R A ラファティのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
〈カワイイ〉をキーワードにラファティ作品20作を収録した短篇集。
前半は『町かどの穴』のほうが好みの作品が多いかなと思っていたのだが、後半は「とどろき平」以降ぜんぶ好きだと言っても過言じゃない。「うちの町内」、荒俣宏の傑作アンソロジー『魔法のお店』に収録されてたのか!あのなかでは薄味なので覚えていなかったけど、もう随分前にラファティに出会っていたんだなぁ。以下、気に入った作品の感想。
◆「ファニーフィンガーズ」
ヘパイストスをモチーフに、製鉄という魔術が使える長命者の父娘と、ただの人間な母、娘の恋人のトンチンカンだけど切ないすれ違いを描く。「町かどの穴」もそうだけど、お母さんキャラがある -
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老犬を怯えさせる幽霊の真偽をめぐって田舎町で論争が起こる表題作ほか、すべて初訳の9篇を収録した短篇集。
牧眞司・編の『町かどの穴』『ファニーフィンガーズ』はエンタメ色が強いラインナップだが、井上央が編訳した本書はラファティの思想が浮かび上がるよう設計されている感じ。特にカトリシズムと反ダーウィニズムが色濃く反映された神話的なムードの作品に魅せられた。以下、気に入った作品の感想。
◆「下に隠れたあの人」
最初クリストファー・プリーストの『魔術師』みたいにマジシャンの業を描くのかと思っていたら、違うテーマに枝分かれしていった。ドリアン・グレイの変奏って感じか。エンターテイメントというものを考 -
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60〜70年代に活躍した奇想の作家R・A・ラファティの作品から、〈アヤシイ〉をキーワードに19作を選出した短篇集。
好き!!!!!!!!今ずっとラファティを読んでいる。以下、気に入った作品の感想。
◆「どろぼう熊の惑星」
「町かどの穴」のスラップスティックっぷりも嫌いじゃないけど、最初に心をグッと掴まれたのはこれ。ナスカの地上絵のように地表に残された宇宙船の等身大構造図というビジュアルイメージと、その種明かしが楽しい。怖くないコズミック・ホラー。この人が書くものには〈宇宙的郷愁[プラネタリー・ノスタルジア]〉という言葉がぴったりだ。
◆「山上の蛙」
死をめぐる謎かけ言葉が賢者と愚者の秘 -
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読み終えて、少したって、収録されていたタイトルを眺めてみる。どれも味がある小説で「あぁ、面白かったなぁ」と密かに幸せな気分になれる。もちろん読んでいる最中も楽しめるのですが、じわじわと染み込むおもしろさ、と評した方が、なんだかしっくりきます。
そんな不思議で奇妙な物語19篇を収録した本書は、R・A・ラファティのベストコレクションその1。その1ということは、その2もあるようで、本書は「アヤシイ篇」で、その2は「カワイイ篇」とのこと。カワイイ篇も超気になる。
「われらかくシャルルマーニュを悩ませり」をはじめ、本書では<不純粋価額研究所>シリーズが計3篇収録されている。このシリーズ、ばからしくて