クライ・マッチョ

クライ・マッチョ

小説・文芸
1,430円 (税込)

7pt

3.8

クリント・イーストウッド監督&主演映画原作!
今こそ、本当の強さの意味を問う

誘拐から始まった少年との出会いが、
二人の人生を変えてゆく――


かつてロデオスターとして盛名を馳せたマイク・マイロは、
落馬事故のあと雇い主のハワードから首を宣告される。

一方で彼から、メキシコで母親と住む息子のラファエルを
米テキサスに住む自分のもとに送り届けることができれば、5万ドルを支払うという仕事の依頼を受ける。

メキシコに向かったマイクは、路上で闘鶏に生きる少年ラファエルを遂に見出すが……。

熾烈な逃避行と、道中の交流を通じて再生してゆくふたりの姿を描き出す、
C・イーストウッド監督&主演映画の原作本、遂に本邦初訳!

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クライ・マッチョ のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

     クリント・イーストウッドという生涯の憧れだった映画俳優が、91歳になるというのに、新作映画で主演も監督も請け負っていることにまず驚愕した。原作ノヴェルとして新たに翻訳され発掘されたこの作品は1975年の作品だ。ぼくがに三日に一回というペース(深夜の5本立てなども含む)で映画館という映画館のスクリーンに噛り付いていたアメリカン・ニューシネマの時代に映画人の誰からも振り向かれることなく、映画化もされなかった本作が、今、この時期に翻訳されるとは! まさにイーストウッド映画のお裾分けのように、映画を未だ観ていないぼくが原作に出会えた。しかも映画は上映中。完全に同期しているのだ。

     ちなみにイーストウッドと言えば、セルジオ・レオーネ監督のマカロニ・ウエスタン、続いてドン・シーゲル監督に始まったダーティ・ハリーという恰好いい憧れのガンマンという印象が強かった。しかしその頃にも『センチメンタル・アドベンチャー』などのロード・ムーヴィーでリアルで弱い男というディープな役も演じていたので、彼の人間的厚みは、監督業を請け負う以前から実はとても強く感じていた。

     監督としてもビッグヒットを連続させたし、イーストウッドが好むタイプ映画はヒューマンで、哀愁に満ちていて、暖かい血が流れているレアな印象が強く、それでいてセンチでロマンティックで、心を摑むものばかりだった。とりわけ小学校の頃からカウボーイの代名詞として最初から好きだったぼくのような夢見心地人間には。

     さて本書はそんなイーストウッドのイメージそのままの物語として読める一作である。しかも、どちらかと言えば、先に挙げた『センチメンタル・アドベンチャー』の系列なのである。主人公はかつてヒーローだったものの、負傷して引退を迫られるロデオ・カウボーイ。話はシンプル。ロデオの興行主は、老いた主人公マイク・マイロに引退を言い渡し、その直後、別の仕事として、メキシコ人の妻との間にできた息子の誘拐を持ちかける。国境を越えてメキシコへゆき、少年を誘拐してテキサスへ帰ってくるというミッションである。

     とはいえ、巻頭は派手なアクション・シーンに始まる。警察の銃撃を受けて国境付近でトラックを疾駆させるシーン。そして、本章はその三か月前から改めて語られる構成となっている。ロード・ノヴェルのスタート。言葉の通じない異国への旅。

     ディテールが豊かである。情緒的で、純文学的ですらある。マイクの心の振幅、これまでの人生や今後への不安が語られる。主人公は、メキシコの地での新たな経験を通して、次第に心の中に歪みが膨らんでゆくのを感じてゆく。

     メキシコ人の少年ラフォとの合流。彼らが追跡から逃れて身を隠す小さな町の家族との出会い。野生馬と並走するトラック。美しいシーン。夜には暗すぎる路地裏。狭い道。貧困層。犯罪者集団。テキーラとサボテンの国である。展開にスピーディさはなく、揺れ動く心的スリルや新しい文化や人々への出会いへの驚きの方が強い。メキシコという土地での粗っぽくも新しい体験や予想外のできごとに驚かされ、何かが揺れてゆく。

     良い物語とは、物語を通して主人公が変わるもの、と誰かが言っていたように思う。本書の主人公マイク(ぼくの中ではイーストウッドそのものでしかないのだが)が、どのように変わってゆくかというところに、豊かな読みごたえを感じる。良い物語の骨格をしっかりと備えた作品なのだ、これは。娯楽サービス満点の昨今の人気ミステリーがいつか失ってきてしまったものを、むしろ改めて感じさせ、ああ、ぼくはこっち側(本作)の人間で、こういう読書が好きなのだ、と改めて自覚させられた一作なのだった。

     なかなか表現しにくいけれども、今のぼくにとっては、完璧なタイプの(その代わり古い)小説である。本書が半世紀も後に日本語に翻訳された幸運、さらに未だ観ぬ映画作品への期待が残されている幸福に、改めて感謝、そして何よりも、Viva! Eastwood!

    0
    2022年02月07日

    Posted by ブクログ

    中年男性が主人公のロードノベルとなると、どうしても『コックファイター』が頭に浮かんでくる。道具立ても似ているところがあって、でもマイクの心の動きがよく描かれてていい味出してます。

    0
    2022年04月26日

    Posted by ブクログ

    なんか20年くらい前に読んだような気もする。話はシンプルでいてドラマチック。いかにも映画の原作になりそうな作品。ちょっと自分はこういう「さあ泣けさあ感動しろ」って苦手なんだよね。こういう大げさな感じの雰囲気、本当に必要か?好きか?と思いながらも、結構、精神的にダメージ食らった。子供はできたが死産してしまった30後半の男性と、産まれてしまったが父親が身近にいなかった少年のロードムービーで、段々としこりが取れてきて、心が通い始めるのは、なかなかしんどい。後半は本全開にしないで読んでました。(そんなに苦手か?)

    0
    2022年11月01日

    Posted by ブクログ

    N・リチャード・ナッシュ『クライ・マッチョ』扶桑社ミステリー。

    クリント・イーストウッド監督&主演映画の原作。1975年刊行作品の本邦初訳。

    期待していたほどの面白さは無いし、結末にも満足出来ない作品だった。主人公のマイクが38歳なのに対してクリント・イーストウッドは91歳。果たして、どんな映画に仕上がったのか。

    かつてテキサスでロデオスターとして盛名を馳せた38歳のマイク・マイロは、落馬事故で足を骨折し、雇い主のハワードから首を宣告される。これからの人生を模索するマイクにハワードはメキシコに母親と住む息子のラファエルを自分の元に送り届けたら5万ドル支払うと、退職金代わりの仕事を持ち掛ける。

    メキシコに向かったマイクはラファエルを発見し、テキサスに連れ帰ろうとするが……

    定価1,430円
    ★★★

    0
    2022年01月17日

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