春間タツキのレビュー一覧
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ネタバレ 購入済み
再びの名推理
今回の舞台は閉ざされた場所。その中でヴィーは再び真実を追い求める闘いをします。様々な出会いと導きの中で真実と出会ったとき、彼女は大きく成長しています。
ヒーローは彼女に負け戦を覚悟していますが、このまま彼女が成長していったらどうなるんでしょう。彼女の天敵も現れたことですし、まだしばらくワクワクさせていただけそうで楽しみです。 -
Posted by ブクログ
パズルを解いている感じで読める小説です。
辺境の騎士アドラスから自分が皇帝の実子ではないことを証明して欲しい(?)という依頼を受けたアウレスタ神殿の聖女のひとりであるヴィクトリア。
ヴィクトリアの聖女としての能力は、霊的なものが視え、話ができると言うこと。しかしながら霊を呼ぶことができるわけではなく、亡くなっているのにこの世を去ることができない霊とは大抵まともな話ができない。除霊ができるわけでもない。余り役立たない能力である。そのため、聖女の資格を剥奪されようとしているばかりか、そんな無能な身分で聖女に選ばれたのは不正があったからだと教会から追放処分をうけ軟禁状態なのである。ともかくも両者の利害が一致し、ヴィクトリアは教会を脱走しアドラスの住む辺境の国に向かう。
ハラハラドキドキの展開で一気読みで最後までいってしまうが、戦闘シーンも悪役の描写も淡々と描かれており、fantasyと言うより謎解き推理小説のおもむきな本である。敵役やライバルは登場するが、どうしようもないドロドロ性悪な悪役はでてこない。
ヴィクトリアの聖女としての能力は、やはりほとんど役立たず。謎解きの材料は包み隠さずでてくるので、読者もビィクトリアとイコールコンディションで推理ができる。自分でも推理しながら読むのが好きな人にはおすすめ。そうでない人でもなるほどね、というエンディングを読むことができる。
ちょっと変わったタイプの小説なのでシリーズ化があっても面白いだろう。忘却探偵シリーズ的なテイストがだせそう(世界観が随分違うが)。
「綺麗事と真実この世はこの世は救われない」とする主席聖女オルタナと、「偽りを塗り固めて至った先には、必ず綻びが生じる」とするヴィクトリアとの勝負の先が楽しみでもある。 -
Posted by ブクログ
ネタバレファンタジー要素(魔法)がトリックに絡むとはいえ、しっかり謎解きが楽しめるのが、この物語の魅力。
ヴィクトリアは実際、刑事よろしく丁寧に証言を集めていく。
今回は特に結界の中に閉じ込められた中、つまり外部からの応援も情報もない中、皇帝の死の真相を探っていくという難易度の高い謎解き。
しかも、結界内でも死人は出るし、まさにクローズドサークル。
こんな状況で、現場も遺体の再確認すらできない状況で真相に迫れるのかと心配になったのだが、そこはさすがヴィクトリア。
できてしまうのである。
そして、結界内ながら、しっかり大立ち回りもある。
ヴィーが心配でたまらないアドラス、今回もバリバリ腕力で物言わす場面あり。
様々な人からの助言もあり、徐々に足元固めができてきたヴィクトリア。
一方で、沈むときは静かに沈む、勝つつもりも引き分けるつもりもない負け戦と自覚しているアドラス。
ラストの寂しげな笑顔が、自分も忘れられない。
彼の負け戦がせめて引き分けになる日は来るのだろうか。
夢見てならない。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ魔法も魔獣も、何なら呪いまで存在するファンタジーな世界観の物語だが、アドラスの正体に迫る部分は完全なるミステリものとして楽しめた。
ファンタジーなのにミステリ部分がしっかりしていたのは嬉しい想定外。
序盤からその片鱗が見えたので「おお、これは!」と俄然期待は上がったが、本当に予想以上だった。
特に真相が明らかになった時と言ったら。
素直に皇子なのか違うのかという論点に注目していたら、全く無防備だった方向からやってきた真相。
痺れました。
「そうきたか!」と。
白が黒に、その逆もまた、な展開。
思い込んでいたキャラの性格がひっくり返るその瞬間。
痺れました(二回目)
そんな真相を明かすのが聖女失格として資格を剥奪されかかったヴィクトリアだったのも、大逆転な感じですっきりできた。
無能ではないのだ。
アドラスは割とチートな戦闘能力を持っていて足止めが足止めにならなかったりする超人的なキャラ。
そんなキャラが終盤どちらかというと精神的に追い詰められるのは少し胸が痛かった。
自暴自棄になっていたというか。
そこからの逆転劇は本当にスカッとするし、様々な伏線が一気に活きる場面なので、是非見て欲しいと思う。
圧倒的劣勢からの一足飛びリーチ一発ツモみたいな感じ。
最高でした。