あらすじ
アウレスタ神殿の物見の聖女、ヴィクトリアは、霊や魔力を視ることができる。
その力で、エデルハイド帝国の帝位継承にまつわる陰謀と、騎士アドラスの出生の秘密を明かしてから一ヶ月――。
ついに帝国の皇帝が崩御し、十人の候補者の互選によって次代皇帝を決める継承選が始まった。
だが、ある候補者の策によって、帝位を望まないアドラスが新皇帝として選出されてしまう。
再投票のためには、候補者全員の同意が必要で、同意の交換条件として、皇帝の謎めいた死の真相を明かすことを求められる。
ヴィクトリアは物見の力を生かし、真実を解き明かすことはできるのか……?
大反響の西洋風ファンタジー×ミステリ、第2弾!
感情タグBEST3
このページにはネタバレを含むレビューが表示されています
再びの名推理
今回の舞台は閉ざされた場所。その中でヴィーは再び真実を追い求める闘いをします。様々な出会いと導きの中で真実と出会ったとき、彼女は大きく成長しています。
ヒーローは彼女に負け戦を覚悟していますが、このまま彼女が成長していったらどうなるんでしょう。彼女の天敵も現れたことですし、まだしばらくワクワクさせていただけそうで楽しみです。
Posted by ブクログ
ファンタジー要素(魔法)がトリックに絡むとはいえ、しっかり謎解きが楽しめるのが、この物語の魅力。
ヴィクトリアは実際、刑事よろしく丁寧に証言を集めていく。
今回は特に結界の中に閉じ込められた中、つまり外部からの応援も情報もない中、皇帝の死の真相を探っていくという難易度の高い謎解き。
しかも、結界内でも死人は出るし、まさにクローズドサークル。
こんな状況で、現場も遺体の再確認すらできない状況で真相に迫れるのかと心配になったのだが、そこはさすがヴィクトリア。
できてしまうのである。
そして、結界内ながら、しっかり大立ち回りもある。
ヴィーが心配でたまらないアドラス、今回もバリバリ腕力で物言わす場面あり。
様々な人からの助言もあり、徐々に足元固めができてきたヴィクトリア。
一方で、沈むときは静かに沈む、勝つつもりも引き分けるつもりもない負け戦と自覚しているアドラス。
ラストの寂しげな笑顔が、自分も忘れられない。
彼の負け戦がせめて引き分けになる日は来るのだろうか。
夢見てならない。