古賀紅美のレビュー一覧
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クリント・イーストウッドという生涯の憧れだった映画俳優が、91歳になるというのに、新作映画で主演も監督も請け負っていることにまず驚愕した。原作ノヴェルとして新たに翻訳され発掘されたこの作品は1975年の作品だ。ぼくがに三日に一回というペース(深夜の5本立てなども含む)で映画館という映画館のスクリーンに噛り付いていたアメリカン・ニューシネマの時代に映画人の誰からも振り向かれることなく、映画化もされなかった本作が、今、この時期に翻訳されるとは! まさにイーストウッド映画のお裾分けのように、映画を未だ観ていないぼくが原作に出会えた。しかも映画は上映中。完全に同期しているのだ。
ちなみにイースト -
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ラーシュ・ケプレル『ウサギ狩り人(下)』扶桑社ミステリー。
ヨーナ・リンナ・シリーズ第6作の下巻。
不気味な童謡に準えて連続殺人を繰り返す狡猾なラビットハンターの正体と犯行目的の謎、ヨーナ・リンナの捜査と推理力など読み所がとても多く、非常に面白い。例えるならば、スウェーデン版『悪魔の手鞠唄』といった感じかな。
ヨーナの捜査により少しずつ見えてくる被害者たちの関係。30年以上前の陰惨な事件がラビットハンターの動機なのか……
そして、いよいよ下巻の中盤でラビットハンターの正体と犯行の目的が明らかになる。
4年の刑で刑務所に服役中の元国家警察警部ヨーナは完全釈放を条件に一時的に釈放され、連 -
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ラーシュ・ケプレル『ウサギ狩り人(上)』扶桑社ミステリー。
まさかのヨーナ・リンナ・シリーズの第6作。前作でシリーズは完結したかと思ったのだが……
4年の刑で刑務所に服役中の元国家警察警部ヨーナが連続殺人犯を追うという何とも信じられないストーリー。上巻を読んだ限りでは犯人の正体も目的も全く不明で、この先、どのような展開になるのか読めない。しかし、面白いのは確か。やはりミステリーというのはこうではなくては。
ストックホルムの高級住宅街で、コール・ガールを呼んだ男がコール・ガールの目の前で突然現れた黒ずくめで目出し帽の男に射殺される。コード・プラチナの通報で現場に急行したヨーナの元相棒の公安 -
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ネタバレ【上下合わせての感想です】
うーん。
への字というか逆さVというべきか…
前作に次ぐ、うーん。
4作くらいまでが良すぎたのかなあ。前作であれっと思った気持ちのままに、うーん。どうものめり込めなかった。
良いところ
・連続殺人が派手で飽きない
個人的に気に入らないところ
・翻訳者がコロコロ変わるのは仕方ないとしても翻訳メモリ残して欲しい。アーニャがアンヤになってるって違和感ありすぎ…
・殺人者目線のおかげで意図はわかったものの、今までの作品のように緊張感がない
・奥さんを亡くして自分のせいで恋人?愛人?を無くしたばかりでまた昔の恋人とより戻してるヨーナって、どうなの?おかげでまた…作品を通 -
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ネタバレ北欧ミステリーの1作。作者のラーシュ・ケプルは1人ではなく2人の作家、日本では珍しいパターン。本作は作者の6作目で、シリーズものになっている1作。全作は翻訳されておらず一部のみ。主人公のヨーナ警部が監獄に入っているところから始まる。1人目の被害者が外務大臣ということでテロが疑われ、ヨーナが服役している刑務所に首謀者がいるという設定。ヨーナが捜査協力者になり釈放されるところから始まるのがちょっと荒唐無稽ではあるが、連続する殺人の犯人は異常者ではなく、深い憎しみ底にあった者であり、復讐だったというところからリアリティが増してくる。最後は少しお決まりの勘違い人種の愚かさ故に人生を狂わされた人たちの悲
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嫌いではないけれど、次々と連続して読む気にはなれないヨーナ・リンナシリーズ。
前回作品で収監されて実刑を受けていた彼、国を揺るがす事件、猟奇的、被害者の重要性・・色めく。
しかも直々に捜査を担当する様に指名が。
サーガと共同であるような内容な、変わった操作方法。急速すると刑務所へ戻って行き、独房行だと迄言われる???
スピーディーな展開の中身は迷路の様。
殺害現場の目撃者が視た片頬に垂れ下がる毛❓飾り物❓何だろう・・
イスラム原理主義の関与が・・
何時も寂しそうなヨーナ、高校時代のかつての恋人との行方が下巻でどうなるかも気になる。
あと一歩という所で身を引くヴァレリアとハッピ―に進めばいい -
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N・リチャード・ナッシュ『クライ・マッチョ』扶桑社ミステリー。
クリント・イーストウッド監督&主演映画の原作。1975年刊行作品の本邦初訳。
期待していたほどの面白さは無いし、結末にも満足出来ない作品だった。主人公のマイクが38歳なのに対してクリント・イーストウッドは91歳。果たして、どんな映画に仕上がったのか。
かつてテキサスでロデオスターとして盛名を馳せた38歳のマイク・マイロは、落馬事故で足を骨折し、雇い主のハワードから首を宣告される。これからの人生を模索するマイクにハワードはメキシコに母親と住む息子のラファエルを自分の元に送り届けたら5万ドル支払うと、退職金代わりの仕事を -
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ラーシュ・ケプレルは、迷路のような小説を書く。一匹狼の警部ヨーナ・リンナは、前作で獄舎に囚われてしまったが、それは本書への周到な伏線だったのだ。そう本作はシリーズ第6作。全部で8作を予定していたシリーズは10作まで計画そのものも膨張したらしく、世界での人気が伺われる。
覆面作家として登場したラーシュ・ケプレルは、翻訳時点で既に、普通小説の夫婦作家の共作ペンネームであることが明かされているが、よほどケプレル作品の性格や方向性までお二人の息が合うらしく、相当の生きの合わせ方が伺われる。事件のサイコ性、不気味なまでの残虐性、スピーディな展開、ヨーナのスーパーな捜査能力と対になった一匹狼的野性&知 -
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ラーシュ・ケプレルは、迷路のような小説を書く。一匹狼の警部ヨーナ・リンナは、前作で獄舎に囚われてしまったが、それは本書への周到な伏線だったのだ。そう本作はシリーズ第6作。全部で8作を予定していたシリーズは10作まで計画そのものも膨張したらしく、世界での人気が伺われる。
覆面作家として登場したラーシュ・ケプレルは、翻訳時点で既に、普通小説の夫婦作家の共作ペンネームであることが明かされているが、よほどケプレル作品の性格や方向性までお二人の息が合うらしく、相当の生きの合わせ方が伺われる。事件のサイコ性、不気味なまでの残虐性、スピーディな展開、ヨーナのスーパーな捜査能力と対になった一匹狼的野性&知