定の多くの場面では、こころの中で2 つのシステムが機能している。1 つは「素早く湧きあがる情動や欲求」、もう1 つは「時間をかけた思考に基づく理性や自制心」だ。この2種類のこころの働きを想定した理論を「二重過程理論」と呼ぶ。
●B.2 種類のこころの働きは、学術的には次のように分類される。
・システム1:直感的・情動的な反応、本能的な欲求の発現を支える。論理性よりも直感に依存する「速いこころ」。
・システム2:合理的判断や自制心など、意志の力によるこころの働きを支える。システム1 の働きにブレーキをかけようとする「遅いこころ」。これを働かせるには集中力が要 -
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オビにあるように「嘘、偽り、欺き、騙し」と書かれると、嘘は悪いもののように思うのだけど。
事実の切り取り方次第で「フェイク」になるように、敢えてそのように解釈して、生きやすくしているのが、人間の処世術なのかなと思う。
動物も嘘をつくこと(認識すること)が書かれていたり、嘘の見抜き方、脳との関係、性善説と性悪説への筆者の見解なども述べられている。
結局、全容は解明されなくてモヤモヤは残るのだけど、以前から知っていた実験が実は再現出来なかったことなんかを知り、そもそも「嘘」を設定すること自体が難しいのかな、とも思う。
サイコパスと嘘については、道徳的なためらいが見られないことが、脳の部位の反応 -
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「ウソも方便」「嘘から出た誠」「ウソは泥棒の始まり」…などなど,ウソに関わる言葉は,日本にも多い。ウソは,それくらい私たちの身近である証左だろう。だいたい,ウソをついたことのない人はいない。ウソをついた方がいいときだったあるのは,みんなも知っている。「わたしちょっと太ったでしょう」と言われて,「そうだね,ずいぶん太ったね」という人は,よほど仲よしどうしではないと言えないだろう。そんなときには,自分の本音を言わないのが「社会性」というものである。
さて,本書には,「人はなぜウソをつくのか」について研究されてきたことが書かれている。それらの研究内容や方法,その研究結果など,たいへん興味深い。