【感想・ネタバレ】聖女ヴィクトリアの逡巡 アウレスタ神殿物語のレビュー

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Posted by ブクログ

ネタバレ

ファンタジー要素(魔法)がトリックに絡むとはいえ、しっかり謎解きが楽しめるのが、この物語の魅力。
ヴィクトリアは実際、刑事よろしく丁寧に証言を集めていく。
今回は特に結界の中に閉じ込められた中、つまり外部からの応援も情報もない中、皇帝の死の真相を探っていくという難易度の高い謎解き。
しかも、結界内でも死人は出るし、まさにクローズドサークル。
こんな状況で、現場も遺体の再確認すらできない状況で真相に迫れるのかと心配になったのだが、そこはさすがヴィクトリア。
できてしまうのである。
そして、結界内ながら、しっかり大立ち回りもある。
ヴィーが心配でたまらないアドラス、今回もバリバリ腕力で物言わす場面あり。

様々な人からの助言もあり、徐々に足元固めができてきたヴィクトリア。
一方で、沈むときは静かに沈む、勝つつもりも引き分けるつもりもない負け戦と自覚しているアドラス。
ラストの寂しげな笑顔が、自分も忘れられない。
彼の負け戦がせめて引き分けになる日は来るのだろうか。
夢見てならない。

1
2022年10月25日

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