牧本次生のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
日本の半導体が世界シェア50%から10%に落ち込み、今後0%すら予測される状態において、いかに復活するかについての本。
著者は1990年代に既にデジタルノマドワーカーを想定した講演を行っていた。
かつて日本が高シェアを誇っていた半導体産業を凋落させたのは、主にアメリカからの圧力と、日本製品が強かったアナログ商品から日本が世界シェアをとれなかったデジタル商品への転換、それにともなう半導体産業の垂直統合型から水平分業型への転換に対応できなかったことなどにあった。
現在は、日本内外で日本製スマホなどの完成品の需要がないため、日本製半導体デバイスの需要も生まれないという関係にある。
一方、川上の -
Posted by ブクログ
我らが日の丸半導体の「没落の原因」を知るために本書を購入した。
「元日立製作所の専務」である著者・牧本次生氏は、高所から、どのような総括をしておられるだろうか?
先ず「第5章 日本半導体の盛衰」に目を通すと、「何だか様子が違うぞ」とはぐらかされたような気がした。
私はすでに「元日立製作所の技術者」である湯之上隆氏の本を読んでいたので、つい「湯之上本」の傾向の内容を期待してしまうのである。
よく考えれば、牧本氏は経営幹部、一方の湯之上氏は技術者。
だから、我らが日の丸半導体の「没落の原因」について、お二人の見方や考え方が異なるのは当然である。
私は技術者だったので湯之上氏には馴染みやすいが、牧本 -
Posted by ブクログ
日立からソニーに渡り、半導体の黎明期から第一線で活躍、日米半導体協定にも関わった著者による、日立半導体物語。
リアルで面白かったが、専門用語の説明が全くなく、ちょっと興味を持って読んだ人には全く分からないと思う。CMOSって何?NMOSって何?
そもそもマイコンすら、40年前にはパソコンと同義で使われてた言葉なんで、日立がマイコンで頑張ったと言われたって、FMVって日立だっけ?と訳のわからんことを一瞬思ったくらい。
米国との切った張った。
あいつらって、利害が合う間はべったりだが、反すると一転、叩き潰しにくる。ルールによる平等が好きだが、そのルールを自分たちに有利に持っていくのが、ルールだ -
Posted by ブクログ
ハーバード大学修士、東大博士、史上最年少の32歳で日立製作所の部長職に就き「出る杭」と呼ばれた著者。半導体の歌まで作り、本書で紹介する程、少し変わった人という印象。後半は自らの半導体半生を振り返りながらも、戦略上いかに半導体が重要かを説く。尖った人材。しかし、だからこそユニークな生き様という気がする。
トランプ政権の発足以来、米中半導体摩擦が激しくなった。中国は世界最大の半導体消費国であるが、国内で生産する事は限定的であり、大半を輸入に依存。国産比率を上げるために政府が巨額の資金を投入していることにアメリカは警戒を強めており、安全保障上の懸念となる主要企業をエンティティーリストに入れて制裁を