【感想・ネタバレ】あなたはこうしてウソをつくのレビュー

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Posted by ブクログ

人がウソをつくときの状態(環境的な要因、心理的な状態、生理的な状態など)を明らかにしたいと考えている研究者による、ウソに関する考察、研究をまとめた本。

ウソに関する研究手法としては、以前は、人間の行動を観察する実験デザインしかありませんでしたが、技術の発達により、脳の動きを直に測ることが可能になり、どんどん進歩していっています。
しかしながら、ウソに関するこれまでの研究は、被験者に「ウソをついてください」とお願いするような不自然な設定が多く、被験者が「ウソをつくかつかないか判断する」という、ウソを研究する上で最も重要かもしれない部分については、あまり丁寧に扱われてこなかったようです。
それが、近年になり、被験者が「ウソをつくかつかないか判断する」ところまで含めた実験デザインが考えられるようになり、ウソに関する知見が、随分と
深まったようです。

とはいえ、ウソに関しては、まだまだわからないことが多いのも事実。
また、著者は、「ウソがこの世からなくなることが良いことだとは思っていない」とも言っていまして、そこに、ウソの深さや効力を感じました。

ウソに関する研究については、もっと進むと面白いな、と思うと同時に、すべてが明らかになるのは興ざめだな、というのが、この本を読んでのウソ偽りのない心境です。

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2021年09月30日

Posted by ブクログ

 「ウソも方便」「嘘から出た誠」「ウソは泥棒の始まり」…などなど,ウソに関わる言葉は,日本にも多い。ウソは,それくらい私たちの身近である証左だろう。だいたい,ウソをついたことのない人はいない。ウソをついた方がいいときだったあるのは,みんなも知っている。「わたしちょっと太ったでしょう」と言われて,「そうだね,ずいぶん太ったね」という人は,よほど仲よしどうしではないと言えないだろう。そんなときには,自分の本音を言わないのが「社会性」というものである。
 さて,本書には,「人はなぜウソをつくのか」について研究されてきたことが書かれている。それらの研究内容や方法,その研究結果など,たいへん興味深い。
 が,しかし,本書が面白いのは,別の面にある。著者は数々の研究の紹介をしたあとで,「ただ,これとは逆の結果が出ている研究例もある」「まだ追試ができていない研究であり鵜呑みにすることなできない」みたいなことが,何カ所にも書かれていることだ。
 要するに,本書は「まだに決定的なことは何も分かっていないけれども,みんな気になるだろうから,こんな本をまとめてみました」みたいな感じなんだろうなと,わたしは読んだ。
 いやー,研究って本当に面白いですね。

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2021年04月26日

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