コレフジのレビュー一覧
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購入済み
ある魔女が死ぬまで
そしてある魔女の生きる道。本作とは異なる他作品だが、一つ気になった言葉がある。
今や魔女を定義する簡潔な言葉は無い。絶対の加害者にして被害者。癒し手にして破壊者。悪魔の使徒にして神の使徒。汝の視野と言葉で魔女を定義せよ。それは汝の知的世界と願望とを映す鏡となる(~Missing~ 座敷童の物語·完結編より)
まさにこの作品にあるような言葉だとは正直思わなかった。彼女たちがそれぞれ抱えた罪と罰は計り知れない、それは家族を求めたさる老女であり、あるいは優しかったゆえに被害者から加害者へと堕ちていった孤独な女性でもあった。
彼女たちの、さらに協会が犯した罪を、それでもメグは赦した。それこそが実は彼女の持つ何よりの資質なのかも知れない、そう考えたらアニメのOPやED自体、最終巻の伏線だったかも。
魔法のある世界で彼女が今後どんな人生を歩んだのか見てみたい、それが花咲く道で満ち足りてる事を願う。 -
ネタバレ 購入済み
過ぎ去りし時を求めて
ラピスの魔女、世界を巡る。アニメ版だと語られなかった彼女の出自などが魔力災害という魔法におけるもう一つの面と共に語られていく。と言うかかなり重いです。
それは生意気だけど人の良い彼女に対して容赦なく突きつけられていく。実際危ないシーンもありましたし。
そして生まれ故郷を知る中で、メグの心にも変化が生じてきている。嬉し涙が、彼女が出会った人々が彼女の運命を果たして変える事が出来るのか、その答えが次の巻にて明らかになるのはヤキモキするな。
ただ一つ言えるのは……これ今から遅くないんでアニメ二期作ってもいいのよ?。二巻までのアニメ化にしておくには勿体ない良作だし。 -
ネタバレ 購入済み
潮騒と共に祝福の鐘は鳴る
見習い魔女、様々な物語に触れていく。前巻から潜在的に隠されてきた彼女の力が少しずつ開花していく過程が様々な出来事と重なり合い、それは古き巨木の呪いから潮騒の街に秘めた祝福の鐘すらも鳴らす程に。
ただ気になるのはメグの師匠ファウストは何を隠しているかが気になる。彼女を護ろうとする姿は間違いなく嘘偽りはない、だからこそかも知れないが。
それと多少の不穏な動きも幾つか。物語が良くも悪くも動き出す感じがする。 -
ネタバレ 購入済み
見習い魔女とラピスの人々
見習い魔女の奮闘劇。主人公のメグが中々素敵な性格していて面白い。やや捻くれてるが中身は天真爛漫で素直かつ明るいため、見てて安心する。メンタルも強めだし。
師匠であるファウストとの関係も師弟より家族に近しいか。ただところどころ語られるメグの半生、そして余命が彼女の影を落としている。
ちなみに全巻読んだ後、一番お気に入りはラピスの街編。まだまだ出来ない事があるからこそ、街の住民とのやり取りが光っていくし。 -
Posted by ブクログ
世界的にも有名な七賢人という7人の魔女。
その中でもトップクラスと言われるファウストの弟子メグ・ラズベリー
少々クチが悪く、おっさんのような言葉が出ることもある17歳の魔女だけど、人を惹きつけ、幸せを与える魅力を持っています。それは魔女としてというよりも人として。
師匠ファウスト、最初は魔女というだけで街では近づき難い存在だった。だけどメグが街の人とファウストの架け橋となり、師弟魔女はいつしか街に必要な存在に。
そんな時、師ファウストから呪いのため余命はあと一年であることを宣告されるメグ。
呪いの解くための行動がそこから始まるわけですが、以降、魔女として人としての成長が見られるストーリーです。
何気なく手にとって買ってみた本だったけど凄く面白かった。
続編も是非出してほしい。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ『ある魔女が死ぬまで3』は、シリーズの中でも一段と深みを増した物語だった。
これまでの「死を見つめながらも笑う魔女」の旅が、ここでは“生きる”という意志の物語へと昇華している。メグ・ラズベリーという存在が、悲しみや孤独を引き受けながらも、そのすべてを笑顔に変えようとする姿に、読者は静かに心を揺さぶられる。
世界を巡る旅の中で彼女が出会う“嬉し涙”の数々は、単なるファンタジーの欠片ではなく、人が他者と向き合うときに生まれる希望そのものだ。痛みを避けず、苦しみの意味を探りながら、それでも前へと進む姿勢が、この巻を通して圧倒的な生命力として描かれている。
また、物語全体に漂う詩的な余韻が美しい。坂氏の筆は、軽妙な会話とともに、人生の重みをそっと包み込むように進む。ページを閉じた後、胸の奥に残るのは「終わりではなく、始まり」という確かな予感。タイトルにある“はてしない物語”という言葉が、まるで読者自身に「あなたも生きて物語を紡げ」と語りかけてくるようだった。
魔女が死を恐れず、それでも生を選ぶ。
その強さと優しさが、静かな夜の灯火のように心を照らす。
シリーズの中で最も「生きる意味」を問う巻であり、同時に、最も温かく希望に満ちた一冊だった。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ『ある魔女が死ぬまで2 ―蒼き海に祝福の鐘は鳴り響く―』は、静かな余韻と確かな希望が共存する、美しい成長譚だ。
この物語で最も心を打たれるのは、主人公メグが積み重ねてきた「小さな努力」が、決して無駄ではなかったと証明される瞬間である。彼女がこれまで紡いできた日々の行い、誰にも理解されずとも信じ続けた心の在り方が、物語の核心でひときわ強く光を放つ。
それは奇跡ではなく、因果の果てに咲いた必然の花のようなものだ。メグが選んできた一つひとつの言葉、行動、そして迷いさえも、すべてが誰かを救い、世界のかたちを変えていく。その描写は決して劇的ではないが、深く、重く、読者の心を静かに揺さぶる。
また、蒼き海という舞台は、ただの背景ではなく「赦し」と「循環」を象徴する存在として機能している。波に洗われるように、登場人物たちは過去の痛みや罪を少しずつ受け入れ、前へと進む。メグの姿は、その中で希望の鐘を鳴らす小さな灯台のようだ。
全体として、本作は「努力は報われる」という単純な救いを描いてはいない。むしろ、「努力が誰かの未来へと繋がる」という静かな真理を示している。そこに込められた温度はあたたかく、重厚で、そしてどこまでも優しい。
『ある魔女が死ぬまで2』は、絶望の海の底にさえ、確かな祈りの鐘が響くことを教えてくれる。メグの歩みが導いたその音色は、読後、胸の奥で長く鳴り続ける。