浅野和生のレビュー一覧
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「専門的研究に裏打ちされたような情報を一般向けに判り易く説く」というのが“新書”なのだと思うが、本書は正しくその「新書らしい」という感じの一冊に纏まっていると思う。
今年は「2023年」だ。これは「イエス・キリストの生誕の年」ということになっている年を「紀元」とした数え方の「西暦」だ。この「西暦」というようなモノが始まった頃、更にそれ以前からの歴史が積上げられている都市というようなモノの存在は、「何やら凄い」と思う。極個人的には、幼少の頃に「住んで居た家の近隣の建物が竣工していない様子で、それらの工事現場を毎日眺めていた」という経験を有している、言葉を換えると「眼に留まる近所の建物の悉くが、未 -
Posted by ブクログ
本書は、西洋美術史を専門とし、
現在は愛知教育大学教授である著者が
西洋の中世美術について概説する著作です。
ローマ・ギリシアとの連続性や
キリスト教徒の関係など、中世美術の全体像を概説した上で、
信仰、聖遺物、都市、写本、そして巡礼など、
テーマごとに個別の作品を紹介します。
美術史の著作というと専門用語が並び
近寄り難い印象がありますが、
本書は話し言葉で書かれ、専門用語も必要最小限なので
気軽に読み始め、読み通すことができました。
観光のような巡礼、中世美術とルネッサンス美術の関係など
興味深く、もっと深く知りたいと思うことは多くあり -
Posted by ブクログ
ネタバレ[ 内容 ]
古代ギリシア美術といえば「ミロのヴィーナス」、ルネサンス美術といえば「モナ・リザ」。
さて、典型的な中世美術といえば、何だろうか。
キリスト教美術というイメージもあって日本人にはとっつきにくい印象があるが、先入観を取り払って見てみれば、奥深く多様な魅力に溢れている。
エフェソス、ラヴェンナ、ブリュージュなどの遺跡や町をめぐり、大聖堂のステンドグラスを見上げながら、未知の世界に触れよう。
[ 目次 ]
中世美術とキリスト教
古代から中世へ
王国の夢―ラヴェンナ
市民たちの信仰
聖堂の壁画
聖遺物
イコンと祭壇画
中世の町
巡礼
修道院
写本
中世の建築家―カンタべりー
[ PO